「日焼け止めを塗る量が少ないと、その効果を発揮しきれません。必ず商品の指示にあった適量を塗るようにしてください。また頰の高い位置と鼻は、顔の中でも高さがある分、紫外線を浴びやすく、日焼けの影響を受けやすいです。頰と鼻は日焼け止めを厚く二度塗りをすることをおすすめします。日焼け止めの塗り忘れが多い、首・耳・あごの下も、うっかりがないよう注意してください」(同)
登山中は汗もかくので2〜3時間ごとに日焼け止めを塗り直すのが理想的とのこと。こまめな塗り直しが面倒な方は、通販などで手に入る、体の内側から紫外線ダメージを予防できるサプリメント、飲む日焼け止めを登山前に飲んでおくという方法もあります。また、日焼け止めを塗る以外にも、長袖のウェアやアームカバーをする、帽子、サングラスをつけるなどの対策も大切だそうです。
日焼け止めと虫除けスプレーは一緒に使って大丈夫?
夏山登山では、日焼け止めと同じく虫除けスプレーが欠かせません。日焼け止めと虫除けスプレーは併用しても問題はないそうですが、塗る順番には気をつけた方が良いそうです。
「一緒に使用する際は、日焼け止めを先に、虫除けスプレーを後から塗った方が良いでしょうね。先に虫除けスプレーをしてしまうと、日焼け止めの油分による膜で内側に閉じ込めてしまい、虫除けの効果を発揮しきれなくなります」
日焼け対策とケア方法を覚えて、登山をもっと楽しもう
「若い時と同じ量の紫外線を浴びたとしても、肌の回復力は年を重ねるごとに衰えてしまっているので、色の戻りも遅くシミやしわになりやすいです」(同)
確かに子どもは夏休みに真っ黒になるまで日焼けをしても、すぐに元の肌の色に戻っていることが多いです。これは年齢による肌の回復力の差だったんですね。
「日焼け対策を怠りケアもせず放置してしまうと、浴びた紫外線の影響によって老化が早まり、シミ・しわ・たるみの原因となってしまいます。最悪、紫外線によって遺伝子に傷がつき、皮膚ガンを早めてしまう場合もあります」と高瀬先生は話します。実際に先生の病院でも、若いころに無防備に日焼けをしてしまった影響によるシミやしわに悩んで受診されている患者さんも多いそうです。
夏だけではなく1年を通して日焼け対策を万全に、もし焼けてしまった場合はしっかりとケアを施し、快適に登山を楽しみましょう!
【お話をお聞きした方】髙瀬聡子先生
皮膚科医。東京・中目黒にある美容皮膚科クリニック「ウォブクリニック中目黒」院長。同クリニックの院長を務めると同時に、自身のスキンケアブランド「アンプルール」の研究開発に携わる。著書に『いちばんわかる スキンケアの教科書』『気になるパーツのスキンケア 2週間速攻メソッド』。