早池峰山(はやちねさん)とは?
標高 | 山頂所在地 | 最高気温 (6月-8月) | 最低気温 (6月-8月) |
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1,917m | 岩手県宮古市 遠野市・花巻市 | 15.7℃ | 3℃ |
早池峰山は北上山地の最高峰で、蛇紋岩やかんらん岩から全山ができているため、巨石や巨岩がいたるところに露出している山。日本百名山で、花の百名山にも選ばれるほど高山植物が咲き誇っています。また、樹林帯の紅葉も素晴らしいことで人気のある山です。
山頂には早池峰神社があり、昔から山岳信仰が盛んな場所としても知られています。
早池峰山の登山適期は?
早池峰山の山開きは毎年6月の第2日曜です。11月中旬からは積雪の恐れがあるため、登山適期は6月上旬から10月中旬です。高山植物の開花時期は6月から8月で、梅雨時期にはなりますが7月下旬がもっとも見ごろとなります。
紅葉の時期は9月中旬から10月中旬です。麓の樹林帯の紅葉が見事で、中でも5合目付近から見下ろす景色が絶景です!
早池峰山の天気と地図を確認しよう
早池峰山に行く前に現地の天気と登山ルートを地図で確認してから出かけましょう。
てんきとくらす|早池峰山の週間天気
ここしか見ることができない自然の数々!
自然豊かな早池峰山。全山が蛇紋岩などの岩でできている山で、一般的な植物が育ちにくく、ここでしか見ることのできない自然がたくさんあります。
2つの天然記念物に指定されている早池峰山
早池峰山は高山植物が豊富な山として知られていますが、2つの天然記念物に指定されています。
ハヤチネウスユキソウなどの高山植物などが生育する植物群落とその南側の薬師岳の森林植物群落は「早池峰山および薬師岳の高山帯・森林植物群落」として国の特別天然記念物に指定されている。また、本州で唯一、アカエゾマツが自生している山であることでも知られており、「早池峰山のアカエゾマツ自生南限地」として国の天然記念物に指定されている。
ここでしか見られない!可憐な5つの固有種
早池峰山の代名詞ともなるハヤチネウスユキソウは、この山の高山帯のみに生息している固有種で、エーデルワイスにとてもよく似ています。見ごろは7月下旬頃です。
淡紅色のナンブトウウチソウ、イブキトラノオの多年草であるナンブトラノオ、ヤマブキショウマの変種のミヤマヤマブキショウマも早池峰山の固有種。ヒメコザクラは北上山地のみに生息している植物で、小さな白い花を咲かせます。
花の見頃は花巻市のホームページで紹介されています。
滝なのに横に飛んでいる!七折の滝
早池峰山の近くにある「七折の滝」は、珍しい流れ方をしています。なんと、横に飛んで流れ出ているんです!その跳ね上がるような姿からヒョングリ滝とも呼ばれています。
早池峰山の登山道沿いではありませんが、鶏頭山縦走の際に少し足を延ばすと見ることができますよ。
河原の坊(小田越経由)コース|岩礫帯に咲く可憐な高山植物を堪能!
最高点の標高: 1873 m
最低点の標高: 1047 m
累積標高(上り): 1736 m
累積標高(下り): -1736 m
- 【体力レベル】★★☆☆☆
- 日帰り
- コースタイム:5時間42分(往復)
- 【技術的難易度】★★★☆☆
- ・ハシゴ、くさり場を通過できる身体能力が必要
・地図読み能力が必要
よく整備された登山道で、登山初級〜中級者にもおすすめのコースです。ただしハシゴや鎖場があるので、慣れていない人は注意が必要です。浮石・落石にも気をつけましょう。
河原の坊からは舗装路を歩いて小田越へ向かいます。登山口からはアオモリトドマツの樹林帯で、樹林帯を抜けると巨石がごろごろした岩場を進みます。
高山植物を目にするようになりますますが、足元には注意して観察しましょう。梯子を登ると8合目からはお花畑が広がり、傾斜のゆるやかな木道を歩きます。
山頂は避難小屋の後ろです。北上山地の山々や奥羽山脈、遠くに三陸の海まで見渡せる360度のパノラマが広がります。
下りは来た道を下山します。岩場の通過は浮石が多く、落石に注意しましょう。
鶏頭山縦走コース|健脚者・体力に自信がある人向け!
