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管理栄養士に聞いた! 安全に登山するための正しい水分補給とは?(2ページ目)


山田さん
お茶はカフェインが含まれているもの、含まれていないものに分かれます。カフェインが入っているものは利尿作用があり、トイレが近くなるので注意が必要。水分補給用には、カフェインが含まれていない、麦茶などを選んでおくと安心ですね。

一方で、カフェインにはこんなメリットも

秋の一ノ沢ルートを登山する男性

出典:PIXTA

山田さん
カフェインは、交感神経を優位にしてくれる働きがあるので、体を活性化させ、集中力を高める効果があります。そういった意味では、カフェインが含まれている、烏龍茶、緑茶、紅茶、コーヒーなども個人的には良いと思います。

なるほど、カフェインが一概に良くないという訳でもないようです。飲みすぎるとトイレが近くなる可能性がありますが、“ここぞ!”という時のために好みに応じて紅茶や緑茶などをプラスで持って行っても良さそうですね。

【まとめ】
・水だけでなくスポーツドリンクもあると◎
・お茶であれば、水の代わりにカフェインが含まれていない麦茶などもOK
・カフェインには利尿作用がある
・ただしカフェインには集中力を高める効果があるので、適量であれば緑茶や紅茶も可

自分の脱水量や・ひと口で飲める量って知っていますか?

出典:PIXTA

では次に、適切な水分補給のタイミングについて。よく、一度に飲まずに少しずつ、などと聞きますが、少しずつってどれくらいなのでしょうか? 季節や汗の量によって、水分補給のペースや、飲む量も変わってくるそうですが、目安を伺いました。


山田さん
水分は呼気からも少しずつ失われていくもの。そこで、喉がかわいていない、汗をあまりかいていない状態でも、15〜30分おきにひと口かふた口は飲んだほうが良いですね。

水分は、1度に大量に飲んでも意味がありません。体に吸収しきれず、結局は尿として排出されてしまうのだとか。

カラカラに喉が乾いた状態で一気飲みすると、トイレは近くなるものの、体には吸収されないということになります。山ではすぐにトイレに行けない状況もありますから、あまり急にトイレに行きたくなるのも困りもの。それを避けるためにも、こまめな水分補給を心がけたほうがいいですね。

汗をかく

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なお、自分の脱水量を簡単に知ることができる方法として知っておくといいのは、およそ行動時間1時間で体重1kgにつき5gの脱水が起こるということ。つまり体重50kgの人が合計6時間歩くとすると、脱水量は1500gとなるそうです。これがわかると、持っていく飲み物の量の目安になりますね。ただし季節による気温差や、汗をかく量など、脱水量には個人差があるのでその点は注意が必要です。

スケール

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ちなみに、自分のひと口の量を明確に知っておくと、水分補給する頻度の目安にもなり、安心ですよね。簡単に、自分のひと口の量を知る方法もあるようです。


山田さん
ペットボトルの重さを計ってから、いつも通りにひと口飲みます。もう一度ペットボトルの重さを計測。減った重さの分が、自分のひと口で飲める量ということになります。

試しに計ってみたところ、女性の私は、ひと口で11mL(1g=1mL)だったのに対し、男性では25mLと、2倍以上の差がでる結果に! 同じように水分をとっていたつもりが、全然違ったなんてことにも繋がりそうです。

出発前に体内の水分を満タンに!

前日夜も水分補給

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では、水分補給は歩き始めてからこまめに行えば、脱水症状を防げるのでしょうか。登山前に心がけておくことがあれば教えてください!


山田さん
まず登山前日の夜から水分をしっかり補給しておきましょう。当日朝にお手洗いをすませ、その後もこまめに水分を補います。出発前に体内の水分を満たしておくことが大切です。

なるほど! これは気にしたこともありませんでした。歩き始める前から十分に体内に水分を入れておくことが、脱水症状の予防には大切なんですね。

登山後には疲労の回復を助ける飲み物を

また、登山後には、筋肉の疲労を回復させる成分が含まれた飲み物を飲むように心がけることが大切なのだそうです。

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