COCOHELI ココヘリ / 山岳遭難対策制度(ココヘリ) 550万円までの捜索救助を実施 入会金1,100円OFF
親子登山 ロープワークの結び方ガイド

子どもとロープつなぎで〈迷子や事故〉を防止!親子登山の不安を解消してくれるロープワークの結び方ガイド

子どもと登山へ行くと、迷子になってしまったり転倒して怪我をしてしまったりと不安が尽きないですよね。そんな時は、大人と子どもをロープでつなぐことで、互いに安心して歩けるようになります。そこで今回はロープつなぎをするための3つのロープワークをパパ登山講習会も開催している近藤ガイドに教えてもらいました。動画と画像で解説していくので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

本ページはアフィリエイトプログラムを利用しています。

目次

アイキャチ撮影:YAMA HACK編集部

予測できない子どもの行動。初めての親子登山が不安……

親子登山の準備

出典:PIXTA

子どもと一緒に登山へ行く時、心配はつきもの。

たとえば……
「急に走り出して前の登山者にぶつかってしまった」
「親の後ろを歩いていると思って振り返ったら、子どもがいなかった」

など、何が起こるかわからないのが子どもとの登山。
一緒に登りたいけど、子どもの安全はもちろん周りにも配慮しなければならないなどと不安が尽きないですよね。

子どもとロープつなぎで不安を解決!安心安全な親子登山を

ロープつなぎ 親子登山

撮影:YAMA HACK編集部

そこでオススメなのが子どもと〈ロープつなぎ〉をすること。これにより「迷子や事故を未然に防ぐこと」ができちゃいます!

それぞれの体に固定したロープをつなげて、一定の距離を保ちながら進んでいきます。木の根や岩場などの足場が悪い場所、すぐ隣が崖になっている場所などで使うと、転倒してもつないでいるロープで支えられるので安心です。

上りと下りでは、下記画像のようなポイントに注意するとなおいいでしょう。

上り下りの先行する人比較

撮影:YAMA HACK編集部(写真では、大人側はカラビナで繋いでいます)

実際の使用感は?

初めての登山に挑戦した小学2年生の女の子もロープつなぎを実践。その感想を聞いてみました。

「山に行ったのが初めてだし高いところは怖かったけど、ロープをつけたら安心して歩けた。」(小学2年生 初めての御岳山・天狗岩にて)

どうやら、ロープつなぎをすることで、安全確保はもちろん子どもの精神的な支えにもなるようなんです。

子ども用のハーネスでも代用OKですが、1つ5,000〜8,000円ほど。続けるかわからない初めての登山やとりあえずやってみたい時は、こちらのロープつなぎが安価かつ手軽に用意できるのでオススメです。

そこで今回は、初心者でも覚えられる子どもとのロープのつなぎ方について、パパ登山講習会を開催している近藤ガイドに教えてもらいました。
動画と画像で紹介していくので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

近藤ガイド

撮影:YAMA HACK編集部
<プロフィール>
国際山岳ガイド連盟認定山岳ガイド・日本山岳ガイド協会の理事
高校から本格的な登山をはじめ、世界最高峰であるエベレスト(チョモランマ)を踏破。
一般の人もエベレストへ挑戦できるようにと、自身で株式会社アドベンチャーガイズを設立し、 多くの人を海外の名だたる山々へ案内。
高山だけでなく低山でのツアーや講習会も開催。登山の安全や魅力を普及させる活動もライフワークとしている。
著書に『ぼくは冒険案内人』『エベレスト、登れます。』など多数。

▼実際に登山で使った親子のレビューがみたい人はこちらをチェック

〈ロープつなぎ〉3ステップ

3ステップ ロープつなぎ

作成:YAMA HACK編集部

〈ロープつなぎ〉は、3ステップで完了!

《 手順 》
ステップ1
:3本のロープ(1本2〜3mほどの長さのもの)を、それぞれ1本ずつ輪っかにする。※スリング(強度のあるロープが輪っかになって販売されているもの)で代用OK。スリングを使用する場合、ステップ1は省く。

ステップ2:輪っかにしたロープを親と子どもそれぞれの体に固定。

ステップ3:親と子どもに固定したロープを、それぞれつなげる。

この後、動画と写真でそれぞれ手順を紹介していきます。

用意するロープの種類は?

ロープのイメージ

出典:PIXTA(ロープのイメージ)

ロープといってもさまざまな種類があります。登山やキャンプで使用するロープのカテゴリーでは、「クライミングロープ」「補助ロープ」「細引き」の3タイプ。子どもとのロープつなぎで使う場合は、「補助ロープ」を選ぶといいでしょう。

「補助ロープ」にも、径が丸いものと平たいものがあるので、登山のレベルに合わせたタイプを選んで使用してくださいね。体格に合わせて、1本2〜3メートル分購入します。

平たいロープ:強度が高いのでオススメ。1メートルで1,000円ほど。

丸いロープ:平たいロープよりも強度は劣るものの、1メートル200円ほどと平たいロープよりも安価で手に入る。岩場や足場の不安定な場所でなければこちらで十分。

今回は、直径6mmの丸い補助ロープ、2メートルを3本用意。
それではさっそく、ロープつなぎに挑戦してみましょう!