最高点の標高: 1873 m
最低点の標高: 522 m
累積標高(上り): 1485 m
累積標高(下り): -2206 m
- 【体力レベル】★★★★☆
- 日帰り
- コースタイム:9時間7分(縦走)
- 【技術的難易度】★★★☆☆
- ・ハシゴ、くさり場を通過できる身体能力が必要
・地図読み能力が必要
早池峰山から西へのびる尾根を歩くコースです。展望が良いのですが、岩場が多くコースタイムも長いため、健脚者向けのコースです。
早池峰山までは日帰りコースと同じコースです。
早池峰山から中岳は展望の良い稜線を歩きますが、岩場が続き、両側が切れ落ちている狭い岩場もあるので注意して通過しましょう。
鶏頭山の山頂はなだらかで展望が良いので休憩していきましょう。ニセ鶏頭山を過ぎると樹林帯に入り、岳の集落へ下山します。
コースタイムが長いので、バスで行く場合は必ず行きと帰りのバスの時間をチェックしてから計画をしてください。前泊をするなど余裕を持っての登山もおすすめです。
早池峰山の山小屋情報
早池峰山の山小屋および周辺の宿泊施設情報です。豪雪地帯のため、冬は閉鎖されている場合があるので、利用する場合は必ず事前に確認してください。また避難小屋とされている施設は、緊急時以外は宿泊不可です。ルールを守って利用しましょう。
早池峰山山頂避難小屋
早池峰山山頂にある避難小屋で、木造の一部が2階建て。緊急時の一時使用のための施設なので、宿泊は不可、休憩のみに利用可能です。20人ほどが休憩できます。
鶏頭山避難小屋
休憩は20人ほど、宿泊は7~8人ができ、近くに水場はありません。トイレは入り口脇にあります。
うすゆき山荘(避難小屋)
約30人収容可能な避難小屋。水場はあるが沢水のため煮沸が必要です。トイレは別棟にあります。
小田越山荘
木造2階建ての大きな山荘で、1階には20人ほど、2階には10人ほどがゆっくり横になれます。近くに水場があり、トイレは外にあります。
笠詰キャンプ場
早池峰山が目の前に見えるキャンプ場。テント場、炊事場、トイレがあります。
河原の坊キャンプ場
河原の坊登山口駐車場に隣接するキャンプ場で、テントサイトは10張です。炊事場、水場、トイレがあります。
トイレに注意!心配な人は携帯トイレを持っていこう
早池峰山は自然環境保護のため、登山道や山頂にトイレは設置されていません。また携帯トイレの使用が推奨されています。
登山開始前に必ず用を足しておくよう気をつけましょう。また山頂には携帯トイレブースが設置されているので、心配な人は携帯トイレも必ず持っていくようにしましょう。
早池峰山ヘのアクセス
早池峰山の登山口へのアクセスは、自然環境保護のため、交通規制があります。注意のうえ出かけましょう。
・岳駐車場〜小田越登山口間〜江繋間の道路は毎年6月第2日曜から8月第1日曜の土日祝は交通規制あり
・交通規制該当日は規制区間の一般車両の乗り入れは不可
・シャトルバスもしくは徒歩での移動になります
小田越登山口
【クルマの場合】
釜石自動車道「東和」IC-県道39号-県道43号-国道396号(遠野街道)-県道43号-県道25号-河原の坊駐車場ー徒歩(45分)
※小田越登山口には駐車場はありません
【公共交通の場合】
JR「盛岡」駅―岩手県交通バス「盛岡早池峰線」乗車、「小田越」バス停下車
JR「花巻」駅―早池峰環境保全バス乗車、、「小田越」バス停下車
※いずれの場合も、運行期間や運行状況を確認のうえ、利用してください。
花巻市|早池峰山交通アクセス
岳登山口
【クルマの場合】
釜石自動車道「東和」IC-県道39号-県道43号-国道396号(遠野街道)-県道43号-県道25号-岳駐車場
【公共交通の場合】
JR「盛岡」駅―岩手県交通バス「盛岡早池峰線」乗車、「岳」バス停下車
早池峰山の高山植物に会いに行こう
早池峰山は高山植物好きには憧れの山になっているほど、自然豊かで珍しい植物の多い山。固有種のハヤチネウスユキソウだけではなく、ピンク、黄色、紫、白と色とりどりの花々を見ることができます。お花畑はまるで天国のよう!また紅葉も絶景で、ふもとを散策するだけでも楽しい場所です。ぜひ早池峰山の美しい自然を見に行ってみてください。