登山で必要な水分、「何を」「どれだけ」「どうやって」持っていってる?

2019/08/08 更新

登山には水分補給が重要だということはわかっていても、その水分を「どのくらい」「何を」「何に入れて」持っていけばいいか困っていませんか?今回は、持っていく水分の選び方のコツとシュミレーションを紹介します。まずはおおよその選び方をマスターして、自分の状況に合った水分補給の準備ができるようになりましょう!


アイキャッチ画像撮影:Takamasa

登山には欠かせない水分補給

撮影:YAMAHACK編集部
いよいよ夏山シーズン到来!長時間歩き続ける登山は、想像以上に汗をかきます。そのままにしておくとミネラル不足でバテたり、足がつったり、ひどくなると脱水症状や熱中症の恐れも。登山の水分補給は侮れないんです!

登山で必要な「水分量」はどのくらい?

出典:PIXTA
「水分補給が大事」なのはわかりましたが、実際にどのくらいの量が必要なのでしょうか。足りないよりは多すぎる方がいいですが、水分は重たいため持っていくにも限りがあります。
そこで便利なのが次の式。登山中に持っていくとよい水分量の目安が簡単に出すことができます。
登山中に必要な水分量(ml)=(体重+荷物)× 5 × 行動時間

例:体重60kgの人が7kgのザックを背負って6時間の日帰り登山をしたとすると…
(60+7)×5×6=2010ml  ”およそ2L”が必要な水分量の目安となります。

『登山の運動生理とトレーニング』山本正嘉(鹿屋体育大学教授)ただ、これはあくまで目安。登山時の気温(季節や時間帯)やコースのハードさ、また調理用の水の有無、予備用などで調整が必要となります。

持っていくのは「水」でいい?

出典:PIXTA
「水分」と聞いて思いつくのは水ですよね。水分補給にはもちろんですが、調理用やけがをしたときの洗浄にも使えるので登山には必須の水分となります。
しかし、体から出ていく水分である汗は水と塩分。水だけだと塩分不足になり、バテたり足がつったりする原因にもなります。

スポーツドリンク 汗で失われた塩分やミネラルの補給に最適なのがスポーツドリンク。水だけでは補いきれない栄養を手軽に摂取できるため、夏の登山では特におすすめです。
しかし、水に比べて甘いため余計に喉が渇いてしまうという欠点も。また、調理や洗浄には使用できないので、”スポーツドリンクだけ持っていく”というのは避けたほうがよいでしょう。

《”コーヒーやお茶”は注意が必要》
出典:PIXTA
ウーロン茶や緑茶、コーヒーや紅茶などのお茶類。実はコーヒーやお茶に含まれるカフェインには利尿作用があり、「水分補給として」は向いていません。山行中の水分補給用ではなく、山頂や休憩中のご褒美として楽しみましょう。どうしても飲みたい!という人はカフェインレスのコーヒーやカフェインの含まれていない麦茶にするなどの工夫を。

でも…どうやって持って行けばいい?

登山で水分が大事なのはわかりました。でも実際、登山者のみんなは何をどのように持っていっているのでしょうか?
というのも、例えば『2Lの水分を持っていきたい!』と思ったとしても…

2L
撮影:Takamasa

・1L折りたたみボトル+0.5Lプラスチックボトル+0.5L<ペットボトル
・1.5L折りたたみボトル+0.5Lプラスチックボトル
・1Lプラスチックボトル+0.5Lプラスチックボトル2本
・0.5Lペットボトル×4本
・2Lペットボトル
・2L折りたたみボトル

など、持っていく方法は実にさまざま。さらに水を持っていくのか、スポーツドリンクを持っていくのか、その種類にも正解はありません。

水分の種類別に分別したり、ザックのスペースに合わせたり、状況によって組み合わせがたくさんあるため、登山初心者は迷ってしまうこともあるのではないでしょうか。

実際にシュミレーションしてみよう!

出典:PIXTA
では実際に、2つの登山ケースを想定してシュミレーションしてみましょう!

