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おもてなし登山

登山未経験者を山に連れていく時に読む『おもてなし登山』の心構え9か条

友達を登山に連れていく…そんなシチュエーション、経験はありませんか? もちろん、行きたくない人を無理に誘うのはナンセンス。でも自ら「山に行ってみたい」と、普段登山をしない友人の口から聞けたらとっても嬉しいですよね。好きなことを友人と共有できるなんて素敵! 気心知れた友人と一緒に行けば、楽しさもきっと倍に。そこで今回は、登山未経験者の友人を山へ連れていくときの心構えを、行く前・当日に分けてまとめてみました。

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目次

アイキャッチ画像出典:PIXTA

ある日、友達を山に連れていくことになったら

登山 初心者 おもてなし

出典:PIXTA

一番最初にあなたが登山に行った時、誰に連れていってもらいましたか? いきなり1人で挑んだ…というツワモノももしかしたらいるかもしれませんが、ほとんどの方は『誰かに誘われて連れていってもらう』ケースがほとんど。過去のYAMA HACK読者アンケートでも、『誰かに誘われて』登山を始めた人が圧倒的1位でした。

読者アンケートグラフ

作成:YAMA HACK編集部(2017年12月の読者アンケートより/総回答数5621件)

連れていってもらった、ということはもちろん『連れて行く人』がいるということ。あなたがそっちの立場になるケースは、ある日突然やってくるかもしれません。


Aさん
最近登山始めたんだよね~。


Bさん
へ~!前からやってみたかったんだよね、登山。
行ってみたい!連れてってよ。


Aさん
おお、いいよいいよ!一緒に行こう!
行ってみたいとことかないの?


Bさん
う~ん…山っていっても全然わかんないんだよな…
おすすめとかある?

『最初の1回』が肝心!

登山 初心者 おもてなし

出典:PIXTA

せっかく興味を持ってくれたので、ぜひとも「登って良かった!」「登山って楽しい!」と思ってもらいたいですよね。仲の良い友人と行く登山はそれだけでも楽しいもの。あなたが登山に連れて行ってもらったときはどうでしたか? きっと楽しかったから、登山を続けているんですよね。

登山 初心者 おもてなし ハイカー

出典:PIXTA

今回は、「自分が行きたいコースを自分のペースで」登るいつもの登山ではありません。登山の楽しさを友人に体感してもらう、おもてなし登山を成功させるための秘訣を見ていきましょう。

まずは準備する時の心構え6ヶ条!

では、初心者の友人に楽しんでもらえるためにはどんな登山にすればいいのでしょうか? ここでは、心がけておきたいポイントをご紹介します。

 ①その人の経験・技量に合わせた山を選ぼう

▼長すぎず、それでいて『登山の辛さ』もちょっぴり味わえる山を選ぶ
登山をする人 初心者 おもてなし

出典:PIXTA


Aさん
あいつ、普段ランニングしたり部活も運動部だったから…体力はある方かな?

たまにでもランニングや何かスポーツをしているような、体を動かすことに抵抗がない人の初めての登山には、コースタイム2~3時間くらいが目安。ちょっと物足りない…なんてことにならないように、少しだけ急登もあるようなコースが理想です。

▼道が整備されたコースタイム1時間程度のハイキング
整備された登山道 登山 初心者 おもてなし

出典:PIXTA


Aさん
あいつ普段まったく運動しないんだよな…まずはそこまでキツくないハイキングが無難かな。

普段まったく運動しない人なら、まずは道が整備された1時間程度のハイキングから。初回がハードだと、「もう二度と行かない!」なんてことになってしまいます。普段全く運動しない人がせっかく「山に行ってみたい」という心境になってくれたことは尊重したいですよね!


▼自分も余裕のあるコース選びを!
地図とコンパス 登山 初心者 おもてなし

出典:PIXTA

「自分が行きたいところに行くから、勝手についてきて」は×。その場所へは、同じく経験者と一緒かもしくは自身のみで別日に行きましょう。複数人の登山では、一番ペースが遅い人に合わせるのがマナーです。

登山経験者と初心者 おもてなし

出典:PIXTA

少なくとも、その友人に比べてあなたは登山経験者。同行者が安全に、そしてできればこれからも続けてもらえるよう楽しく登山をするのが道義というものです。

同行者のペースを無視すると、あなたのペースについていけず無理してバテてしまったり、怪我をする、動けなくなるなどのリスクも当然生じます。そうした事態に対応できない、責任が持てない!というのであれば、最初から断るか、自分の体力・技術的にも余裕のあるコース選びをするのが重要です。

②候補の山は複数出しておく!

