『ココヘリ』のことちゃんと知ってる? 持っていない人にありがちな8つの勘違い

2020/03/02 更新

最近山でよく見かけるようになった『ココヘリ』は、遭難者をいち早く発見するための「会員制捜索ヘリサービス」です。安心登山にとっても役立つサービスですが、意外にも加入率がまだまだ高くありません。ちょっとした勘違いから、自分には関係ないと思い込んでいる人が多いようです。もっともっと『ココヘリ』のこと、ちゃんと知って、正しく使って、もしもの時に備えましょう!


アイキャッチ画像 撮影:akko_y

最近山でよく見かけるコレ、知っていますか?

ココヘリ
撮影:akko_y
最近ザックにこんな赤い物を付けた人をよく見かけませんか?「みんなが持っていて気になっていた」という人も多いのではないでしょうか。 ヘリコプターが描かれたこのアイテムは、山へ行くなら必ず持って行くべき優れモノなのです。

その名も『ココヘリ』、もしもの時に居場所を知らせる!

遭難
出典:PIXTA
『ココヘリ』とは、会員制ヘリ捜索サービス。みんなが付けている赤い物、実は『ココヘリ』のココヘリ会員証(発信機)なんです。

道迷いやケガ、体調不良により、もしも自力で下山できなくなってしまった場合、通報があればヘリで捜索。登山者が携帯している発信機型会員証の電波をキャッチし、離れた場所からでも居場所を特定することができます。

つまり、受信した遭難者の正確な位置情報を警察へ知らせることで、救助までの時間を格段に短縮できるのです。


どのくらいの人が加入してるの?

ココヘリ会員数
作成:YAMA HACK編集部
ココヘリの会員数は約3万人(2019年10月時点)。多くの人が利用しているように思えますが、全登山人口からみると、ほんの1%程度。まだまだ利用していない人が多いのが現状です。こんなに良いサービスなのに、なぜ利用していない人がこんなに多いのでしょう?

持たない理由は“間違い”だらけ!? 『ココヘリ』にありがちな8つの誤解

なぜ?
出典:PIXTA
ココヘリ入会していない理由は人それぞれ。しかし、まだ利用していない人の中には、ココヘリに対する“誤解”がある人も多いようなのです。あなたも、こんな“勘違い”していませんか?

【1】スゴイ険しい山に登ってる人向けのサービスでしょ?

険しい山
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遭難=難所で発生するイメージが強いですよね? しかし実際には、低山での事故も多いのです。歩きなれた道でも、登山中はいつ何が起きるかわかりません。

遭難のリスクは、山のレベルに関わらず、どんな登山者にも同じようにあるもの。里山ハイキングや何回も登っている山でも、ココヘリ会員証を携帯していると安心ですよ。

【2】山岳保険に入っているから問題なし!

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山岳保険も大切ですよね。でも、保険が助けてくれるのは、遭難した時に発生する費用(けがや入院、死亡時のお金のほか、民間ヘリによる救助費)なんです。

しかも、すぐに見つけてもらえなかったら保険でカバーできる限度額を超えてしまう場合もあり、その後の捜索はすべて自己負担に。行方不明で見つからなかったら、生命保険も適用されません

まずはすぐに見つけてもらえることが、登山者にも、その家族にとっても重要です。登山保険と一緒にココヘリに加入すると、より安心です。

【3】登山届を出していれば、発見してもらえるよね?

登山届
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登山届を出しておけば、山域やルートが特定できて早い発見につながりますね。ですが、遭難者がそのルートのどのあたりにいるのか、またはルートから外れて迷っているのか、ピンポイントで見つけ出すのは至難の業です。

一方、ココヘリ会員証の電波は、最長16kmまで探知可能! 登山届を出したうえでココヘリ会員証も携帯していれば、予定のルート上をヘリで捜索することで、早くに見つかる可能性が高くなります

つまり、命の危険が迫っているときにも、助かる可能性がグッと高まるのです。実際、通報からわずか15分で遭難者を発見し、救出するという奏功事例も!

【4】いざというときはスマホで連絡するから大丈夫!

携帯電話
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スマートフォン(携帯電話)の電波が届き、自力で連絡できる場合はもちろん大丈夫。でも、絶対に連絡ができるとは限りません。充電が切れていたり、転んだ拍子に携帯が壊れてしまうこともあるでしょう。また、事故以外にも突発的な体調不良で動けなくなってしまう場合もあります。

意識を失ってしまうようなことがあっても、ココヘリ会員証はちゃんとあなたの居場所を発信し続けてくれるのです。

また、スマートフォンが圏外の場所でも、ココヘリ会員証の発信機は稼働。岩の隙間にはまってしまったり、森の奥深くに迷いこんでしまったり、そんな障害物がたくさんあるような場所でも、水中に完全に沈んでいる場合を除いて、ずっと電波を飛ばし続けてくれます

【5】長期山行だったらバッテリーがもつのか心配…

電池切れ
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発信機型会員証は、シンプルプランの場合、100%充電されていれば約2.5ヵ月間電波を発信。Bluetooth®(ブルートゥース)機能を搭載し、スマートフォンアプリで発信機を探すことができる「ココヘリプレミアム」の場合は、フル充電で約2ヵ月持続します(1ヵ月に1回の充電を推奨)。

スマホのように途中で充電する必要がなく、長期縦走でも安心ですね。

【6】そういうサービスって、結構高いんじゃない?

