本当は怖い、日焼けの話
登山での日焼け対策、面倒くさくて怠ってしまっていませんか?実は、日焼け対策を怠ると、やけどのようにただれてしまったり脱水症状を引き起こしたり肌のシミやしわの原因になることもあるんです。
”日焼け=やけど”です
日焼けとは正式には日光皮膚炎と言い、紫外線を多量に浴びる事で肌が炎症を起こしている状態でれっきとした「やけど」です。日光に長時間あたった後、数時間で赤くなりヒリヒリとした痛みとともに皮膚が腫れ、時に水ぶくれとなります。ひどい場合には皮膚科を受診し、適切な処置をしてもらうことが大切です。
登山の日焼けは夏だけではなかった
8月の真夏に紫外線は多いと思われがちですが、一般的に5月から7月に最も多く降り注いでいます。また、雪が積もっているシーズンは雪の反射で上下から紫外線を浴びることになるので、雪のない状態よりも2倍の紫外線を浴びることになるので、夏と同じく対策が必須です。
山の日焼けが危険な理由
登山では平地にいるより標高が高いため、有害な紫外線が強く日焼けをしやすい環境と言えます。紫外線を受けると体力の消耗につながるため、山での日焼けは危険なのです。もちろん、日光を浴び続けると熱中症の危険にもつながるので注意しましょう。
日焼けの原因”紫外線”にも種類がある
▼UVA
皮膚の奥まで届き、シミやたるみなどの原因となります。
▼UVB
体の水分を奪い、炎症の原因となるもので、遺伝子DNAを傷つけ、がんの原因に関与するとも言われている紫外線です。
▼UVC
UVAやBに比べるとあまり知られていませんが、皮膚がんの発症に関与するとも言われていますので、UVAとB同様に注意しましょう。
登山の時にやりたい日焼け対策
長時間、日光や紫外線にさらされる登山では、ウェアなどで対策をしておくことが大切です。
登山の時は季節に関わらず必ず日焼け止めを塗ろう
平地に比べ紫外線も強いので登山の時は必ず日焼け止めを塗ります。登山で使う日焼け止めは、ウォータープルーフでSPF50以上、PA+++以上のものを選びましょう。また、汗をかくので、2~3時間を目安に小まめに塗り直し、耳や首の裏なども忘れずに塗ることが大切です。女性はUV機能付きの化粧下地を選ぶのもおすすめ。
▼コーセー スポーツビューティ UVウェア 50ml
スポーツ使用を想定して開発された日焼け止めなので、濡れにも強く汗をかいた後もベタつきを抑えてくれます。石けんやいつものクレンジングで落とせるので気軽に使えるところもポイントです。
▼日焼け止めに関する記事はこちら
登山では夏でも長袖で日焼け対策
登山では夏でも肌を直接日光にさらさないために長袖がおすすめ。ただし、全てのウェアを長袖にするわけではなく、どれか1つを長袖にするなどして体温調整にも気をつけてください。
▼モンベル クールロングスリーブジップシャツ Women’s
強い日射しの中でも効果的に紫外線をカットする素材を使用したロングスリーブジップシャツ。さらに、高い通気性により素早く体をクールダウンさせ汗をかいてもドライな着心地です。
サイズ:S、M、L、XL
カラー:カナリー、ハロゲンブルー、ライトターコイズ、ピオニー
メンズモデル:あり
モンベル クールロングスリーブジップシャツ Women’s
▼モンベル WIC.ライト ロングスリーブシャツ Women’s
薄手の素材なので半袖などの上から羽織っても着やすい使い勝手の良いシャツです。高い通気性とUVカット効果を備え、かつ、ウエストを絞らないストレートなデザインでゆったりと着こなせます。
サイズ:XS 、S、M、L、XL
カラー:ブルーサファイア、オイスター、ペールバイオレット、ペールピンク、トリコロール
メンズモデル:あり
モンベル WIC.ライトロングスリーブシャツ Women’s
▼パタゴニア ウィメンズ・キャプリーン・ライトウェイト・クルー
キャプリーン・ライトウェイトは速乾性と吸湿発散性に優れたベースレイヤーです。ポリジン永続的防臭加工済みなので汗を掻いても匂いが気になりません。伸縮性のあるサムループがついているので、袖のめくりあがりを防げるのでレイヤリングの際もストレスを感じません。
素材:リサイクルポリエステル100%
サイズ:XXS 、XS 、S、M、L、XL
カラー:BLK、NVYB、STRB、FEA、MRC
メンズモデル:あり
パタゴニア ウィメンズ キャプリーン ライトウェイト クルー
▼モンベル クール パーカ Women’s
抜群の通気性とUVカット効果を両立し、さっと羽織ることができる便利なパーカです。フードと手の甲までカバーする袖により効果的に紫外線をカットすることができます。
サイズ:XS 、S、M、L、XL
カラー:エメラルド、グラファイトブルー、ハロゲンブルー、ポピー
メンズモデル:あり
下半身も忘れずに日焼け対策をしよう

登山では夏でも肌を直接日光にさらさないために長ズボンやタイツとショートパンツのレイヤリングがおすすめです。また、休憩時の汗冷えなどを防ぐためにも速乾性の高いものを選ぶこともポイントです。
▼ザ ノースフェイス バーブパンツ
高いストレッチ性を持つ、ハイキング〜縦走まで使える定番モデルのパンツです。防風性や速乾性に優れているので1年を通して活躍します。メンズモデルもあり男女ともに人気があります。
▼ザ ノースフェイス エクスプローラーショーツ
強度の高いコーデュラナイロン生地を使用した様々なアウトドアシーンで活躍するショートパンツ。撥水加工を施した生地はストレッチ性が高く、非常に動きやすいモデルです。
▼モンベル ライトトレールタイツ
UVカット効果に優れ、抜群のストレッチ性と制菌防臭効果を持つ吸水拡散性素材を使用した薄手のタイツです。鮮やかなカラーバリエーションなので、ショーツなどに合わせて日焼け対策をしながらおしゃれも楽しめます。
日焼け対策は小物で差がつく!
