西大巓から西吾妻山

吾妻山|東北の名山を一望!最高峰・西吾妻山を巡るおすすめ初心者コース

福島県~山形県に沿って連なっている火山群、吾妻山。日本百名山を始め、うつくしま百名山にも名を連ねている東北を代表する山の一つです。特に吾妻山の最高峰「西吾妻山」の樹氷群は、冬しか見る事のできない圧巻の情景です。今回はそんな西吾妻山をめぐる日帰りコースを紹介。ゴンドラ・ロープウェイ・リフトを使うので、初心者でも気軽に楽しめます!

目次

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『吾妻山(あずまやま)』ってどんな山?


出典:PIXTA
標高山頂所在地最高気温(6月-8月)最低気温(6月-8月)
2,035m(西吾妻山)山形県・福島県18.2℃4.5℃
出典:ヤマレコ
吾妻山は、山形県と福島県にまたがって東西に伸びる火山群。「吾妻連峰」とも呼ばれ、最高峰・西吾妻山の2,035mを筆頭に、1,900m台の山々が連なっています。日本百名山の他にも、福島県のうつくしま百名山にも選ばれるなど、東北を代表する山の一つ。西吾妻山山頂は木々に覆われていて眺望はありませんが、山頂周辺にある天狗岩・西大巓・かもしか展望台などからは東北の山々を一望できます。

吾妻山の難易度は?

吾妻山
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吾妻山は山形県側・福島県側からロープウェイ・リフト・ゴンドラが運行しています。それらを利用すれば、麓から一気に山頂付近まで登ることができるため、体力的にも技術的にも初級者におすすめの山。しかし最高峰の西吾妻山は標高2,000m級の山。気候の変化も多いため、きちんとした装備で登りましょう!

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吾妻山の天気は?

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てんきとくらす(吾妻山の週間天気)

季節によって様々な顔を見せてくれる吾妻山

一般登山のシーズンは6月上旬から11月上旬頃。新緑が美しい6月、稜線の花を楽しめる7・8月、さらに秋には紅葉、冬には樹氷の姿など、一年を通してさまざまな景色を見せてくれます。特に10月上旬頃に見ることが出来る紅葉は必見!

カラフルで楽しい吾妻山の紅葉


出典:PIXTA

吾妻山一帯は東北でも指折りの紅葉スポットとして人気!西吾妻山方面では、9月中旬くらいから山頂付近で草地の紅葉が始まり、10月上旬には山腹一帯が赤や黄色に色づきます。東吾妻山方面では9月下旬から10月中旬にかけて紅葉を楽しむ事ができ、鎌沼付近や浄土平周辺が特に人気の紅葉スポットです。


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吾妻山の東側を縫うように走る磐梯吾妻スカイラインも紅葉の名所として有名。全長28.7㎞の山岳観光道路には、作家・井上靖が選出した景勝地「吾妻八景」が点在し、つばくろ谷や天狗の庭から紅葉を楽しむことができます。10月上~中旬が見頃です。

雪上に並ぶ、もこもことしたスノーモンスター

樹氷
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亜高山帯に分布する針葉樹に氷や雪が付着し雪だるま状に大きくなる「樹氷」。スノーモンスターとも呼ばれ国内でも限られた場所でしか見ることができません。冬季(1月~3月上旬)の吾妻山では、稜線上にたくさんの樹氷が広がることでも有名。


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吾妻山では雪山登山の経験がなくても樹氷を見ることができます。グランデコスキー場や天元台高原からリフトに乗りながら樹氷が楽しめる他、スノーシューを履いて樹氷原をスノートレッキングするツアーなどもあるので、雪山初心者にもおすすめ。

【ロープウェイ&リフト利用】山形県から登る天元台コース

山形県の白布温泉からロープウェイとリフトを3基乗り継いで一気に標高1,800m地点へ。そこから吾妻連峰の主峰・西吾妻山まで登る、片道約1時間45分コースです。健脚者の方はリフトを使わず登ることも可能。

合計距離: 5.93 km
最高点の標高: 2025 m
最低点の標高: 1818 m
累積標高(上り): 580 m
累積標高(下り): -580 m
【体力レベル】★★☆☆☆
日帰り
コースタイム:3時間5分
参考:ヤマプラ(コースタイムはロープウェイ・リフト除く)
【技術的難易度】★☆☆☆☆
・歩きやすい靴と動きやすい服装が必要
凡例はこちらをクリック:グレーディング表

湯元(ロープウェイ)→天元台高原(リフト)→北望台(25分)→中大巓分岐(50分)→天狗岩(15分)→西吾妻山山頂(45分)→人形石(25分)→北望台(リフト)→天元台高原(ロープウェイ)→湯元
※ロープウェイ・リフトを使わない場合:湯元(55分)→天元台高原(80分)→北望台


出典:PIXTA

ロープウェイ湯本駅から天元台高原駅までの所要時間は約5分。そこから天元台高原スキー場のリフトを3基乗り継ぎます。到着した地点が北望台、ここから登山スタートです。


出典:PIXTA

北望台からは中大巓分岐方面へ。北望台からしばらくは樹林帯を歩きます。足元には大きな石が多いので、注意して進みましょう。樹林帯が終わり分岐を南へ進むと、一面の湿原とそこに伸びる木道が。チングルマやイワカガミなど、さまざまなお花が楽しめます。