水分を持ち歩く道具にも様々な種類があるため、まずは登山で定番の方法4つを紹介します。
※あくまでシュミレーションです。自身の状況や登山の経験、環境によって調整してください。

水分を持っていくためのおすすめ道具

①ペットボトル
出典:PIXTA
500mlごとに小分けができ、飲料用の水、洗浄用の水、スポーツドリンクなど用途別に分けていくのに便利です。コンビニでも買えるので手軽な半面、使い捨てになる場合が多く、環境的には考えものです。

②プラスチックボトル
撮影:YAMAHACK編集部
軽くて丈夫なのが最大の特徴。中でも「ナルゲン」が登山者の中では人気のボトルです。
サイズやデザインもいろいろあるので、用途別や容量別にそろえておくのもいいかもしれませんね。口が広いタイプもあり、洗いやすく清潔に保てるのはもちろん、粉末タイプの飲料も粉を入れやすく手軽に作ることができるのもポイント。
しかも、ナッツなどの行動食を入れるなど、実はいろんな使い方もできる応用のきくアイテムなんですよ!

③折りたたみボトル
プラティパス
撮影:Takamasa
水は飲み終わったあとの容器が邪魔…という人にはおすすめ。飲み終わったらたためるので邪魔になりません。形がある程度変形するので、ザックに入れる時もスペースを有効に使えるというメリットも。もちろん何度も使えるのでエコ。

④アルミ・ステンレスボトル
出典:PIXTA
頑丈そうに見えるので重いと思いきや、登山向けのボトルはとても軽いのが魅力。保温・保冷性に優れているので、冷たい飲み物や熱い飲み物を持っていきたいときには便利です。熱湯を入れておくと、山頂でのコーヒータイムにも使えますよ。

【ケース1】森林浴でリフレッシュ!往復3時間の夏の低山ハイキング

出典:PIXTA(編集:Takamasa)
①水分量…体重は50㎏、ザックの重さはハイキングなので3㎏と仮定。(50+3)×5×3=795ml。予備量も考慮して1Lあれば大丈夫
②種 類…標高が高くないので暑いため、スポーツドリンクを多めに。汗はかきにくい体質なので、予備のお水はそこまで多くなくてもよい
③入れ物…荷物はそんなにないので多少かさばっても大丈夫

【提案1】次は山にいつ行くかわからないから、新しいものは買いたくない!


撮影:Takamasa

ペットボトル500ml(水)

ペットボトル
500ml(スポーツドリンク)

【提案2】普段使いにも使えるプラスチックボトルが欲しい!

ペット+ナルゲン
撮影:Takamasa

ペットボトル500ml(水)

プラスチックボトル500ml(スポーツドリンク)

【ケース2】下界の暑さを忘れて山頂コーヒー!往復6時間登山

出典:PIXTA(編集:Takamasa)
①水分量…体重は60㎏、ザックは日帰り登山だと5~7㎏程度なので、今回は6㎏と仮定。(60+6)×5×6=1980ml。コーヒー分の水(500ml)と汗をかきやすいので多めの予備量を多めにして3.0L
②種 類…長時間になるのでこまめな水分補給。水+塩分補給もしくはスポーツドリンクで塩分補給もしっかりと。
③入れ物…着替え等の荷物が多いので、できるだけ省スペース化したい。→折りたたみボトルの活用。

【提案1】準備はできるだけ簡単に。でも、コーヒーは頂上でお湯を沸かして飲みたい!

プラティパス+ペット2
撮影:Takamasa

折りたたみボトル2L(水)

ペットボトル500ml(スポーツドリンク)2本

【提案2】スポドリはパウダータイプで作り、今後も再利用できるようにプラスチックボトルを!

プラティパス+ナルゲン+ステンレス
撮影:Takamasa

折りたたみボトル2L(水)

プラスチックボトル500ml(スポーツドリンク)

ステンレスボトル500ml(コーヒー用熱湯)

どの持参方法もあくまでも目安。道具の種類、自分が持っている道具、を知ったうえで、自分に合った持ち運び方法を見つけ出しましょう。

水分補給をしっかりとって快適な登山を!

出典:PIXTA
登山がつらいという声を聞きますが、実は運動量よりも水分補給がしっかり行えていないことからの疲れが原因であることも。持っていく水分の量や入れ物を把握して的確な水分補給ができれば、登山は快適で楽しいものになりますよ。まさに状況にあった水分補給を制するものは登山を制する!ですね。きちんと水分補給をして快適な登山を!

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Takamasa
Takamasa

学生時代に旅行で47都道府県を制覇し、一番気に入った北海道に移住。それから本格的にアウトドアにはまり、現在は北海道の自然を満喫中。登山、キャンプ、温泉、食べ歩き、英会話が大好きな元関西人。

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