そのウェア、自分に合ってる?「ゴアテックス製品」選び方のポイント

日本ゴア社取材第2弾!今回は「正しくゴアテックス製品を選ぶ方法」がテーマです。沢山あるゴアテックス製品の中から自分にぴったりの物を選ぶために気をつけたいポイントとは?今後どんな製品が発売される?日本ゴア社の広報の方にお聞きしました。

アイキャッチ画像撮影:YAMA HACK編集部

「自分に合った」ゴアテックス(R)製品の選び方

ゴアテックスのウェア
撮影:YAMA HACK編集部
前回の取材では、ゴアテックス(R)ファブリクスの仕組みやお手入れについて伺いました。今回は、自分に合った製品の選び方のポイントをつかむために、登山に向いている製品や、他の防水透湿素材と比べた時のゴアテックス(R)ファブリクスについて伺っていきます。
【第1回目の取材記事はこちら】

ゴアテックス(R)テクノロジーは3つのクラスから成る

編集部(以下、編):ゴアテックス(R)テクノロジーって聞くと、ものすごく種類が多いイメージがあります。自分に合ったものを選ぶポイントはありますか?

説明をする市塚さん
撮影:YAMA HACK編集部
市塚さん:まず、ゴアテックス(R)テクノロジーと呼ばれるものは大きく分けて「3つ」と考えてください。

1つ目は「ゴアテックス(R)プロダクト」。このクラスのウェアは、登山からスノーアクティビティまで幅広い活動に適しています。一番一般的で、用途に合ったウェアが選べます。
2つ目は「ゴアテックス(R)Proプロダクト」。このクラスは「ゴアテックス(R)プロダクト」よりも耐久性と透湿性が高いのが特徴。過酷な状況で使用する、例えば山岳ガイドさんなんかにおすすめのクラスです。
3つ目は「ゴアテックス(R)Activeプロダクト」。これは特に透湿性に特化したウェアがあるクラスです。いかに汗が早く抜けるか、ということを一番重視した製品がこのクラスになります。

普通の登山なら「ゴアテックス(R)プロダクト」がおすすめ

ゴアテックスロゴ
提供:日本ゴア社
編:そうすると、一般的な登山でおすすめなクラスというのは・・・

市塚さん:「ゴアテックス(R)プロダクト」で十分ではないかと思いますよ。より丈夫なものが欲しい、と普通の登山にProを求める方もいらっしゃいますが、耐久性が高い分、重かったり着心地が固かったり、犠牲にしている部分もあります。

ゴアテックスプロダクトの様々な素材
撮影:YAMA HACK編集部
※写真はゴアテックス(R)プロダクトの生地の種類。2層、2.5層、3層、裏地の違いでも様々なものがあり、分厚さや軽さも異なります。

市塚さん:普通の登山でゴアテックス(R)Proプロダクトを使うことは、例えるなら一般道をオフロードカーで走るようなもの。機能を活かしきることができないことを考えると、「ゴアテックス(R)プロダクト」から、自分に合ったモデルを選ぶのがおすすめです。

夏山におすすめのものはどれ?



夏山登山
出典:PIXTA
編:では、「ゴアテックス(R)プロダクト」の中でも、夏山登山に向いているものというと何になるでしょう?

市塚さん:C-KNIT™バッカーとパックライト(R)がいいのではないでしょうか?「C-KNIT™バッカー」は、裏地が丸編みニットで作られているんですね。なので、肌触りがすごく柔らかくて着心地がいいんです。さらに薄手で軽量、より透湿性も上がっているんです。よく汗をかく夏山にはぴったりですね。

編:確かに触った感じが全然違いますね!
ゴアテックス?プロダクトの裏地
撮影:YAMA HACK編集部
※裏地を拡大すると様々な編み方がされており、手触りが全然違います。上がC-KNIT™バッカー。
編:「パックライト(R)」とはどういったものですか?

