10人に1人が実は巻き爪!? 登山者を悩ませる足の問題を専門家にズバリ聞いてみた

登山者の中には、「巻き爪で悩んでいる…」という方、いらっしゃるのではないでしょうか? そうでなくても下山時につま先が痛んだり、中には自分で「巻き爪だ」と自覚していない人もいるようです。 そこで今回は、東京巻き爪センターの鈴木さんに、巻き爪についてアレコレお伺いしてきました。現在巻き爪気味の人、悩んでいる方はもちろん今後そうならないための予防としても全登山者必見です!


アイキャッチ画像撮影:YAMA HACK編集部

巻き爪に悩む登山者、多し!?

下山時の足元
出典:PIXTA
登山の時、「膝が痛い」「筋肉痛がひどい」などの現象はよく耳にしますよね。しかし、あなたの周りに「巻き爪が痛くて…」という方はいませんか? 意外にクローズアップされないこの巻き爪という現象について「下山時につま先が痛くなるけど、もしかして…!?」と思い当たる方もいるかもしれません。

しかし、そもそも『自分が巻き爪かどうか』がしっかり判断できている人は少ないのではないでしょうか。そこで今回は専門家に、この巻き爪という現象について根掘り葉掘り聞いてきました!

実は、あなたも巻き爪かも

東京巻き爪センター鈴木さん
撮影:YAMA HACK編集部(教えてくれるのはこの人、東京巻き爪センター・センター長の鈴木さん)
編集部(以下:編):本日はよろしくお願いします! まず、どうして今回お話をお伺いする事になったかというと…登山をする人たちの間でも、巻き爪で悩んでいる人って意外にいるんじゃないかと思いまして。

鈴木さん:我慢できる範囲であれば、我慢して登山をしてらっしゃる方もたくさんいると思いますよ。実は「自分が巻き爪だ」と認識していない人もいて、ネットで「爪 痛い」で検索して、そこで初めて「巻き爪」という言葉を知るという人もいます。

編:へぇ~、自覚なしの方もいるんですね! でも、確かに自分で判断できないかも。何となく「もしや巻き爪なのかな~?」くらい…

鈴木さん:そうそう。それでとりあえず来てみたら「あ、これは巻き爪ですね」と。そこで初めて自分が巻き爪だと知る。ここに来る人の2~3割はそういう方ですよ。

10人に1人は巻き爪!?

地面に対して90度
撮影:YAMA HACK編集部(地面に対して爪の端が90度だと中度)
鈴木さん:巻き爪ってその名の通り、爪が巻いている状態のことで、それが痛くても痛くなくても「巻き爪」なんですよ。その潜在的な巻き爪の人口は1割くらいいるようで、そのうちの何割かが痛みに繋がるんです。

編:え、1割もいるんですか! ということは単純計算で…10人に1人が巻き爪ってことだ。

中度の巻き爪
出典:横浜巻き爪センター(中度の巻き爪の状態)
鈴木さん:もちろん、その中でも段階があります。当院での話になるんですが、軽度・中度・重度の三段階があって、軽度はちょっと巻いてきてる状態。地面に対して垂直の状態までくると中度です。これが45度よりも内側に入ると重度で、ナルトみたいな形になります。

そのため、軽度の段階で対処できるかどうかが重要ですね。少しでも内側に入った瞬間に巻いちゃいますから。

爪ってそもそも巻くらしい

歩く女性の足元
出典:PIXTA
鈴木さん:爪ってね、何もしないとそもそも巻くものなんですよ。

編:え゛!! そうだったんですか。

鈴木さん:地面を蹴ってちゃんと歩いていると、地面からの反力が伝わって、爪が開く方向に力が働く。そのプラスとマイナスの力が作用して、正しい湾曲へ導いてくれるんです。だから例えば、寝たきりになった人はすぐに巻いちゃいます。

編:はぁ~、歩いてたらいつの間にそんな作用が…。全然知りませんでした。じゃあ歩ける人は、歩いてるのにどうして巻き爪になっちゃうんでしょう?

なんで巻き爪になっちゃうの?

巻き爪の足
出典:PIXTA
鈴木さん:1番の原因は、とにかく靴の問題です。①合うサイズを選べていない②正しく履けてないの2パターンが考えられます。これは、現在悩んでいる人はもちろん巻き爪の予防にもなりますので、全ての人にぜひ知ってもらいたいです!

①靴のサイズが合ってない問題

靴のサイズが合ってない
出典:PIXTA
鈴木さん:靴って、サイズが小さかったら圧迫されるのは想像できるじゃないですか。だから「窮屈なのはイヤだ!」といってサイズを大きくする人もいると思います。でも中で足が動くと、どんどん中で前の方に足がつんのめっていっちゃう。それでつま先が当たるんです。

編:ふむふむ。当たって痛い、というのは登山の下山中にも同じような現象があります。

鈴木さん:それに加えて、靴が大きいと人間は無意識に靴の中でバランスを取ろうとするんです。そうすると指を正しく使った歩行ができなくなるんですね。

編:正しい歩行とは…?

正しい歩行
出典:PIXTA(正しい爪の湾曲を導く仕組み)
鈴木さん:具体的にどういうことかというと、人間は歩く時右足を前に出したら、最後に後ろの左足で地面を蹴るんです。靴のサイズが大きいと、この指で蹴るという行為ができない。すなわち、地面からの反力がない状態ということになります。

編:あ! さっきのプラスとマイナスの力の話ですね。

鈴木さん:そうです。本来放っておけば巻くものなんだから、反力がないと当然、巻いてっちゃいますよね。

②正しく履けていない問題

靴紐を結ぶ
出典:PIXTA
鈴木さん:もう1つは、靴ひも。大体はこのひもで何とかなります。

編:ほう…? と言いますと?