ココヘリの3つのプラン ココヘリは3つのプランから選択可能。年会費は、シンプルプランの場合3,650円。1日に換算すると約10円です。プレミアムプランでも、1日たったの15円~30円程度

さらに、捜索ヘリは、1事案につき3回まで無料でフライトしてくれるんです。一般的に、民間の捜索ヘリの出動費用は1分ごとに約1万円。それを考えると、このサービスはありがたいですね。

初年度のみ入会金3,000円が必要ですが、山岳保険とセットで申し込むと安くなるプランや、期間限定のお得なキャンペーンも。また、登山用品がお得に買える会員専用の通販サイトも利用できますよ。


【7】同行者が持っているから大丈夫

同行者
出典:PIXTA
ココヘリ会員証を持っている人と一緒だと、ちょっと安心してしまいますよね。でも、もしもの時にも一緒にいられるとは限りません。1人だけはぐれてしまうことや、滑落して居場所がわからなくなってしまう場合も。

ココヘリ会員証は1人に1つが基本。万一の備えに各自が持っていることが大切なんです。

【8】ココヘリ会員証を持っていたからといって、100%発見してもらえるわけじゃないでしょ?

捜索
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これまでのココヘリの実績は、捜索事案25件、解決事案22件。「ほら、発見率100%じゃないじゃん!」と思いきや、発見できなかった2件は、発信機の持ち忘れ1件と電源の入れ忘れ1件、不明は1件のみ。電源を入れてしっかり携行していれば、素早く見つけてもらえます

『ココヘリ』の実績についてはこちら

『ココヘリ』を持っている人も、気をつけて!

ココヘリ
撮影:akko_y
ココヘリに加入している人も、持っているだけではダメなんです。“ついうっかり”で、残念ながら『ココヘリ』の実力を発揮できないことも。

山へ行く前にチェックしておきたい3つのポイントを、もう一度確認しましょう。

①充電をしっかりし、電源をON! そして必ず携行すること

充電中のココヘリ
出典:PIXTA
これまでのココヘリサービスの捜索で、残念ながら発見できなかった事案が2件あります。1件は電源の入れ忘れ。そしてもう一件は、持ち忘れです。ついうっかりって、誰にでもあることですよね。山へ行く前には必ず確認するようにしましょう。

ちなみに、ココヘリプレミアムの発信機型会員証は、電源のON/OFF機能がない仕様。電源の入れ忘れを気にする必要がないので安心です。

また、シンプルプランの発信機型会員証は、100%充電されていれば約2.5ヵ月間電波を発信。プレミアムプランは約2ヵ月間発信し続けてくれますが、まだ大丈夫と思っていると、ついつい充電するのを忘れてバッテリー切れになっていることも。ココヘリでは、1ヵ月に1回の充電を推奨しています。

②『ココヘリ』『登山届』『山岳保険』はセットで

安心登山
出典:PIXTA
もしもの時、できるだけ早く見つけてもらうためには、ココヘリ会員証の電波をいち早くキャッチしてもらうことが重要です。登山届を提出することで、捜索の範囲がグッと絞られ、救出までの時間が短縮できます。また、どんな事でどれぐらいの費用がかかるかも心配なところ。

『ココヘリ』『登山届』『山岳保険』には、それぞれ異なるメリットがありますので、3つセットで備えておきましょう。


③帰って来ない時、すぐに気づいて通報してもらえるようにすること

伝言
出典:PIXTA
登山届を提出し、ココヘリ会員証を持って山に入っても、通報がないと捜索は開始されません。自力で連絡できない状況にある時、下山してこないことに気づいてすぐに通報してくれる人が必要です。

行き先(登山計画)、コールセンターの電話番号、ココヘリIDを、メールやメモなど記録として残る形で、必ず誰かに伝えてから出発しましょう。

心強い山のパートナー『ココヘリ』

安心登山
出典:PIXTA
ココヘリはその実績が認められ、2019年4月には上州武尊山(群馬県川場スキー場よりリフト利用の場合)、12月には日光白根山(積雪期及び残雪期)で携帯が義務化されました。そのほか、約10のトレランレースでも必携品に指定され、多くの団体でも推奨されています。

どんなに気をつけていても、無事下山できる確立は100%ではありません。「まさか自分が遭難するなんて」とつい思いがちですが、その時は突然やってきます。『登山届』『登山保険』『ココヘリ』で、もしもの事態にしっかり備えましょう。

▼ココヘリにまだ入会していないかたはココから
ココヘリ入会フォーム

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ココヘリ
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akko_y

兵庫県在住。ある日ふとテレビに映ったヒマラヤへ行きたくなり、山活をスタート。気付けば登山の魅力にどっぷりはまっておりました。ただいま登山ガイド修行中。まだまだ修行が足りませんが、皆さんと一緒に楽しみながら成長していければ幸いです。

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