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景信山コースガイド|堂所山・陣馬山へ縦走

高尾山(599m)から陣馬山(855m)へと続く奥高尾縦走路。中でも城山(670m)と堂所山(733m)の間に位置する景信山(727m)は、隣接する様々な山と結ぶことで、変化に富んだコース設定が可能な人気の山です。今回はそんな景信山からの縦走コースから、堂所山を越えて関東百名山の一座・陣馬山を目指すをめざすコースを紹介します。

目次

アイキャッチ画像撮影:鷲尾 太輔

絶景の山頂をめざす縦走コース

陣馬山頂から望む奥多摩の山々

撮影:鷲尾 太輔(陣馬山頂から望む奥多摩の山々)

景信山と並んで奥高尾縦走路で人気の山が、陣馬山(855m)
JR中央線・藤野駅からや陣馬高原下バス停からも様々な登山コースが延びていますが、景信山からの縦走も可能。適度なアップダウンが続く、気持ちの良い稜線歩きを楽しむことが可能です。

陣馬山の魅力は何と言ってもその眺望。草原状の山頂からは、富士山はもちろん丹沢山塊や奥多摩三山まで続く絶景が広がります。今回はそんな絶景をめざして、景信山〜堂所山〜陣馬山への縦走コースを歩いてみましょう。

コース概要

合計距離: 8.92 km
最高点の標高: 840 m
最低点の標高: 341 m
累積標高(上り): 418 m
累積標高(下り): -786 m
【体力レベル】★★☆☆☆
日帰り
コースタイム:約3時間15分(景信山山頂から)
参考:ヤマプラ
【技術的難易度】★★☆☆☆
・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい
凡例はこちらをクリック:グレーディング表
コース概要
景信山(55分)→堂所山(20分)→底沢峠(10分)→明王峠(10分)→奈良子峠(40分)→陣馬山(40分)→陣馬街道(20分)→陣馬高原下バス停


▼景信山までの登山コースについては、こちらをチェック!

    • 景信山 山頂

      ①【日帰り】小仏バス停〜景信山

      体力度:★☆☆☆☆
      技術難易度:★★☆☆☆

      コースタイム02:05 コース距離2.83km 標高差357m

      最短で山頂を目指すコース!多くの登山者で賑わうメジャーコースです。

    • 小仏峠から登る景信山

      ②【日帰り】小仏峠〜景信山

      体力度:★☆☆☆☆
      技術難易度:★★☆☆☆

      コースタイム02:40 コース距離4.87km 標高差356m

      小仏バス停から旧甲州街道、小仏峠経由で山頂を目指すコース

コース詳細ガイド

今回のルート

出典:YAMAP(今回のコース)

さあ、それでは堂所山・陣馬山へ向けてスタートです。

Section1:景信山〜堂所山(約55分)

Section1

出典:YAMAP(Section1)

景信山から堂所山の間には、明確なものだけで7つの小ピークがあります。すべてを越えて稜線上を進むこともできますが、うち6つには南側をトラバース(横断)する巻道がつけられています。
陣馬山へ向けての体力・時間を考慮すると、巻道の利用がおすすめのセクションです。

景信山山頂

撮影:鷲尾 太輔(景信山山頂)

まずはこの道標に従って、階段を下っていきます。

撮影:鷲尾 太輔(ゆるやかな登り返し)

最初の小ピークは、ゆるやかに登り返しながら越えます。

階段を下る

撮影:鷲尾 太輔(階段を下る)

再び階段が現れ、これを下っていきます。
巻道と合流

撮影:鷲尾 太輔(巻道と合流)

景信山の南側を通ってきた巻道と合流します。

前方に次のピーク

撮影:鷲尾 太輔(前方に次のピーク)

登山道を進んでいくと、前方に次の小ピークが見えてきます。

巻道その1

撮影:鷲尾 太輔(巻道その1)

稜線上を歩く右手の階段は登らず、左手の巻道を進みます。

巻道その2

撮影:鷲尾 太輔(巻道その2)

地形図やGPSアプリで「・696」と記されている小ピークへは右手へ登りますが、ここも左手の巻道を進みましょう。

巻道その3

撮影:鷲尾 太輔(巻道その3)

送電線の真下にある小ピーク。こちらも左手の巻道を進みます。

分岐

撮影:鷲尾 太輔(分岐)

国道20号線沿いの底沢バス停へ下る分岐。巻道と間違えて進まないよう、道標が設置されています。

巻道その4

撮影:鷲尾 太輔(巻道その4)