登山する山を探す 初心者 おもてなし

出典:PIXTA


Aさん
こんな山と、こんな山。いくつか候補出したんだけど、どこが良い?


Bさん
へ~!ここ面白そう。俺〇〇山がいいな~。


Aさん
よし、自分で選んだな…そこを選んだのはお前だぞ…!文句は言うなよ…!

おもてなし登山と言っても、登る当人の自己責任の意識も大事。「連れて行かれる」という意識では辛かった思い出しか残りにくいので、「自発的に頑張った」「一緒に頑張った」という意識を持ってもらえるようにするのが理想です。そのためには、山の候補を複数出しておき当人に選んでもらうというのも1つの手です。

③ごはんや景色…ご褒美がある山を

金時山

出典:PIXTA(金時山から見る富士山)


Aさん
今回の山はすごく綺麗に富士山が見えるよ。しかも山頂で名物も食べられる!


Bさん
おお!じゃあ昼ご飯持ってかなくていい?


Aさん
うん、途中で食べるお菓子とか、ゼリー飲料とかを持ってきてくれればいいよ。あと水分は忘れないでね!

登山をしたこと自体でも満足感は得られるでしょう。でも、そこに「富士山が見られる」 「山頂で山小屋の名物が食べられる」など登山ならではの楽しい要素がプラスであれば、さらに楽しい思い出の登山になるはず。そうすればきっと、次の登山につながりやすいですよね。

④事前にコースの『きついところ』『辛い所』を伝える

登山の難所 初心者 おもてなし

出典:PIXTA


Aさん
途中でちょっと鎖があるような箇所もあるんだけど…


Bさん
ひえー!鎖!? なんでそんなものがあるの? 俺大丈夫かな?


Aさん
岩が多くて少し足場が悪いような所に補助でついてるんだ。
大丈夫、ちゃんと手足使ってバランスとればいけるよ。

急登や鎖場があるようなコースなら、急登が何分続く、鎖場で気をつけるポイントなど事前に説明しておきましょう。心づもりをしておいてもらう方が、本人も不安が解消できます。何も言わないでいると「こんな急坂があるなんて」「鎖場なんて怖いところ聞いてない!」とマイナス要素になってしまうかも。

⑤他に一緒に行く人がいないか探そう

 登山をする人を探す 初心者 おもてなし

出典:PIXTA

山に行ってみたいと相談されている場で、それを聞いていた友人が「私も行ってみたい!」という場面は意外と多いもの。せっかくなので、周囲の人に「登山に行くけどどうかな?」と声をかけてみましょう! 初めて行く人は足を引っ張らないかなど不安に思うこともありますが、初心者の友人も一緒なら心強いはずです。

また、万が一パーティの誰かが怪我をして動けなくなったり、体調不良になった際に1人では対処できない可能性もあります。一緒に行ける人を探すことは、そういったリスクを少しでも回避するために重要です。

⑥天気とにらめっこする

天気予報と登山 初心者 おもてなし

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初めてならもちろん雨の登山は避けたいもの。山に天気の変化はつきもので、曇りでも楽しめるというのは、初心者には分かりづらいところです。「きついだけで霧で何も見えなかった…」「雨で足を滑らせて怖かった」なんてことにならないように、できるだけ天候が安定した日を選びましょう。

道具はどうする?

行くことが決まれば、きっと「何を履いていけばいいの?」「どんなカッコで?」と聞かれることでしょう。しかしまだ興味を持っている段階で、好きになるかどうかはこれから。全部一気に揃えるというのは、正直現実的ではありません。

コースによってはせめて靴だけでも要準備!

登山靴 初心者 おもてなし

出典:PIXTA


Bさん
なぁ、靴って何履いてけばいいの? 俺登山用の靴って持ってないんだけど。スニーカーとかでいけるかな?


