突然の噴火!火山を登るなら知っておくべき命を守る11のコト

日本には、現在も火山活動を続けている活火山が多くあり、日本百名山の1/3もそれに該当します。火山に登山するということは普通の山にはない危険にきちんと備えておくことが必要です。実際に噴火してしまったら、ほとんどできることはありません。なので、事前に備えておくことが重要なのです。今回は火山に登山に行く時にやっておくべきことと、万が一の時に取る行動を解説していきます。


アイキャッチ画像出典:PIXTA(焼岳)

日本には、111もの火山が!

日本にある火山
出典:気象庁
日本は世界有数の火山大国で、活火山の数はなんと111もあります。その中には、登山対象となる山もたくさんあるので、火山と思わず登っていた山が、火山だったということも。

日本百名山の約1/3が火山

登山の噴火
出典:PIXTA(那須岳)
多くの人が登りたいと思う日本百名山も、火山が多く存在します。近年では、2014年の御嶽山、2018年の草津白根山などで、実際に噴火が起こっています。

火山はいつ噴火するかわからない

登山の噴火
出典:PIXTA(新燃岳)
先程もお伝えした、御嶽山と草津白根山の噴火は登山をする人にとって衝撃な出来事だったのではないでしょうか?活火山はすべて火山活動を観測・監視していますが、そのうち24時間体制で観測・監視しているのは50の火山。それでも、急に噴火することもあるため、絶対に安心とは言えません。気象庁/火山に関するページ
火山の噴火は防ぎようがないものですが、自分の命を守るために、登山前と登山中にやるべき行動をご紹介します。

自然の前では無力。だから事前に3つの準備が必要です!

登山 噴火
出典:PIXTA
災害が起きた時の対応と同じかそれ以上に、登山前の準備が命を守るためには必要です。まずは、火山に登る前にやるべき3つのことをご紹介します。

①装備品は自分の命を守るもの

登山 噴火
撮影:nao
火山に登るときには、噴火レベルが低くても、必ず持参したい装備品をご紹介します。大げさに感じるかもしれませんが、いざという時に自分の命を守るものなので、必ず準備しましょう。

▼火山に登る時は、必ず準備しよう
名前理由
スマートフォン(携帯)緊急時に救助の連絡などが取れる。透明のジッパー付きのビニール袋などに入れると、灰などから保護が可能。
モバイルバッテリースマートフォンが電池切れで使えなくならないように。
ヘルメット噴石から頭を守るため。事前に必ず使う状態にして、サイズがあうかを確認する。
防塵用マスク火山灰や火山ガスを直接吸い込まないように。
ゴーグル火山灰や塵から目を保護するため。
長袖(できればフード付き)熱や火山灰などから肌を守るためや、遭難時の体温維持。
長ズボン熱や火山灰などから肌を守るため。短パンの場合はタイツなどを履いて、素肌の露出はさける。
予備の飲料水や非常食水分補給は栄養補給のため、余分に持っておきましょう。水であれば、肌の洗浄にも使用可能。
メガネコンタクトレンズの人は、コンタクトをしていると目を傷つけてしまうため。
▼上記以外にも、救急キットを持っていると安心です。

▼その他、登山に必要な持ち物はこちらをチェック

②入山前に火山情報は必ず確認

登山の噴火
出典:PIXTA
天気.jpや気象庁などが火山に関する情報を発信しているので、その情報は必ずチェックしましょう。必要であれば、登山計画や日程の変更も考えなければなりません。
気象庁/火山登山者向け情報提供ページ
天気.jp 火山情報

 ③必ず登山届を提出し、知り合いに共有しよう

登山の噴火
出典:PIXTA
災害が起きて救助してもらいたくても、登山届を出していないと入山しているかが分からず、救助の遅れにつながります。自分が入山していることを人に伝え、計画書は必ず提出しましょう。

また、計画書を提出するため、山の地形などを把握しやすく、いざという時に避難すべき場所がわかることもあります。
▼登山計画書作成と提出は自分の命綱になります

登山中、こんなことを感じたら危険かも

登山者
出典:PIXTA
登山中でも、以下の異常を感じたら危険を避けるため、速やかに下山してください。
・地震(地面の揺れ)を感じる
・噴気孔から漂う硫黄臭が激しいと感じる
どの程度が激しいかは同じ火山に行かないとわかりにくいですが、少なくとも前回より激しく感じた場合は迷わずに下山してください。
また、何度か登山をしている人がそのように感じた場合も、下山する方が懸命です。

噴火時に命を守る8つの行動

登山の噴火
出典:PIXTA
次は、登山中に噴火が起きた時の対応を8つご紹介します。どうにもならないなんて思わずに、まずは読んでください!