地形図やGPSアプリで「・673」と記されている小ピークへは右手へ登り返しますが、ここも左手の巻道を進みましょう。

稜線沿いの道と合流
撮影:鷲尾 太輔(稜線沿いの道と合流)

小ピーク「・673」を越えてきた登山道と合流します。

巻道その5

撮影:鷲尾 太輔(巻道その5)

次に現れる小ピーク。ここも稜線上を歩く右手の階段は登らず、左手の巻道を進みましょう。

撮影:鷲尾 太輔(稜線沿いの道と合流)

どの巻道も完全に平坦ではなく、わずかなアップダウンはあります。とはいえ小ピークを越えるよりは体力的にも時間的にもおすすめ。
ここも小ピークを越えてきた登山道と合流します。

巻道その6

撮影:鷲尾 太輔(巻道その6)

景信山〜堂所山間の最後の小ピークへは右手へ登り返しますが、ここも左手の巻道を進みましょう。

堂所山手前の看板

撮影:鷲尾 太輔(堂所山手前の看板)

この看板の通り堂所山も南側を巻くことは可能ですが、せっかくなので立ち寄ってみましょう。

堂所山への急登

撮影:鷲尾 太輔(堂所山への急登)

木の根が露出した急斜面を登り返します。これまで進んできた小ピークの巻道がいかにありがたい存在であったかを、実感させられます。

堂所山への分岐

撮影:鷲尾 太輔(堂所山への分岐)

急斜面を登り切ると、分岐が現れます。右手に進み100mほど登れば、堂所山山頂です。

堂所山

撮影:鷲尾 太輔(堂所山)

ひっそりとした堂所山山頂。ちなみにここから八王子城山(八王子城址)へ至る北高尾山稜は、標高差50m前後の巻道がないピークが連続する、奥高尾界隈ではもっともハードな縦走路です。

Section2:堂所山〜明王峠(約30分)

Section2

出典:YAMAP(Section2)

このセクションには巻道はありません。地形図やGPSアプリで「・721」と記されているピーク(赤岩山)周辺は、防火帯(山火事の延焼防止のため樹木が伐採された稜線)で見晴らしの良い場所。
2つの分岐がある底沢峠へ下り、登り返すと明王峠です。

堂所山からの下り

撮影:鷲尾 太輔(堂所山からの下り)

17.の分岐まで戻り、陣馬山・底沢峠方面へ階段を下ります。

巻道との合流

撮影:鷲尾 太輔(巻道との合流)

堂所山の巻道と合流した場所には、小さなベンチが設置されています。

撮影:鷲尾 太輔(防火帯の中を登る)

防火帯の稜線を、赤岩山に向けて登り返します。

堂所山方面の眺望

撮影:鷲尾 太輔(堂所山方面の眺望)

振り返ると、左端の堂所山と巻道で通過してきた小ピークが連なる稜線がよく見えます。

赤岩山山頂

撮影:鷲尾 太輔(赤岩山山頂)

赤岩山の山頂付近まで、防火帯が続きます。ここから樹林の中を少し下ると、底沢峠です。

底沢峠・分岐その1

撮影:鷲尾 太輔(底沢峠・分岐その1)

底沢峠で最初に現れるのが、南方向へ進む登山道の分岐です。こちらへ下ると、国道20号線沿いの底沢バス停に下山して、JR中央線・相模湖駅へ行くことができます。

底沢峠・分岐その2

撮影:鷲尾 太輔(底沢峠・分岐その2)

少しだけ進むと、北方向へ進む登山道の分岐が現れます。こちらへ下ると、今回のコースのゴール・陣馬高原下バス停にショートカットして下山することができます。

明王峠への登り返し

撮影:鷲尾 太輔(明王峠への登り返し)

ベンチが設置された広場を通って、明王峠へ向けてゆるやかに登り返します。

明王峠の直下

撮影:鷲尾 太輔(明王峠の直下)

やがて登山道は階段に変わりますが、明王峠は目前です。

明王峠

撮影:鷲尾 太輔(明王峠)

樹林が開けてくると、明王峠に到着です。

明王峠のベンチ

撮影:鷲尾 太輔(明王峠のベンチ)

明王峠周辺は樹林が開けて明るく、複数のベンチが設置されており休憩にはぴったりです。

明王峠のトイレ

撮影:鷲尾 太輔(明王峠のトイレ)

建物のみ残っている茶屋は営業していませんが、分岐を相模湖駅方面に少し下った場所にあるトイレは利用可能です。

Section3:明王峠〜陣馬山(約50分)