鈴木さん:みんな心のどこかで「キツいのやだな」って思ってる。やっぱり緩く、楽ちんに靴を履きたいから靴ひもをしっかり結ばない人が圧倒的に多い。だけど、考えてみてほしいんです。じゃあ靴ひもって何のために付いてるんですか?ということ。

編:う…(ぎくっ)。そりゃあもちろん「締めるため」ですよね…。

鈴木さん:確かに、文化的なことにも起因すると思うんです。欧米だと朝きつくぎゅっとひもを結んで出かけていくケースが多いですが、日本は靴文化じゃないから、脱ぎ履きが生じるので楽ちんな靴がいい、というのは当然の考えです。でも、やっぱりひもを締めないとさっき言ったように、靴の中で足が動いちゃいます。

解決策は?

靴を履く女性
出典:PIXTA
編:では、この2つの解決策としてはどういった事になるんでしょう?

鈴木さん:まず、しっかりと自分に合ったサイズの靴を履くこと。そして履く時は、まずかかと側にトントンとフィットさせて、下からしっかり紐を結んでください。甲にしっかりと靴をフィットさせることが重要です。

編:あ、登山靴の履き方と同じだ!

鈴木さん:靴ひもをちゃんと締めるだけで、色んな障害が減ります。あと、いつもより気持ち大股で歩いてみるのも良いですよ。大股で歩くと、必ず後ろの足で蹴るんです。蹴らないと、前の足が遠くまで出せないので。

編:なるほど~…。そっか、さっき下山でもつま先が当たって痛い現象があるって言いましたけど、ちゃんと締めてないのも原因の1つなんですね。

東京巻き爪センター長鈴木氏
撮影:YAMA HACK編集部
鈴木さん:正しく履けていない可能性は十分にありますよね。足が前に動いているということですから、下山前にこの履き方をしっかり実践すればOKです。何となく我慢して行っちゃってた人は、靴の履き方を見直してみてください。

編:これが「健脚者だから、脚力に自信があるから」といくら言ってもつま先は痛くなるわけだ。

鈴木さん:はい、靴紐が全てと言って過言ではありません!

あと、巻き爪って遺伝も関係してるみたいなんです。統計があるわけではないんですが、よく聞くのは先天的な人は綺麗に左右同じように巻いてる場合が多いんですね。

編:へぇ~! 遺伝だと、どうしようもないですよね…

鈴木さん:なので、それをいかに予防するか、痛みが出ないようにするかが靴の選び方・履き方に繋がってくるんです。

【痛みの軽減と予防策】爪の切り方も重要!

鈴木さん:さっき「痛くても痛くなくても巻き爪」と言いましたけど、“痛みのある巻き爪”になっちゃう原因の1つとして爪の切り方があります。

編:え、足の爪って何か切り方があるんですか?

鈴木さん:例えば深爪しちゃって肉の下に爪が隠れた状態になりますよね。それで爪の端がツノみたいな形になっていると、それ以降は肉に針が刺さるようなものなんですよ。そこで、スクエアオフという爪の切り方をお勧めしています。

スクエアオフ1 鈴木さん:普通爪って半月の形に切ると思いますが、四角くするやり方です。真っ直ぐ切れるニッパーなどを用いて、スクエアに切ります。

爪のきりかた 爪は親指の先端から出さずにちょっと白い部分を残すくらい。この時、横はちょっとだけ削ります。横にも白い部分があると、そこがしっかり肉の上に乗っかって土台になってくれます。

編:これって、巻き爪の人に限らず、こういう切り方の方がいいんですか?

鈴木さん:そうですね。あとは切らずに、金属製のやすりで削るのもおすすめですよ。

編:はぁ~これは知らないですよね、切り方なんて…。習ったことない!(笑)

鈴木さん:今巻き爪じゃない人の予防にもなりますし、爪の切り方を間違えなければ痛みには繋がりにくいですよ。

【結論】
・下山時に痛みが出ていた人は、靴のサイズと履き方を見直してみる。
・既に巻き爪気味の人、そうでない人もどちらにせよ予防はしておいた方が◎

毎日の積み重ねが大事

大山下山
出典:PIXTA
鈴木さん:みなさん、基本的には楽しみたくて登山をやりますよね。楽しむための環境づくりは、知識を知るのと知らないのとじゃ大違いです。自分でどんな道具を使うか考えるのも楽しいし、その一環で靴の履き方を自分で正しくやってみるというのも楽しいと思うんです。道具はそろってるわけですから、どう使いこなすか、それも含めてぜひ楽しんでください。

東京巻き爪センター
撮影:YAMA HACK編集部
【東京巻き爪センター】
ここでは爪や皮膚を傷つけたりせずに、透明なプレートを爪の表面に貼るだけという、とてもシンプルで痛みのないB/Sスパンゲ法という矯正法が採用されています。ドイツが発祥のB/Sスパンゲ法の認定講師は、鈴木さんを含め国内にわずか7名しかいません。

所在地:〒106-0044 東京都港区東麻布3-8-10 バーリータワーズ1001
電話番号:03-6447-4084
アクセス:「麻布十番駅六番出口」より徒歩0分


東京巻き爪センター

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YAMA HACK編集部
YAMA HACK編集部

YAMA HACK運営&記事編集担当。登山をきっかけに自然の力に魅了される。山で飲むコーヒーが大好き。何かあれば必ず山に行き、心身共に整える。山について新しい視点を与えられるような記事作りを心がけて日々執筆活動を行う。

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