①自分も危険だという認識を持つこと

登山の噴火
出典:PIXTA(樽前山)
火山を登るとき、必要以上に怯える必要はありませんが、危険が潜んでいるという認識をもちましょう。そうでないと、噴火が起きても自分は大丈夫だろうという正常性バイアスにより、避難行動を起こさず、結果逃げ遅れる人もいます。

※1 正常性バイアス…心理学用語で、「自分にとって都合の悪い情報」を無視したり、過小評価してしまう人の特性のこと。自然災害や火事、事故、事件などといった自分にとって何らかの被害が予想される状況下にあっても、それを正常な日常生活の延長上の出来事として捉えてしまい、都合の悪い情報を無視したり、「自分は大丈夫」「今回は大丈夫」「まだ大丈夫」などと過小評価するなどして、逃げ遅れの原因となる。

(出典:Wikipediaより抜粋)

②パニックにならない

登山の噴火
出典:PIXTA
どれだけ準備をしていても、パニックになっては行動ができません。急なことで気が動転するのは当然ですが、まずは深呼吸。落ち着いて行動することを心がけましょう。

③噴火している場所を確認する

登山の噴火
出典:PIXTA(阿蘇山)
噴火が起きたらできるだけ噴火口から離れることが大事です。落ち着いて周りをよく観察し、噴火した場所が山頂なのか、山腹なのかを確認します。場所の確認出来たら、周囲の地形を確認し、火砕流が流れてきそうな場所を避けましょう。

④風下を避ける

登山の噴火
出典:PIXTA(阿蘇山)
噴火した場所の風下にいると、火山灰や火山ガスが流れてくるので、できるだけ風下は避けましょう。また、噴火時の熱風は想像以上に熱く危険なため、熱風を避けるためにも重要です。

⑤火山ガスを吸わないためにマスクやタオルで防ぐ

登山の噴火
出典:PIXTA
ガスの成分によっては人体に影響を及ぼすことがあります。火山ガスや、ホコリ、塵を吸わないようにするために、タオルやマスクで口元を覆い、ゴーグルも装着しましょう。

⑥避難できる場所を探す

登山の噴火
出典:PIXTA
登山中に噴石を避けるためには、避難小屋や山小屋に入ることが大事です。GPSや地図で今いる地点と噴火している場所を調べ、安全に避難できる場所を探します。近くに小屋がない場合は、大きな岩の陰などに身を寄せましょう。

降灰によって道がわかりにくくなっていることもありますので、スマホなどのGPSを活用することをおすすめします。

⑦ザックやヘルメットで頭を守る

登山の噴火
出典:PIXTA
噴石が頭に当たることを防ぐために、すぐにヘルメットをかぶりましょう。万が一ヘルメットを持っていない場合は、ザックを頭の上にして頭を守ります。

⑧安全な場所に移動したら、携帯電話で救助要請

登山の噴火
出典:PIXTA
まずは①~⑦の対応で自分の命を守り、安全な場所に逃げられたら、携帯電話で救助要請を行います。山小屋等に逃げ込めたらスタッフの指示に従いましょう。

噴火の時に注意すべき災害

登山 噴火
出典:PIXTA(桜島)
実際に噴火が起きたら、何が起きるのでしょうか?私たちにとって注意するべき危険な噴火の災害をご紹介します。

噴石

登山 噴火
出典:PIXTA(阿蘇山噴火時)
噴火によって飛んだ石を噴石といいます。50cm以上もの大きな噴石もあり、当たると骨折や最悪の場合死に至ることがあります。被害は火口の2~4km以内とされていますが、大きな噴石は短時間で落下し、建物の屋根を破るくらいの破壊力を持っています。

火山灰

登山 噴火
出典:PIXTA(阿蘇山)
火山灰は噴石よりさらに細かい石や塵などのこと。火山灰を吸い込むと喉に異常が出たり、眼球を傷つけたりします。火山灰は風に乗って遠くまで流され、落下まで数分から十数分時間があるので、口元や目を覆って安全な場所に避難しましょう。

火山ガス

登山 噴火
出典:PIXTA(焼岳)
火山ガスは、マグマに溶けている様々な成分が気体となって噴き出たもの。ガスの成分によっては人体に有害なものもあり、過去には死亡例もあります。空気より重いために、窪地や深い谷底に溜まりやすいので、そのような地形の場所に長く留まるのは危険です。

火砕流

登山 噴火 火砕流は、高温の火山灰や岩塊が水蒸気などと一体化して、山の斜面を高速で流れ落ちる現象です。そのスピードは100km以上になることもあるため逃げるのは困難で、破壊力も大きいため巻き込まれると身を守ることはできない恐ろしい火山現象です。

溶岩流

登山 噴火
出典:PIXTA(ハワイ キラウエア火山)
溶岩流は噴出したマグマが火口から地表に流れ出ること。1000度以上にもなるため非常に危険です。火砕流より速度は遅いのですが、成分や温度によっても異なるので、素早く逃げるようにしましょう。

首相官邸 火山対策ページ

火山だという認識を持って登山を楽しもう

登山 噴火
出典:PIXTA(焼岳)
活火山の山の数を見て驚いた方もいるのではないでしょうか?普段登っている山にも活火山は意外にたくさんあるものです。登山の計画を立てる際には、気象庁などで情報を調べて安全に登山を楽しみましょう。
監修/公益社団法人 東京都山岳連盟救助隊 隊長  金子 秀一氏
登山計画書 金子隊長

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nao
nao

両親の影響で子供の頃から山に登り、大きなザックを背負う人を見て自分には無理だなあと思っていたらいつの間にかそうなっていました。歩き続ける縦走が好き。下山後の温泉とビールも大好きです。どうぞよろしくお願いします。

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