市塚さん:「パックライト(R)」はとにかく軽いのが特徴。たいていのゴアテックス(R)ファブリクスは、表地、メンブレン、裏地の3枚を貼り合わせた「3層構造」になっています。パックライトはその裏地の代わりに、メンブレンが直接肌に触れないための特殊コーティングをメンブレンに施しているんですね。その分かなり軽量で、透湿性も高い。とにかく軽量さが大事!という方にはおすすめですね。

冬山も「ゴアテックス(R)プロダクト」で対応可能

冬山登山
出典:PIXTA
編:冬山は、夏山より耐久性が重要になりますよね。

市塚さん:はい、それでもProではなく「ゴアテックス(R)プロダクト」の冬山用ウェアで十分対応できます。ゴアテックス(R)プロダクトの中でも3層のものの方がより耐久性が高いので、選ぶ時のポイントにしてもらえればと思います。

他の防水透湿素材と比較して、ゴアテックス(R)製品を選ぶメリットとデメリット

編:登山用品店に行くと、ゴアテックス(R)製品だけでなく、メーカーが独自に開発した防水透湿素材を使ったウェアが目につきます。ゴアテックス(R)ファブリクスと他の防水透湿素材を比較して、ゴアテックス(R)ファブリクスの製品を選ぶメリットやデメリットが知りたいです。

防水透湿のバランスが良く、長く使えるのがゴアテックス(R)製品

市塚さん:確かに、様々な防水透湿素材がありますよね。ここは負けない!と思う点は、「防水と透湿のバランスがいいこと」だと思います。防水性を追求しすぎると透湿性が落ちますし、逆の場合もあります。その点ゴアテックス(R)ファブリクスはそのバランスが一番取れている素材だと思います。

ゴアテックスロゴ
 
提供:日本ゴア社
あとは、ゴアテックス(R)製品は長く使えるところもメリットですね。防水透湿素材はフッ素系のものとウレタン系のもの、大きく分けて2種類あります。ウレタン系はどうしても加水分解による劣化が防げません。ゴアテックス(R)メンブレンのようなフッ素系ですとその心配がないですね。素材自体だけではなく、シームテープが剥がれにくいなど全体的な強度も高いので、長く使っていただけます。

編:防水透湿のバランスと、長く使えることがゴアテックス(R)製品を選ぶメリットなんですね!

市塚さん:メーカー開発の素材だと、そのメーカーからしか製品が選べませんが、ゴアテックス(R)プロダクトは様々なメーカーから選べるところもメリットかもしれませんね。

弱点は伸びないことと、価格

ゴアテックスプロダクトのレインウェア
撮影:YAMA HACK編集部
編:逆にデメリットというか、ゴアテックス(R)製品の弱点はどんなところでしょう?

市塚さん:ひとつは、伸びないことだと思います。先ほどお伝えしたウレタン系の素材だと、伸びるので体の動きにフィットしやすいんですね。逆にフッ素系は伸びないのが弱み。ですので、メーカーさんと協力して、素材自体が伸びなくても体が動かしやすいパターンを考えてカバーしています。

あとは、価格でしょうか。ゴアテックス(R)プロダクトは高い、なんてよく言われますが(笑)でも、その価格には「体を濡らさない」という保証まで含まれていますし、長く使う前提で購入いただければ、コスパは悪くないと思いますよ。

一番大切なのは、自分で触って確かめること



編:「勧められたから」という買い方から、一歩進んだ選び方ができそうです!

市塚さん:何よりも一番大切なのは、「自分で触って確かめること」だと思うんですね。メーカーさんはそれぞれ、コンセプトを持ってウェアを作っています。そのコンセプトから、自分に合いそうなものを選ぶ。そして実際にお店に行って、製品を自分の手で触ってみてください。

ゴアテックスプロダクトを触ってみる
撮影:YAMA HACK編集部
「軽い」「重い」「肌触りがいい」というのは、すべて人によって感覚が違います。また、同じ「ゴアテックス(R)プロダクト」クラスの製品でも、メーカーのコンセプトによって生地の厚みや軽さなども色々。色んなメーカーの製品を、色んなモデルを、自分で触って、着てみて選ぶことが、自分に合うウェアを選ぶ一番大切なポイントなんじゃないかと思います。

今後はもっと身近なものに!