Section3

出典:YAMAP(Section3)

明王峠から陣馬山へは、基本的には登りとなります。奈良子峠を過ぎて、3つの小ピークを経由しながら進むと、巻道や藤野駅からのコースの分岐を経て陣馬山山頂に到着します。

明王峠からの登り

撮影:鷲尾 太輔(明王峠からの登り)

明王峠を後にしたら、あと少しだけ登ります。

丸太のベンチ

撮影:鷲尾 太輔(丸太のベンチ)

登りきった小ピークには、丸太のベンチが設置されています。ここから奈良子峠までは、ゆるやかな下りとなります。

奈良子峠

撮影:鷲尾 太輔(丸太のベンチ)

奈良子峠に到着。南側へ下るJR中央線・藤野駅への奈良子尾根コースは通行可能ですが、北側へ下る陣馬高原下バス停へのコースは通行止めです。

小ピークへの登り

撮影:鷲尾 太輔(小ピークへの登り)

地形図やGPSアプリで「・763」と記されているピークは巻道がないので登り返します。標高差は30m程度の、ゆるやかな登りです。

小ピークからの下り

撮影:鷲尾 太輔(小ピークからの下り)

小ピーク「・763」からの下りは、さらになだらかな道です。

富士小屋山の巻道

撮影:鷲尾 太輔(富士小屋山の巻道)

次のピーク(富士小屋山)は、西側の巻道で通過します。

南郷山の巻道

撮影:鷲尾 太輔(南郷山の巻道)

地形図やGPSアプリで「・789」と記されているピーク(南郷山)も、南側の巻道で通過します。

関東ふれあいの道の石碑

撮影:鷲尾 太輔(関東ふれあいの道の石碑)

この石碑が埋められているあたりまで来ると右手の北斜面が広葉樹に変わり、明るい雰囲気の登山道になります。

陣馬山を望む

撮影:鷲尾 太輔(陣馬山を望む)

前方には、めざす陣馬山が見えてきます。

巻道との分岐

撮影:鷲尾 太輔(巻道との分岐)

陣馬山に登らず進む巻道との分岐。ここは直進しましょう。

陣馬山が近づく

撮影:鷲尾 太輔(陣馬山が近づく)

分岐から登っていくと、陣馬山がさらに近づいてきます。

栃谷尾根コースと合流

撮影:鷲尾 太輔(栃谷尾根コースと合流)

JR中央線・藤野駅からのもうひとつの登山道・栃谷尾根コースと合流。右手に進みましょう。

山頂直下の巻道分岐

撮影:鷲尾 太輔(山頂直下の巻道分岐)

山頂直下にも巻道がありますが、道標裏手の階段を登って行きます。

山頂が見えてくる

撮影:鷲尾 太輔(山頂が見えてくる)

階段を登り詰めると、緑色のテラスが目印の陣馬山頂 富士見茶屋の奥に、山頂のシンボル・白馬の像が見えてきます。

奥多摩方面の眺望
撮影:鷲尾 太輔(奥多摩方面の眺望)

山頂からは富士山はもちろん、奥多摩の山々や丹沢山塊・道志山塊など360°のパノラマが広がります。

陣馬山頂 清水茶屋

撮影:鷲尾 太輔(陣馬山頂 清水茶屋と生藤山)

山頂から西に下ると、陣馬山頂 清水茶屋があります。背後には陣馬山と同じく関東百名山の一座・生藤山(しょうとうさん・990m)がそびえています。

陣馬山頂 信玄茶屋とトイレ・休憩所

撮影:鷲尾 太輔(陣馬山頂 信玄茶屋とトイレ・休憩所)

北側に下った広場には陣馬山頂 信玄茶屋があり、登山道を挟んで右側にトイレと休憩所も設置されています。

解放感のある草原が広がる陣馬山頂ですが、テントの設営や火器使用は禁止されているので注意しましょう。

Section4:陣馬山〜陣馬高原下バス停(約60分)

Section4

出典:YAMAP(Section4)

陣馬山からはひたすら下りの登山道。最初は分岐が多く注意が必要ですが、針葉樹林の中の稜線に入ると一本道です。
陣馬街道に出たら、陣馬高原下バス停までは車道歩きとなります。

トイレの左奥から下り始めます

撮影:鷲尾 太輔(トイレの左奥から下り始めます)

下り登山道はトイレの左奥から始まります。この看板の「100m先右折れ」をしっかり覚えておきましょう。

階段を下る

撮影:鷲尾 太輔(階段を下る)

草原の中の階段を北方向へ下っていきます。

ここを右へ!

