目次
黄色の体液に要注意!ヒラズゲンセイとは

ヒラズゲンセイは鮮やかな朱色をしており、特にオスは頭部と大顎が大きく、その姿は”真っ赤なクワガタ“と称されることもあります。
大きさは18〜30mmほどで、顎や足、触覚は艶のある黒色。クワガタやカブトムシと同じ甲虫で、ツチハンミョウ科の仲間です。東南アジアから日本まで広く分布する種類ですが、これまで日本では西日本の一部でしかみられなかったことから、あまり有名な虫ではありませんでした。
子どもや虫好きの方であれば、思わず捕まえに行ってしまいそうですが…絶対触らないで!!
今回はヒラズゲンセイの生態、うっかり触れてしまった際の応急処置について学んでいきましょう。
クマバチに寄生するヒラズゲンセイ

ヒラズゲンセイはキムネクマバチの巣の側で繁殖行動を終えると、そのまま巣に忍び込んで産卵。孵化した幼虫たちは、クマバチが集めた花粉団子をエサとして成長していきます。幼虫の時に一度クマバチにしがみついて巣から出ていき、どこかで過ごしたのちに再びクマバチの体に付いて巣に戻ることが確認されています。
その後、サナギから成虫になるまでクマバチの巣に寄生。謎の多い生態の全容は未だに解明されていません。過去の研究者によると、羽化直後のヒラズゲンセイはホオズキに似たニオイがするんだとか…。
温暖化とともに北上中?

しかし、最近では滋賀や京都あたりまで北上しながら分布を拡大中。北上についてはまだ謎が多く、温暖化によってクマバチとヒラズゲンセイの生活周期に、なんらかの変化が起きたことが原因とする見解もあります。
ヒラズゲンセイの生息場所と活動時期
遭遇しやすい生息場所と時期

幻の昆虫、ヒラズゲンセイ

出会うことも稀な昆虫なので、登山道にいることはあまりないですが、キムネクマバチが巣を作るエリアではみかけることもあるかもしれません。
関節から出す黄色の体液に注意

実は、ヒラズゲンセイは外敵から刺激を受けると、足や体の関節から毒を含んだ黄色い体液を出します。体液には「カンタリジン」という有毒物質が含まれ、肌に触れるとかぶれたり水ぶくれができる可能性もあるので要注意!
ヒラズゲンセイに遭遇したら
止まったらそっと振り払おう

出会っても興味本位で触らない

毒液に接触した時の応急処置

①患部を水洗い

②ステロイド軟膏を塗布

【抗ヒスタミン剤を含むステロイド剤例】
ムヒアルファEX
【第2類医薬品】
効能・効果:かゆみ、しっしん、皮ふ炎、かぶれ、あせも、じんましん、虫刺され
用法・用量:一日数回、適量を患部に塗布してください
※医薬品は使用上の注意をよく読み用法・用量を守って正しくお使い下さい
効能・効果:かゆみ、しっしん、皮ふ炎、かぶれ、あせも、じんましん、虫刺され
用法・用量:一日数回、適量を患部に塗布してください
※医薬品は使用上の注意をよく読み用法・用量を守って正しくお使い下さい
③重い症状の場合は病院へ

攻撃性はゼロ、でも手を出してはダメ

でも、ヒラズゲンセイには毒があります。
『知ることは最初の事故予防』
この虫は知っているだけで事故を防げます。離れた場所から観察するだけにとどめ、そっとしておいてあげましょう。
今回教えてくれた人
この記事を読んでいる人にはこちらもおすすめ
紹介されたアイテム

ムヒアルファEX