ちゃんと使いこなせてる? 登山が楽になるトレッキングポールの使い方

2018/10/16 更新

皆さんはトレッキングポールの使い方、はっきりと理解していますか? 中には難しいと思っている方もいるかもしれません。実はトレッキングポールは、コツさえ掴めば使い方はとっても簡単! ポイントは『持ち方』と、『突こうとしないこと』です。正しい使い方を覚えて、安全で楽な登山を楽しみましょう。


いつ突いていいのか分からない?

「トレッキングポールを買って持って行ったのはいいけれど、正直どう使っていいのか分からなくて困った…」なんて経験がある人は多いのでは? 使い方のコツは、グリップの握り方と、突くことを意識し過ぎないこと。正しく使いこなせれば、バランス力がアップしてケガのリスクを軽減し、体力をセーブできるので楽に登ることができるようになります。ぜひマスターしておきましょう。

まずは準備!ポールの長さはどうする?

横向き まずは自分に最適なポールの長さを知ることが大切です。基本は、グリップを持ってポールが地面に垂直になるように立てたときに、肘の角度が直角よりも手の位置が少し下がるぐらい。肘を直角にするよりもこのほうが、ポールを突く際に力を加えやすくなります。それぞれ好みがあるので自分が突きやすい長さに調節してください。

正しい使い方の50%は握り方で決まる!

グリップの握り方はとっても大切。正しく突けるか突けないかは握り方が重要なキーポイントです。まずは正しい握り方を覚えましょう。

グリップの握り方の手順

下から手を通す ①ストラップの下から手を通します。

上から握る ②通したストラップの上からグリップを握ります。

グリップの握り方③ ③ストラップの長さを調節し、手とストラップの間に隙間がないようにフィットさせます。

グリップの握り方④ ④隙間がないか確認します。これで手とストラップがひとつになり、強く握らなくてもストラップに力をかけることで、ストラップを通してポールに力を伝えることができます。

グリップの握り方⑥ ⑤ストラップが手をしっかりホールドしているので5本の指全部で強く握る必要はありません。親指と人差し指で軽く握るだけでグリップは手から離れなくなります。

グリップの握り方⑤ ⑥残りの指3本はグリップ部分に軽く添えるだけで大丈夫。これなら手が疲れてしまうことはありません。

握り方 ⑦突く時は、親指と人差し指の間でストラップを上から抑えるように力を加えることで、ストラップ全体にテンションがかかり、ポールに力を加えることができます。

まずは平地での基本姿勢とタイミング

基本の姿勢:肩幅より少し広く構えて地面に垂直に突く

正面 脇を締めて肩幅より少し広いぐらいに両手を構えます。この時、ポールは地面に垂直になるように突くのがポイント。ポールが内側や外側に倒れていると力をうまく地面に伝えられなくなり、バランスがとれなくなってしまいます。

タイミング:歩く時の自然な腕振りのなかで腕を前に出した時に突く

ポイントは、突くということを強く意識しないこと。「突く」という動作は、腕を上げてドスンと落とすようなイメージをしがちですが、それは間違い。歩く時の自然な腕振りのなかで、腕を前に振り出して止めた瞬間にポールの先端が地面を捉える、突くというよりは地面に置くようなイメージです。

腕を振る 自然な歩行を意識して、腕を少し大きめに振ります。最初はポールを持っていることを意識せずに引きずるような感じでも大丈夫です。

ポールを突く 前方に振り出した腕を止めた瞬間にポールの先端で地面を捉えます。最初は突く位置よりもタイミングに注意してください。慣れたら踏み出した反対側の足の踵の位置を意識しましょう。

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平地でのポールの使い方

【基本と応用】登りでの使い方

①左右交互に突く

突くタイミングは基本と同じ。反対側の前に出した足の踵と同じぐらいの位置に、前に出した足を地面に置くタイミングで突きます。登りの突き方 交互① 斜度に合わせて、やや上体を前傾させ、足を一歩前に踏み出すタイミングで突きます。この時、腰を曲げずに体を真っすぐにするのがポイントです。

登りの突き方 交互② 突いたポールにグッと力を入れると、手がすぐに疲れてしまいます。軽く握って、あくまでも補助的に使います。腕の重みだけで腕を下げるようなイメージです。

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登りの歩き方

こんな姿勢はNG!