Aさん
滑りにくければ運動靴でいいよ、今回はね。ファッション系のスニーカーは、木の根っことか滑るから辞めた方がいいかも。


Bさん
滑んなきゃいいのね。ランニングで使ってるやつがよさそうだから、それにしよう!

一番重要なのは靴。ハイキング用のシューズを準備してもらうのが一番ですが、もし難しいなら普段使っている運動靴を履いてきてもらいましょう。コンクリートで舗装された登山道が続くならスニーカーでもOKです。

スニーカー 登山 初心者 おもてなし

出典:PIXTA

しかし、せめて靴だけでも準備したほうがいいこともあります。木の根や岩場など滑りやすい場所が多いコースでは、スニーカーでは滑るのが怖くて登山を楽しむどころではありません。
これから始めたいという気概の人には、最初に靴だけ買うことをすすめるのも手です。滑りやすそうなスニーカーしかない、という場合は靴を準備するかコースを検討し直しましょう。

ウェアはまず持ってるものでOK

登山ウエア 初心者 おもてなし

出典:PIXTA


Bさん
服は?登山用の服もなんにも持ってないけど…


Aさん
速乾Tシャツとか持ってない?スポーツ用のやつ。あれでいいよ。あと念のため雨具も持ってきて欲しいんだけど、もしレインウェアを持っていないなら…せめてコンビニのでもいいから準備はしておこう。

綿はNG、スポーツ用の速乾Tシャツなどを持っていればそれでOK。パンツも同様で、綿は乾きにくく体が冷えてしまうことを説明してあげましょう。悪天候で出かける想定ではないので、雨具は簡易的なものでOKです。

リュックも両手が空けばOK

登山リュック 初心者 おもてなし

出典:PIXTA


Aさん
リュックも、今持ってるやつでいいよ。普段使ってるやつ。


Bさん
あ、ほんと? なんかでっかい登山用のやつ、とか背負うんじゃないの?


Aさん
もしや形から入るタイプだなお前!(笑)今回は長い時間、重い荷物を背負って歩くわけじゃないから大丈夫だよ。

手が塞がると、バランスが取りにくく転倒したときに危険なので、手提げバッグなどはNGです。重い荷物を背負うわけではないので、普段使いのリュックでもOK。ただし、ナップサックなどのような紐で背負うものは、500ℓのペットボトルだけでも肩が痛くなってくるので避けましょう。

道具やウェアは、徐々に少しずつ

アウトドアショップ

いっぺんに揃えようとするとけっこうな出費になるため、登山へのハードルが上がってしまいますし、万が一二度と使わないなんてこともあるかもしれません。また行きたいとなったら、その時に一緒に見に行こうと提案するのがいいでしょう。

いよいよ本番!当日の心構え3ヶ条

いよいよ登山当日。本番で注意したいポイントを押さえて、登山を楽しんでもらえるようにしましょう!

①コースタイムオーバーはやむなし!

 コースタイム 登山 初心者 おもてなし

出典:PIXTA


Aさん
いつもは少し巻くんだけど、コースタイム少しオーバーか…まぁこんなもんか、初めてだし。


Bさん
え、なになに? もしかして俺、遅い? 結構ナメてたけど、やっぱ根っことか岩とかある登りって、辛いな…!


Aさん
ずっと山道を登るなんて普段しないんだから、慣れるまでゆっくり疲れないペースでいいんだよ。

歩き始めると、ついいつものペースになりがちです。他人に合わせるのは、意外と難しいもの。しかしこれは、早く目的に着くとか一人で重い荷物を持って縦走するような登山ではありません。予定時間に余裕を持って、相手のペースを見ながら歩きましょう。

▼複数人で山を歩く場合の並び順は?

 登山での隊列 初心者 おもてなし

出典:PIXTA

人数が集まらずその人と2人の場合もありますよね。この場合、とくに決まりはありませんが、基本的には経験者が先行します。慣れていないと登山道がどこなのか分かりづらく、上を見て下も見てというのは疲れるもの。ただし、見通しのよいところでは順番を変わって景色を見せてあげるなど臨機応変にするといいでしょう。

②常に相手のペースを気にするのを忘れずに

登山のペース 初心者 おもてなし

出典:PIXTA


Aさん
大丈夫? ちょっと休む?