撮影:鷲尾 太輔(ここを右へ!)

ちょうど100m下った場所です。道標通りに直進すると遠回りになるので、階段と別れて道標の奥を右へ進むのが「新ハイキングコース」と山頂看板に掲載されていたコースです。

トラバース気味の下り

撮影:鷲尾 太輔(トラバース気味の下り)

山頂北側をトラバースするように下っていきます。山頂直下の巻道が右手から合流するT時路を左折し、さらに下ります。

和田峠との分岐

撮影:鷲尾 太輔(和田峠との分岐)

先ほどの階段を下りきった和田峠への巻道分岐。直進せずに右折して谷をまたぎ、右奥へ続く道へ進んでいきます。

巻道との分岐

撮影:鷲尾 太輔(巻道との分岐)

高尾山・景信山と表示されているのは、明王峠〜陣馬山のセクションで最初に通過した巻道へのコースで斜面を登り返すように続いています。気にせず、道なりに進めばOKです。

ここからは一本道

撮影:鷲尾 太輔(ここからは一本道)

ここまで来れば、針葉樹林の中を下っていくだけです。木の幹に黄色いペンキマークが続いています。

広い尾根

撮影:鷲尾 太輔(広い尾根)

一見するとどこでも歩けそうな森ですが、両側が低くなっている「尾根」を進むことだけを念頭に、まっすぐ下りましょう。

尾根がなだらかに

撮影:鷲尾 太輔(尾根がなだらかに)

やがて下り傾斜がなだらかになり、左手(西側)が広葉樹林となって明るく視界が開けます。

登山道が右折

撮影:鷲尾 太輔(登山道が右折)

この道標通りに右折して、北東方向に伸びる尾根に進みます。

狭い尾根

撮影:鷲尾 太輔(狭い尾根)

先ほどよりも尾根の幅が狭くなります。下っていくにつれて、沢のせせらぎが聞こえるようになってきます。

沢と合流

撮影:鷲尾 太輔(沢と合流)

せせらぎの音が次第に大きくなってくると、下りきって沢と合流します。登山道は一気にゆるやかになり、沢に沿って進んでいきます。

右岸に渡る橋

撮影:鷲尾 太輔(右岸に渡る橋)

この橋を渡って、沢の右岸を進みます。登山道はほぼ平坦になってきます。

左岸に渡る橋

撮影:鷲尾 太輔(左岸に渡る橋)

今度は左岸に渡る橋。頭上には陣馬街道が迫っており、車が通行する音も聞こえてきます。

陣馬街道と合流

撮影:鷲尾 太輔(陣馬街道と合流)

陣馬街道と合流して登山道は終わり。ここからは車道歩きとなります。

車道を進む

撮影:鷲尾 太輔(車道を進む)

小型車や二輪車しか通行できない狭い1車線道路を歩きます。左手の法面につけられている番号表示が、進むにつれて31・30・29と小さくなっていきます。

上案下配水所

撮影:鷲尾 太輔(上案下配水所)

左側に見えるのが上案下配水所、ゴールまではあと600mほどです。

22番標識

撮影:鷲尾 太輔(22番標識)

ここまで来ればゴールは目前、前方の橋を渡ると集落に入ります。

陣馬そば 山下屋

撮影:鷲尾 太輔(陣馬そば 山下屋)

ついにゴール!陣馬そば 山下屋の左隣が、陣馬高原下バス停です。

陣馬高原下バス停

撮影:鷲尾 太輔(陣馬高原下バス停)

陣馬高原下バス停にはトイレと靴洗い場が設置されています。自動販売機は陣馬そば 山下屋前のものを利用しましょう。下山後に嬉しい缶ビールも売っていますよ。

ここから高尾駅北口行きのバスは、原則1時間に1本のみの運行。陣馬山からゆとりを持って下山できるよう、予めダイヤを調べておくのがおすすめです。

エスケープルートも要チェック!

主なエスケープルート

出典:YAMAP(主なエスケープルート)

比較的歩行距離・時間の長いこの縦走コース。特に最後のセクションは樹林帯の中の下りとなるので、日照時間が短い時期はかなり早い時間から暗くなります。

陣馬山へ向かう途中で時間的にコース通り進むのは厳しいと感じたら、豊富なエスケープルートを使って明るいうちに安全な場所まで下山してください。

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