登りの悪い姿勢 登りでしんどい時、つい前かがみになっていませんか? ポールを前に突き過ぎると、猫背になったり腰が曲がってしまいがち。腕に力が入り過ぎて疲れやすくなるばかりか、腰への負担も大きくなってしまうので注意しましょう。

斜度がきついときは…

グリップの下を持つ 登りでは斜度がある分、突いた時にグリップの位置が高くなり過ぎて腕が疲れる原因になることがあります。みぞおちよりもグリップが高くならないように長さを調節するか、写真のようにグリップの下を持つといいでしょう。

②より推進力を得たい!両ポールを同時に突く~イチ、ニのタイミング~

両手のポールを同時に使う突き方です。より安定感を得たい時や、ポールで推進力を得たい時に有効な突き方です。「イチ、ニ」のタイミングを意識しましょう。

登りダブル① 「イチ」で足を踏み出した時に突くタイミングは、交互で突くの場合と同じですが、両腕を同時に前に出して突きます。

登りの突き方基本② 「ニ」で反対側の足を前に出します。2本のポールの間に体を押し上げるようなイメージです。歩幅が広くなり過ぎないように注意し、ポールはあくまでも補助的に使うのがポイント。「イチ」「ニ」のタイミングを連続させて登ります。

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登りダブル

③もっと積極的に推進力を得る使い方〜イチ、ニ、サンのタイミング〜

登りのスピードを上げたい時の使い方です。「イチ」で両ポールを少し前に突き、「ニ」「サン」で2歩歩きます。「サン」の時に、後ろ方向にポールでしっかり地面を押すのがポイントです。

登り推進力① 「イチ」で一歩の足を踏み出し、少し遠目にポールを突きます。

登り推進力② 「ニ」で二歩目の足を前に出します。ポールは力を入れやすいように少し角度を強めます。

登り推進力③ 「サン」で三歩目の足を前に出します。グリップは親指と人差し指で握り、ストラップを上から抑えるように力を入れて地面を押し体を前方に押し上げます。

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登りダブル

【基本と応用】下りでの使い方

下りでトレッキングポールを使うメリットは、バランス力のアップと、衝撃を吸収して体への負担を減らすことです。足を降ろすよりも先にポールを突くことで、体への衝撃を和らげます。前方に突くので、登りよりもポールを長めに調節することで突きやすくなります。

①左右交互に突く方法

下り交互① 前に出した足が地面に付く前に、反対側のポールを突きます。突く位置は、つま先から20cmぐらい先が目安です。突いた時に上体がつんのめってしまう場合は、長さを調節しポールを長くします。

下り交互② 前に出した足を地面に降ろします。最初はポールを突くタイミングが難しいですが、ゆっくりとした動作で練習してください。

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下り

②安定感を高める:両ポールを同時に突く

下りダブル① 足場が不安定な場合、斜度が急な場合、段差が大きな場合、足腰が疲れている場合など、2本のポールを同時に突いて安定感を高めるとともに、着地のショックもしっかり吸収します。

下りダブル② 2本のポールの間に足を降ろします。ポールを突いたときに体重をかけすぎると、ポールが滑ってしまった場合に転倒につながります。ポールはあくまでも補助で、足でしっかり歩くことを忘れずに。また、ポールに頼り過ぎると姿勢も悪くなるので注意しましょう。

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下りダブル

下りのグリップの握り方

下りのグリップの持ち方 下りではポールを長めに調節すると書きましたが、登り下りが頻繁に続くような場合、グリップを上から包み込むような持ち方をすることで調節せずにポールを長めに持つことができます。また、下方向に力がかけやすいのも、この持ち方の特徴です。力を入れ過ぎると手のひらが痛くなるので注意しましょう。

“使いこなせば超強力”なトレッキングポールを味方に!

まとめ トレッキングポールは、握り方、突くタイミングを覚えたら、それほど難しいものではありません。バランス力をアップさせ、疲労を軽減してくれるので、登山を楽しむには必須のアイテムだと言えます。トレッキングポールの使い方をマスターして、登山をもっと楽しみましょう。

撮影:辻野 聡


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辻野あきら
辻野あきら

夏は登山、冬はスキーと、山をこよなく愛するアウトドアライター

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