小物類にもUVカット機能がついているものがたくさんあり、帽子やサングラスなどをプラスすることで日焼け対策に差がでます。小物を上手に取り入れて、パーフェクトな日焼け対策を目指しましょう。
必ず帽子をかぶって登山をしよう!
日焼け対策においても帽子というのはとても大切。頭を直射日光から守ることは顔などの日焼け予防とともに、熱中症対策としても有効です。頭皮のトラブルや髪が痛む原因にもなるので、頭皮や髪の日焼けもなかなか侮れません。
▼ザ ノースフェイス ホライズンハット(男女兼用)
高いUVケア機能とおしゃれなデザインを両立させたハット。通気性が良く快適に過ごすことができます。風の強い日でも、取り外し可能なあごストラップ付きなので安心です。
▼ザ ノースフェイス ヒルロックキャップ(男女兼用)
UV機能(紫外線カット率85%以上)を備えたトレッキング用のキャップです。短めのツバとシンプルなベースボール型なので合わせやすいデザインです。クラシックな紐のドローコードでサイズ調節も容易なのも◎。
▼ザ ノースフェイス サンシールドハット(男女兼用)
UV遮蔽率95%の機能を備えた日除ハット。 登山中の強い日差しに、360度のバイザーと取り外し可能なシールドが紫外線から頭部や顔を守ってくれます。
▼UVカット帽子に関する記事はこちら
サングラスも忘れずに持っていこう!
強い紫外線からサングラスで目を保護することも大切です。目に長時間紫外線を浴びることで、角膜の表面が傷つき角膜炎症を発症する危険性があります。また、サングラスで目に入る紫外線量を減らすことで、肌が黒くなるのを予防できます。
夏場に限らず、冬は雪に反射した紫外線により目に違和感を感じる雪目などの危険もあるので、晴れた日のサングラスは必須です。
▼オークリー レーダーEV PATH
アジアンフィットのオークリーのサングラスは長時間でも疲れにくい掛け心地。UV-A、UV-B、UV-Cをカットするレンズを採用し、目を紫外線から保護してくれます。
▼ATiC 調整可能メガネバンド
サングラスなどの落下帽子に役立つメガネバンドはあると便利なアイテム。シリコン製で軽量なので持って行っても邪魔になりません。
▼UVカットサングラスに関する記事はこちら
その他、日焼け対策におすすめのアイテム
▼アウトドアリサーチ アクティブアイスフルフィンガークロマサングローブ
UV機能に加え、速乾性や通気性も抜群なサングローブ。独自開発の素材は生地に触れた部分を冷却してくれる優れものです。
▼アンダーアーマー ヒートギアアームスリーブ
アームスリーブなら長袖と違って脇の下が開放されるので風通しもGOOD。紫外線を90%以上カットし、肌を日差しからしっかり守ってくれます。
▼ブリサ マリーナ 日焼け止めUVリップ
忘れがちな唇のための日焼け止め。リップスティックタイプなので使いやすく、塗りなおしも簡単です。アウトドアではもちろん日常使いにもおすすめです。
▼モンベル コットンタオルマフラー
高いUVカット機能と心地よい肌触りを実現したタオルマフラー。豊富なカラー展開なので何枚でも欲しくなってしまいます。
▼モンベル WIC.クールネックゲーター
モンベルで人気のクールダウン効果を持った素材を使用したネックゲイター。抜群の通気性で炎天下でも使いやすいのが特徴です。鼻にあたる部分には樹脂製の芯が入っているので、ずり落ちを防いでくれます。
素材:ウイックロンクール(ポリエステル)
サイズ:フリーサイズ
カラー:アリスブルー、カナリー、ネイビー、シャドウ
モンベル WIC.クールネックゲーター
▼木村食品工業 国産ドライりんご
国産のりんごを半生状に仕上げたドライアップル。甘酸っぱい味わいとソフトな食感でクセになる味わいです。ビタミンCを行動食で摂取することで、日焼けのケア&エネルギー源になり一石二鳥!