Bさん
うわ~、もう疲れたよ~…。まだ着かないの?


Aさん
あとちょっとだよ、頑張れ~。


Bさん
えー!! さっきも「あとちょっと」って言ったじゃん!疲れたよ~!


Aさん
ほら、山頂名物が待ってるからがんばれって! もう7割くらい来たよ。もう少しゆっくりのペースで行こう。


Bさん
ほんとか~? 思ったより長くない?(ブツブツ…)


Aさん
お前が行くって言ったんだからな…!

初心者はあとどれくらいで着くのか、今どの辺なのか、このペースでいいのか、など不安に思うことがたくさん。今いる位置や思ったよりペースが速いのか遅いのかを教えてあげたり、急登が終わるたびに気にしてあげるようにしましょう。

③危険箇所は事前に知らせる

 登山の危険箇所 初心者 おもてなし

出典:PIXTA


Aさん
もうすぐ、言ってた鎖のゾーンだよ。


Bさん
わー出た~! き、緊張する…。


Aさん
大丈夫大丈夫、ちゃんと手足で確保してれば。ゆっくり行こう!

鎖場や急登がある場合は『もうすぐこういう場所があるよ』と知らせましょう。登り始める前に伝えていても、初心者はそれがいつ頃現れるのかまで考える余裕はありません。事前に知らせて、直前のペースを落とすなどして万全に臨めるようにしてあげましょう。

こんなおもてなし、喜んでくれるかも?

 山ご飯 初心者 おもてなし

出典:PIXTA


Aさん
ちょっと休憩しよう! ほら、コーヒー淹れてあげるから。


Bさん
おお、 ありがとう! はぁ~ホッとするな~…。
よし、ちょっと回復したぞ。


Aさん
よしよし。じゃあラストスパート頑張ろう!

例えば休憩タイムに美味しいコーヒーが出てきたら…きっと喜んでもらえるはず。山のコーヒーはそれだけで贅沢な特別感がありますし、きつかったり疲れていてもほっとしてもらえるような、そんなコーヒータイムを作ってあげるといいかもしれません!

▼バーナーなくてOK!コーヒー3点セット

ミュニーク テトラドリップ
軽量で折りたたむとカード状になる携帯性の良いドリッパー。ポリプロピレン製でコストパフォーマンスにも優れています。

ミュニーク テトラドリップ 01P

サイズ:103mm×69mm×4.5mm
重量:12g

スノーピーク シェラカップ
持ちやすいハンドルのシェラカップ。人数が多くても軽量で重ねられるので持ち運びしやすい。

スノーピーク シェラカップ(E-103)

サイズ:φ122×45mm
容量:310ml
重量:100g

サーモス 山専ボトル
6時間後でも77℃をキープする高い保温性能があるステンレスボトル。山頂でコーヒーを飲む他、素早くカップラーメンを作るときにも便利。もちろん冷たい飲み物も冷たいまま持ち運べます。

サーモス 山専ボトル(FFX-501)

容量:500ml
重量:280g
保温効力:6時間/77度以上
保冷効力:6時間/10度以下

おもてなし登山をやってみよう

 喜んで登山する人々 初心者 おもてなし

出典:PIXTA


Bさん
やった~登れた! ごはんも美味しいし、疲れるけど景色見たら達成感あるし、登山ってなかなか楽しいな!


Aさん
それはよかった! もうここを制覇できたんだから、他の山にも行ってみたくない?


Bさん
うん、また違う山行ってみたい!


Aさん
しめしめ…初めての登山は成功だな!

おもてなし登山をして嬉しいことは、「楽しい!」と言ってもらえること。綺麗な景色を見たときに、「登ってよかったー!」と言ってもらえたり、お昼ごはんを「山で食べるご飯はおいしい!」と言ってもらえると、連れてきてあげてよかった!と思います。ただし下山するまでが登山。嬉しい気持ちで気が緩んでしまわないよう、下りも慎重に! ぜひみなさんも、お友達と一緒に登山を楽しんでみてください!