●オレンジジュース、グレープフルーツジュース…糖分やクエン酸が多く含まれているので、筋肉のエネルギー源の回復を手助け。
●栄養ドリンク…ビタミンB群とカフェインが含まれているので、効率よくエネルギーを生み出し、疲労回復に効果的。
●アミノ酸入りのスポーツドリンク…BCAAという分岐鎖(ぶんきさ)アミノ酸が多く含まれていているものは、筋肉疲労の軽減と回復を手助け。登山後半や疲れを感じたときにも摂取すると効果的。翌日すっきりしたい人におすすめ。
登山した日の夜の食事はタンパク質をしっかり摂ると筋肉の疲労回復にいいと聞きますが、飲み物からも疲労回復の成分を摂取することができるんですね。疲れて食欲が出ない時などは特に、水分からの栄養補給を心がけたいものです。
水分を適切に摂取しないとどうなる?
では最後に、水分を適切にとらなかった場合、具体的にどういった症状があらわれるのかを聞いてみました。
山田さん
これは怖い。歩けなくなったり、滑落などの事故にも繋がりかねませんね。ちなみに、箱根駅伝出場経験をもつ山田さんですが、実はマラソンの練習中に脱水症状をおこした経験があるそう。
山田さん
必要な水の量、ひと口の量は人によって違う!
応急処置により重症には至らなかったものの、この経験から、自分にあった水分補給の大切さを痛感したのだとか。自分が汗っかきの自覚がある場合は特に、水だけではなく、塩分やミネラルが含まれているスポーツドリンクを持っていくべきとのことでした。集団登山の場合、どうしても周りのペースに合わせてしまいがちですが、自分の体調を第一に考えて、自分に合った水分補給をすることが大切と言えそうですね。
自分に合った水分補給で快適な登山を!
「自分に合った飲み物の種類、量を考え準備をする。その結果、登山中に今日はこれを持ってきて良かった、と感じることも、登山の楽しみのひとつだと思っています」と山田さんは話します。
季節や気温など当日の状況と、自分のコンディションを考えた上での水分補給が大切と言えそうです。自分に合った水分補給を知ることは、快適な登山に繋がるでしょう。
◆お話しをお聞きした方:山田賢児さん
管理栄養士。フィットネストレーナー。「YAMADA BODY MAKE.」(ヤマダボディメイク)代表。トレーニングに加えて栄養指導を行うことで、健康的で機能的な身体作りをサポートしている。大学では栄養学を専攻するかたわら、陸上選手として箱根駅伝に出場した経験を持つ。