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苦手意識をガイドが解決!地図読みのキホンはそんなに難しくない【地形・地名編】(3ページ目)

実は地形を知る大ヒント?山の地名に隠された秘密

北アルプス・大キレットの「キレット」も地形を表す言葉

出典:PIXTA(北アルプス・大キレットの「キレット」も地形を表す言葉)

●●ノ頭、▲▲乗越など、山には独特の地名が付けられている場所がありますよね。実はこれらの地名の多くは、そこの地形を指していることが多いのです。

“鷲尾”
難コースとして有名な北アルプス・大キレットの「キレット」って、コルのことだって知ってた?

“Aさん”
南岳から下って、北穂高岳に登り返す、たしかにコルですね。

ということは等高線の読み方に慣れていなくても、地名を見ただけで地形がわかる場所もあるってことですか?


“鷲尾”
そう!地名を手がかりに地形を想像するのもアリだね。
では、山特有の地名で地形がわかるものを幾つか見ていこう。

ピークを意味する地名

南アルプス・鳳凰三山にある赤抜沢ノ頭と背後にそびえる地蔵岳のオベリスク

出典:PIXTA(南アルプス・鳳凰三山にある赤抜沢ノ頭と背後にそびえる地蔵岳のオベリスク)
“鷲尾”
●●岳、▲▲山、■■峰の他に、以下のような地名もピークを指すんだよ。
ピークを意味する地名

*頭:中白根沢ノ頭(南アルプス)、赤岩ノ頭(八ヶ岳)、王ヶ頭(美ヶ原)など

*森:堂ヶ森(石鎚山系)、月山森(鳥海山)、嶮岨森(南八幡平)など

*丸:檜洞丸、畔ヶ丸(丹沢山塊)、大蔵高丸、ハマイバ丸(大菩薩連嶺)など

*塚:天狗塚(剣山地)、二ツ塚(富士山)、米塚(阿蘇山)など

*ドッケ・ドッキョウ:高ドッケ、三ツドッケ(奥多摩)、高ドッキョウ(興津川流域)など

“鷲尾”
ちなみに「森」は四国や東北に、「丸」は丹沢山塊や大菩薩連嶺に集中しているんだ。
「塚」は富士山や阿蘇山など大きな火山の“寄生火山”に多く見られるよ。
名前の由来を調べてみるのも、興味深いからおすすめ。

コルを意味する地名

裏銀座縦走路から雲ノ平へ向かう途中にある岩苔乗越

出典:PIXTA(裏銀座縦走路から雲ノ平へ向かう途中にある岩苔乗越)
“鷲尾”
●●のコル、▲▲最低鞍部などの他に、以下のような地名もコルを示しているんだ。
コルを意味する地名

*乗越:スゴ乗越(北アルプス)、乗越浄土(中央アルプス)、中ノ川乗越(南アルプス)など

*窓:大窓、小窓、三ノ窓(すべて北アルプス・剱岳)

*キレット:不帰キレット(天狗ノ頭と不帰ノ嶮の間のコル)、キレット(八ヶ岳・赤岳と権現岳の間のコル)

*タルミ:三条ダルミ(奥多摩・雲取山と飛龍山の間のコル)、大弛峠(奥秩父・国師ヶ岳と朝日岳の間のコル)

“鷲尾”
ちなみに「峠」も一部の例外を除いてコルやその周辺に位置することが多いんだ。

例えば東北なら奥羽山脈を挟んで東西に、西日本なら中国山地を挟んで南北に、多くの県境(いにしえの国境)は山で分断されている。
山を越えて隣国に行く時、ピークよりもコルを通過する方が容易だったことから、多くの峠がコルに位置しているんだよ。


“Aさん”
なるほど!地名が地形を表現している場所を確認するだけでも、地形図の中の山の形が少し立体的に見えてきましたね。

地図のことを知れば親近感も湧いてくる!

地形図&コンパスと仲良くなろう!

撮影・作成:washio daisuke(地形図&コンパスと仲良くなろう!)

今まで苦手意識を持っていた「地図読み」ですが、登山における地形図の重要性や地形を把握するコツを知ることで、少しは親近感が湧いてきましたか?
ようこそ!楽しい地図読みの世界へ。次回は、縮尺の違う地図の使い分けやコンパスを使うための基礎知識についてお伝えします。

まとめ

▼GPSアプリも紙の地形図も役割が違うのでどちらも大切

▼基本の地形は「山頂」「コル」「尾根」「谷(沢)」「斜面」の5つ

▼山の地名は地形を表している

■「地図の使い分け」や「磁北線の引き方」がわかる後編はこちら!

地図読みは実際にやることが大切です!

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