長い期間を経て、さらに進化を続けるゴアテックス(R)製品。今後、どんなアイテムが生み出されるのかも気になります!

振っただけで乾く?画期的な新製品

編:今後、画期的な製品が出る予定はあるんですか?

市塚さん:最近出た製品がかなり面白いんですよ。「ゴアテックス(R)シェイクドライ™プロダクト」というものなんです。

シェイクドライ
撮影:YAMA HACK編集部(ゴアテックス(R)シェイクドライ™プロダクトを着用させてもらいました)
編:シェイクドライ?振っただけで乾く?

市塚さん:なんと、ゴアテックス(R)メンブレンを表地に使ったウェアなんです!

編:表地と裏地がないんですか?

市塚さん:撥水性が持続的に続くのが大きな特徴です。表地に従来通りの布がなくゴアテックス(R)メンブレンを使用しているので、防水も透湿もでき、さらに振っただけで乾いてしまうほど撥水性が高い。もちろん、今までのプロダクトの中で最も軽量でもあります。

編:でも、メンブレンだけだと耐久性が低いから表地と裏地をつけてたんじゃ・・・?

シェイクドライの撥水性 市塚さん:その通りです。これは「撥水性」に特化した製品なので、重いザックを背負う登山などにはまだ対応できません。今のところ、外からの摩擦が少ないランニングやサイクリング用ですね。

編:いずれ登山でも使えるように、進化が楽しみですね!

タウンユース製品も続々追加!



ゴアテックスのスタンスミス
出典:Amazon
編:最近では、アディダスからゴアテックス(R)テクノロジーを使ったスタンスミスが発売されたことも話題になりましたよね。これからもそういった「普段使いの製品」にゴアテックス(R)テクノロジーが使われることが増えていくのでしょうか?

市塚さん:はい。ゴアテックス(R)テクノロジーの防水透湿性は、日常でも役に立つシーンが多くあります。アウトドア好きな人だけでなく、もっとその良さを広く知っていただくためにも、今後タウンユース製品はどんどん増えていくことになります。

編:ゴアテックス(R)製品がより身近に増えていくんですね。ますますファンが増えそうです!

信頼と安心感の積み重ねが「ゴアテックスなら大丈夫」につながる

ゴアテックス広報市塚さん
撮影:YAMA HACK編集部
市塚さん:「ゴアテックス(R)製品が一番良い!」とよく言っていただくのですが、その理由はやはり「信頼と安心感」なんじゃないかなぁと思います。お客様の手元に届く、最後の段階まで製品をチェックしていることがまず安心感につながります。

「ゴアテックス(R)プロダクト」のタグが付いている以上、こちらの基準に満たないような何かしらの不備があれば、メーカーだけでなくゴアテックス(R)としても保証を行います。そういった体制と、使っていただいた実感が積み重なって「やっぱりゴアテックス(R)製品が一番!」というお言葉につながっていると思っています。

ゴアテックス?のレインウェアを着た男性 「体を濡らさない」という信念に沿って、徹底した品質管理のもと作られているゴアテックス(R)製品。より自分に合ったものを長く使うには私たち自身の使い方や選び方を見直すことも大切です。新しくゴアテックス(R)製品の購入を考える時は、ぜひ市塚さんに教えていただいたポイントを思い出してみてくださいね!

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YAMA HACK編集部
YAMA HACK編集部

YAMA HACK運営&記事編集担当。登山をきっかけに自然の力に魅了される。山で飲むコーヒーが大好き。何かあれば必ず山に行き、心身共に整える。山について新しい視点を与えられるような記事作りを心がけて日々執筆活動を行う。

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