出典:Googlemap

木道を過ぎると岩場の急登に。雨のあとなどは滑りやすいため、注意が必要です。坂を登りきり湿原をさらに進むと、大きな岩が積みあがった梵天岩、その先に天狗岩があります。


出典:PIXTA

天狗岩周辺は西吾妻山随一のビュースポット。西吾妻山山頂からは眺望がないため、ここで休憩するのがおすすめ。
南側からはこれから向かう西吾妻山山頂が、北側からは米沢平野を一望することができます。ここにある小さな祠が吾妻神社です。


出典:PIXTA

天狗岩から針葉樹林の中を登ること約10分、ほどなく山頂に到着です。山頂は木々に囲まれ、残念ながら展望はありません。
帰路は北望台を再び目指しリフト・ロープウェイを使って下山しましょう。

【ゴンドラ利用】福島県側から登るグランデココース

福島県の裏磐梯、グランデコスキーリゾートに架設されたゴンドラを使って、西大巓と西吾妻山の2座を踏破するコース。一気にゴンドラで標高1,390m地点まで登り、片道2時間半のほどで登頂できる初心者OKのコースです。天元台コース同様、健脚者の方はゴンドラを使わず自分の脚で登るルートも。

合計距離: 8.69 km
最高点の標高: 2025 m
最低点の標高: 1406 m
累積標高(上り): 1334 m
累積標高(下り): -1334 m

【体力レベル】★★☆☆☆
日帰り
コースタイム:4時間55分
参考:ヤマプラ
【技術的難易度】★☆☆☆☆
・歩きやすい靴と動きやすい服装が必要
凡例はこちらをクリック:グレーディング表

山麓駅(ゴンドラ)→山頂駅(105分)→西大巓(45分)→西吾妻山山頂(15分)→天狗岩(55分)→西大巓(75分)→山頂駅(ゴンドラ)→山麓駅
※ゴンドラを使わない場合:麓駅(1時間30分)→山頂駅


出典:PIXTA

グランデコセンター山麓駅からパノラマゴンドラに乗って約15分、標高1,390m地点のゴンドラ山頂駅に到着。山頂駅付近には散策路が整備され、フラワーガーデンやデコ平湿原が広がります。

ゴンドラ山頂駅からスキー場ゲレンデの急登をしばらく登り、樹林に囲まれた細い登山道へ。ここから先も急登が続きます。斜面を登りきると展望の開けた稜線となり、西大巓の山頂に到着です。

出典:Googlemap

西大巓の山頂からは360度の大パノラマ。磐梯山や安達太良山、飯豊山や蔵王など、東北を代表する多くの山を一望できます。さらに猪苗代湖の姿も。美しい景色に、ついつい時間を忘れて長居してしまいます。

西大巓から西吾妻山に向かう稜線

出典:PIXTA

西大巓からは奥に見える山頂に向けて、気持ちのよい稜線散歩。100mほど下ったあと、再度登っていきます。木道に入り赤い屋根が目印の西吾妻山小屋に到着。そこから10分ほど歩くと西吾妻山山頂です。帰りはそのまま帰るのも可能ですが、天狗岩・吾妻神社へ足を伸ばすのもおすすめ!

吾妻山の山小屋情報、アクセス・駐車場情報

今回紹介した2コース上にある西吾妻山小屋、さらに2つの登山口までのアクセス・駐車場情報を紹介します。

西吾妻小屋


出典:PIXTA
無人の避難小屋ですが、トイレもあるので休憩や緊急時に活用できます。赤い屋根が目印!

場所:西吾妻山山頂から西へ約300m
標高:1980m
備考:2階建て、トイレあり

湯元駅前(若女平登山口)

●車の場合
東北自動車道 米沢八幡原I.Cー国道13号
●電車・バスの場合【東京から】
東京駅(山形新幹線)ー米沢駅ー白布天元台行バス(40分)ー湯元駅前
バス時刻表

【駐車場情報】
ロープウェイ「湯元駅」周辺に約300台収容可能
駐車料金:無料(終日開放)

グランデコスノーリゾート

●車の場合【東京から】
磐越自動車道 猪苗代・磐梯高原ICー一般道で約40分

●電車・バスの場合
東京駅(東北新幹線)ー郡山駅(JR磐越西線)ー猪苗代駅ーシャトルバス(約60分)

シャトルバス運行期間:2018年4月9日〜2018年11月30日 (グリーンシーズン)
シャトルバスの詳細はこちら
【駐車場情報】
料金:平日無料、土日祝及び年末年始は普通車1台 1,000円

山の魅力を全部乗せ


出典:PIXTA

吾妻山の魅力は一言では言い表せません。東北を代表する高峰にして活火山、稜線には湿原やお花畑が広がり、季節によって紅葉や樹氷が楽しめます。周辺には温泉も点在しているので、登山帰りに寄るのもいいですね。まさに山の魅力を全部乗せした欲張りな山が吾妻山なのです。