▼間宮アロエ軟膏 50g
アロエの成分を配合した油性タイプの軟膏治療薬です。アロエの成分が、軽度のやけどやあかぎれなどの痛んだ肌のトラブルを鎮めてくれます。あくまでも軽度の場合に使用するので、やけどがひどい場合やただれがある場合は必ず医師にかかってください。
こんな時どうする?症状別の対応一覧
日焼け対策をしても日焼けしてしまうこともあります。ここでは、日焼けの症状の対処方法を紹介します。なお、日焼けはやけど状態であるため心配な時や痛みなどの症状がひどい場合は、必ず医療機関を受診しましょう。
肌が赤くなって、熱をもっている
とにかく日焼けをしてしまったら冷やすことが大切です。その際、肌が傷まないように冷水やタオルでそっと冷やしましょう。また、化粧水や水分補給などで内外からの水分補給をすることも大切です。化粧水などは痛みなどの刺激のないものがおすすめ。
水疱は破いちゃダメ!
水疱はできるだけ破らないようにし、皮膚が再生してくるのを待ちましょう。水疱を破いて不潔にしてしまうと感染症のおそれがあります。もし破けてしまったら、傷を洗って清潔に保ち、軟膏や絆創膏などで保護しましょう。
日焼けしたところがとにかくかゆい
日焼け後に痒くなってしまうのは、紫外線によって肌の細胞組織が損傷している状態だからです。皮膚が弱っているので、決して引掻かいてはいけません。炎症を起こし乾燥している状態なので、冷やしたり保湿をすることで血管が収縮し痒みが軽減されます。
皮が剥ける
傷ついた肌が生まれ変わろうとする過程で皮がむけます。そのため、無理にはがさず敏感になっている肌をローションやクリームでの保湿するのがベストです。無理にはがすとシミの原因にもなるので剥がすことは我慢しましょう。
忘れがちだけど大切な登山後のアフターケア
登山では長時間外を歩く事が多いので、様々な要因から日焼けをしやすい環境と言えます。そのため、肌の保湿や水分補給など、登山後に欠かせない大切なアフターケアの紹介をします。
肌の保湿をしっかりしよう
日焼け後の肌は極度の乾燥状態になっています。肌に水分がないと肌があれやすくなるので化粧水やクリームできちっと保湿をしましょう。その際、肌が敏感になっているので、刺激の少ないアルコールフリーのローションなど肌に優しいものがおすすめです。
日焼け止めはクレンジングできちんと落とそう!
日焼け止めの油分が肌に残っていると肌荒れなどの原因になるのでクレンジングできちんと落としましょう。日焼け止めは油性の汚れなので水で洗い流すだけでは落とすことができません。もし、日焼けなどにより肌が敏感になっている時はぬるま湯でゆっくりと時間をかけて落とすようにしましょう。なるべく肌に負担をかけないよう日焼け止めを落とすことがポイントです。
水分補給を忘れずに
乾燥には外側からだけでなく内側からも水分を補給することが大切です。水分を摂るほどに、肌の水分量も上がっていきます。お茶やコーヒーなどの利尿作用のあるものは避け、水をしっかり飲むようにしましょう。
ビタミンやミネラルなど栄養素を摂取しよう
日焼けをしてしまったら、ケアは体の外側からだけでなく内側からも行っていく必要があります。日焼けで増えた活性酸素を除去する抗酸化機能のあるビタミンA、C、Eを積極的に摂るように心がけましょう。サプリメントを活用してもOKです。
下山後のアルコール!美味しいけど飲み過ぎは注意!
下山後の冷たいビールは最高ですよね。しかし、実はアルコールは血管を広げて血行促進をする働きがあるので、炎症を促してしまう危険性があります。できれば我慢して飲まないことがベストです。もしくは、水やスポーツドリンクなどで水分と電解質をしっかり摂ってから、程々の量を飲むようにしましょう。
日焼け対策をしっかりして、晴れた日の登山を楽しもう!
登山での日焼けはとても怖いものですね。しっかりと対策をしても長時間日差しのもとに行う登山では、どうしても日焼けしてしまうこともあります。そんな時も、アフターケアをばっちりすればOK!いつもより少し高めのフェイスパックをしたり、エステにいってもいいんです。対策とアフターケアをしっかりして、安全で楽しい登山を楽しみましょう!
■記事監修/日本登山医学会認定 国際山岳医 稲田 千秋氏