見たことある?ミヤマリンドウはこんな花
ミヤマリンドウは、リンドウ科リンドウ属の多年草。高山帯の湿原や湿り気のある場所に自生する、日本固有の高山植物です。
花は小さく、長さ15ミリから20ミリ程の筒状の花冠が上向きに開きます。1本の茎の先に咲く花の数は1~5個。
ミヤマリンドウは平開するため、上から見ると1枚1枚独立した花びらのように見えますが、正確には花冠が深く裂けて花びらのように見えている状態。
大小交互に10枚に裂けていて、小さい方は「副片」と呼ばれ、先端にギザギザの切れ込みが見られます。
きれいな青紫色で背丈は低め
ミヤマリンドウの花は小さいですが、茎の高さも5~10センチ程と低め。茎はやや赤紫がかった色をしています。葉は対生し、楕円形でやや肉厚。
濃淡の差は出ますが、花の色は鮮やかな青紫。花の内側ははっきりと目立つ柄は見られませんが、ぼんやりと斑模様が浮かぶものもあります。
また、まれに白い花を咲かせる個体も。
ミヤマリンドウを見つけるには?
本州の中部以北と北海道の亜高山帯から高山帯が生息地なので、観賞には登山装備が必須です。
澄んだ空と鮮やかな青紫色の花の組み合わせは、きっと見事なことでしょう!
貴重な晴れ間に!お天気も重要
ミヤマリンドウの花は開花時期ならいつでも咲いているというわけではありません。
実は花が開くのは晴れている間のみ。曇りの日や朝晩は、花を閉じてしまいます。
閉じた状態だと見つけるのは難しいですね…。
似てる?「ミヤマリンドウ」と「タテヤマリンドウ」
リンドウの種類は多く、国内に約20種類が自生しています。高山に咲く種類も多く、ミヤマリンドウもそのうちのひとつ。
そして、ミヤマリンドウを調べていると、必ず出てくるのが「タテヤマリンドウ」。花の大きさや色がとてもよく似ています。
ぱっと見は同じに見えますが…よく見るとはっきりとした違いが。
斑点がある!
ミヤマリンドウの花冠の内側は、はっきりとした柄はみられませんが、タテヤマリンドウにはくっきりと斑点模様が入っています。
葉の付き方も違う!
また、葉っぱにも注目。
ミヤマリンドウの葉は茎から横向きに広がりますが、タテヤマリンドウの葉は茎を包み込むように閉じています。
遠くからだととても似ていましたが、こうやって近くから見ると特徴がありますね。
もっと知りたい!ミヤマリンドウ豆知識
夏の晴れた日に咲く小さな青紫の花、ミヤマリンドウ。
せっかくなので、ミヤマリンドウについてもう少し掘り下げます。
漢字で書くと「深山竜胆」
小さく可憐な花のイメージに対して逞しい雰囲気の漢字ですが、これはリンドウの漢名に由来します。リンドウは漢方薬として使われ、根が熊の肝よりも苦かったことから、熊よりもランクの高い竜をあてはめ「竜胆」と書くように。
中国では熊肝は代表的な苦味で、それよりもさらに苦かったとは…まさに良薬は口に苦し、でしょうか。
リンドウ(竜胆)の花は平地にも分布しているので、山に咲くリンドウ(竜胆)で、「深山竜胆」です。
正義・満ちた自信・あなたを慰めたい
ミヤマリンドウの花言葉。まっすぐな力強さがありますね。
曇り空で咲く花が見られない時は、花言葉に慰めてもらいましょう。
ミヤマリンドウが見られる場所
ミヤマリンドウが見られる7月~9月は、他にも様々な種類の高山植物が花を咲かせる時期です。
せっかくなら晴れた日に、青空に映えるミヤマリンドウが見たいですよね。
代表的な生息地を紹介します。
大雪山
様々な種類の高山植物が楽しめる大雪山。
ミヤマリンドウの見ごろは7月下旬から9月です。
月山
月山の見ごろは7月~8月。
8合目から9合目、頂上付近で観察できます。
千畳敷カール
千畳敷カールでも見ごろは7月~9月。
カール内で観察が出来るので、ロープウェイで気軽に探しに行けます!
ミヤマリンドウを見つけに行こう!
小さく見逃してしまう高山植物も、特徴がわかると自然と目に入るようになりませんか?
平地では見られない高山植物は、険しい道のりの先のささやかなご褒美。そして名前が分かる植物を見つけたときはとても嬉しいです。
晴れた日にしか見られないミヤマリンドウの花はさらに特別。
今年の夏は、高山のお花畑でミヤマリンドウの花を探してみてください!