①自分も危険だという認識を持つこと
火山を登るとき、必要以上に怯える必要はありませんが、危険が潜んでいるという認識をもちましょう。そうでないと、噴火が起きても自分は大丈夫だろうという正常性バイアス(※1)により、避難行動を起こさず、結果逃げ遅れる人もいます。
※1 正常性バイアス…心理学用語で、自分にとって都合の悪い情報を無視したり、過小評価したりするという認知の特性のこと。自然災害や火事、事故、事件などといった自分にとって何らかの被害が予想される状況下にあっても、それを正常な日常生活の延長上の出来事として捉えてしまい、都合の悪い情報を無視したり、「自分は大丈夫」「今回は大丈夫」「まだ大丈夫」などと過小評価するなどして、逃げ遅れの原因となる。
②パニックにならない
どれだけ準備をしていても、パニックになっては行動ができません。急なことで気が動転するのは当然ですが、まずは深呼吸。落ち着いて行動することを心がけましょう。
③噴火している場所を確認する
噴火が起きたらできるだけ噴火口から離れることが大事です。落ち着いて周りをよく観察し、噴火した場所が山頂なのか、山腹なのかを確認します。場所の確認出来たら、周囲の地形を確認し、火砕流が流れてきそうな場所を避けましょう。
④風下を避ける
噴火した場所の風下にいると、火山灰や火山ガスが流れてくるので、できるだけ風下は避けましょう。また、噴火時の熱風は想像以上に熱く危険なため、熱風を避けるためにも重要です。
⑤火山ガスを吸わないためにマスクやタオルで防ぐ
ガスの成分によっては人体に影響を及ぼすことがあります。火山ガスや、ホコリ、塵を吸わないようにするために、タオルやマスクで口元を覆い、ゴーグルも装着しましょう。
⑥避難できる場所を探す
登山中に噴石を避けるためには、避難小屋や山小屋に入ることが大事です。GPSや地図で今いる地点と噴火している場所を調べ、安全に避難できる場所を探します。近くに小屋がない場合は、大きな岩の陰などに身を寄せましょう。
降灰によって道がわかりにくくなっていることもありますので、スマートフォンなどのGPSを活用することをおすすめします。
⑦ザックやヘルメットで頭を守る
噴石が頭に当たることを防ぐために、すぐにヘルメットをかぶりましょう。万が一ヘルメットを持っていない場合は、ザックを頭の上にして頭を守ります。
⑧安全な場所に移動したら、携帯電話で救助要請
まずは①~⑦の対応で自分の命を守り、安全な場所に逃げられたら、携帯電話で救助要請を行います。有人の山小屋等に逃げ込めたらスタッフの指示に従いましょう。