ステップ1|まずは、1本のロープを輪っかにしよう

ロープを輪っかにする

撮影:YAMA HACK編集部

準備段階として、ロープを輪っかにします。すでに輪になっているスリングを用意してもOK。

▼スリングを使用する場合はこちら

PETZL(ペツル) アノー 120 cm スリング

PETZL(ペツル) アノー 120 cm
スリング長さ:120 cm
幅:19 mm
カラー:グリーン
重量:100 g
破断強度:22 kN
素材:ポリエステル

今回は丸い補助ロープを使ったときの結び方を紹介していきます。「ダブルフィッシャーマンズノット」というロープワークを使いますが、緩みづらく解きにくい特徴があるので、装着するときも安心です。

それでは、一緒にチャレンジしてみましょう!

結び方

この結び方で、3本のロープをそれぞれ輪っかにします。山で慌てることなくスムーズに使用できるので、登山前に自宅で結んでおくのがオススメです。

撮影:すべてYAMA HACK編集部

▼まずは動画で結び方をチェック

イメージをつかめたら、各ポイントを画像で細かくみていきましょう。


【1】
1本のロープの端と端を左手と右手とそれぞれに持ちます。末端が十分に余るように調整しましょう。
1本のロープの端と端を持つ
【2】
一方の端を、もう一方のロープに巻き込むように巻いていきます。左右どちらのロープから結んでもOKです。
一方の端をもう一方のロープに巻き込むように巻く
【3】
ロープが交差するようにふた巻きする。
ロープが交差するようにふた巻きするふた巻き目 従事に交差させる
【4】
ふた巻きしたら、末端を2つの輪の中に通す。
末端を2つの輪の中に通す末端を2つの輪の中に通す 2
【5】
左右に引いて結び目を締める。
左右に引いて結び目を締める
【6】
もう一方のロープの端も、同様に【2】から同じ手順でふた巻きして結び目を作る。
もう一方のロープの端も同じ手順で結び目を作る
【7】
結び目をしっかり締めたら、矢印の方向に引っ張り、結び目同士が隣り合うまで近づける。
矢印の方向へ引く
【8】
2つの結び目が隣同士になったらOK。十字に交差したコブが左右対称に整っていれば完成です
結び目が左右対称に揃っていればOK

ワンポイントアドバイス
2つの結び目が左右対称に並んでいなければロープの絡め方が間違っているかも。必ず結び目がキレイに並ぶように結びましょう。

ステップ2|輪っかにしたロープを体に固定する

シートベント

撮影:YAMA HACK編集部

このロープワークは「シートベント(簡易ハーネス)」といい、よく沢登りやクライミング時に使用されます。

先ほど輪っかにしたロープを使って、しっかりと体に固定していきましょう。

結び方

1本のロープを輪っかにしたもので、固定していきます。

撮影:すべてYAMA HACK編集部

▼まずは動画で結び方をチェック

イメージをつかめたら、各ポイントを画像で細かくみていきましょう。

【1】ダブルフィッシャーマンズノットで輪っかにしたロープ(またはスリング)を用意します。
ダブルフィッシャーマンズノット
【2】
一方の輪を肩(写真では左肩)にかけロープを背中にまわし、もう片方の輪の部分を前に持ってきます。結び目はあとから邪魔にならないように脇の下のあたりに持っていく。
肩にロープの輪をかける
【3】
前に持ってきたロープを、肩にかけているロープの下を通し胸の前で交差させる。
肩にかけているロープ下に通す正面から見たところ
【4】
(写真・左手の)輪っかの中に(写真・右手の)ロープの端を通す。
輪っかにロープを通す正面から見たところ 輪っかにロープを通す
【5】
輪っかの中に通したロープを引き出してしっかりと締める。肩からロープがずり落ちないようにしましょう。
矢印の方向にしっかりと締める

【6】体にフィットするように結び目を締めれば完成です。(※きつく絞めすぎないように注意)
ロープがゆるくてずり落ちないようにしっかりと締める

ワンポイントアドバイス
肩にかけている方に、もう一方のロープを巻きつけるイメージで結べばOK。正しいシートベンドの形になっていれば、3方向どこから引いても結び目は動きません。

ステップ3|大人と子どものロープをつなぐ

大人と子どものロープをつなぐ

撮影:YAMA HACK編集部

大人と子どものシートベントを1本のロープ(輪っかにしたもの)でつなぎます。

その際に使うのが「ガースヒッチ」というロープワーク。それでは結び方を見ていきましょう。

結び方

▼まずは動画で結び方をチェック

イメージをつかめたら、各ポイントを画像で細かくみていきましょう。

【1】
子どものシートベントにロープを通します。
紐を通す【2】通したロープを間に通して、引っ張ります。

【3】引っ張った先のロープを大人のカラビナに付ければ完成です。
つなげる

ワンポイントアドバイス
子どもの場合は、カラビナが顔の近くになり危ないので、上記のようにロープワークでの連結がオススメです。

子どもと一緒に山を楽しむために!ロープつなぎを覚えよう

ロープワーク講座の様子

撮影:YAMA HACK編集部

子どもと安全に登山を楽しむためにも、ロープつなぎをぜひ試してみてくださいね。これがあるだけで、親子ともに安心できること間違いなし。

ロープワークを覚えるには、実際にやってみるのが1番です。実技講習などを開催しているイベントもあるので、そちらに1度参加してみるのもオススメ。

ぜひ、親子で安心安全に山を楽しんでくださいね!

この記事を読んだ人はこちらもチェック