登山中にうっかり日焼け! 皮膚科医が教える正しいアフターケア

2018/08/20 更新

きちんと日焼け対策をしたにも関わらず、うっかり日焼けをしてしまったことはありませんか? 特に平地と比べ標高が高くなる山では、太陽に近くなる分紫外線を強く浴びることになり、日焼けのリスクが高まるそうです。そこで今回は、日焼けをしてしまった後のケア方法について、ウォブクリニック中目黒院長の皮膚科医・髙瀬聡子先生に教えてもらいました。

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日焼けをしてしまったら、どういったケアをすればいい?

金峰山稜線
出典:PIXTA(金峰山の稜線)
日焼け止めを塗って予防していたつもりなのに、うっかり焼けてしまうことってありますよね。そんなとき、気づいたらすぐにケアができると症状の軽減につながるそう。では、どんな方法で応急処置をすればいいでしょうか? ウォブクリニック中目黒院長の皮膚科医・髙瀬聡子先生に教えてもらいました。

アフターケアの基本はとにかく冷やす!

冷やす
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「日焼けをしてしまったら、まずは日焼けをしている患部を冷やすことがもっとも大切です。肌が紫外線によって炎症をおこしてしまっている状態なので、冷やして火照りをとりましょう。水に濡らしたタオルを患部にあてておくだけでも効果的です。また、帰宅後は、保冷剤をタオルやガーゼで包み、患部にしばらくあてておきましょう」(髙瀬先生、以下同)

山で貴重な水をむやみに使ってしまうのは危険なので、下山した後など、水に困らない状況になってから処置を施すといいでしょう。また、保冷剤を当てる場合、直接肌にあててしまうと、却って肌へ刺激を与えてしまうことになるのだとか。きちんとタオルなどで、肌との間にクッションをいれるようにしましょう。

ひどい日焼けでは脱水症状になる危険性も

水分補給
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肌を冷やすほかに、日焼けした直後からできる意外なケアはずばり『水を飲む』ことだそう。

日焼けによる炎症で、肌の水分は蒸発してしまいます。特に広範囲にひどく日焼けをしている場合には、脱水症状をおこす危険性があるので冷たい水を飲むようにしてください」(同)

水を飲むと火照りをとる効果があり、炎症の軽減につながります。日焼け後はいつもよりこまめな水分補給を心がけるといいそうです。

化粧水でしっかり保水!

化粧水を塗る
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「肌の火照りを冷ましたあとは、化粧水で保水をしてください。量も通常の2〜3倍ほどたっぷりと使い、手で優しく塗布すると良いですね。日焼けをした直後は、美白成分など高機能な化粧水は、肌に刺激を与えてしまうことになります。低刺激の抗炎症作用のある化粧水を使うのがおすすめです」(同)

ただし、肌が赤くヒリヒリと痛んでいる場合は、炎症がまだ治っていない証拠。化粧水をつける前に、痛みがなくなるまで冷やす必要があるそうです。また、化粧水を塗布して特にひりつきを感じない場合でも、肌の奥ではまだ少し炎症が続いていることもあります。そんなとき、乳液やクリームでの保湿には注意が必要なのだとか。

炎症を肌に閉じ込める!? 乳液やクリームを使う時の注意点

乳液
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「肌が炎症をおこしている状態で乳液やクリームを塗ると、肌にフタをしてしまうことになります。そうすると炎症を肌の中に閉じ込めてしまい、炎症の悪化の原因となります。乳液やクリームは、焦らずに時間を置いてから塗るようにしてください」(同)

しっかりと保湿をするためには、乳液やクリームを使ったほうが良さそうですが、逆効果になるケースもあるとは意外でした。また、化粧水をコットンに浸し顔一面に貼り付けるコットンパックも一見効果的に思えますが、肌にフタをしてしまうことになるので避けた方が良いとのことでした。

日焼け止めを落とすことに固執しない!

ぬるめのシャワー
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日焼けをしてしまった場合、気になるのがお風呂。いつも通り入ってもいいのでしょうか?

「日焼けをした当日に、お湯で体を温めてしまうと、循環が良くなり炎症が拡大してしまいます。湯船に入るのは避けて、少しぬるめのシャワーを浴びるくらいにしておきましょう。また日焼け止めを落とそうと、顔や体を強くこすってしまうと刺激になり、こちらも炎症を拡大させる原因になります。日焼け当日は落とすことにあまり固執せず、無理のない範囲で優しく洗うようにしてください」(同)

日焼け止めの種類にもよりますが、クレンジング剤で落とす場合には、通常よりもたっぷりの量を使うことで刺激を軽減することができます。洗顔も同じように、肌を摩擦しないようたっぷりの量で優しく洗いましょう。

かゆくて眠れない…。かゆみを鎮めるためには

肌がかゆい
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日焼けをすると肌が乾燥してかゆくなることも多いですよね。辛いですが、かいてしまうのはもちろんNGです。

「対処法としてはかゆみを紛らわせるために、とにかく冷やすこと。市販のかゆみ止めを使うと、刺激となる成分が入っている可能性もあるので注意が必要です。極力使用は避けたほうが良いと思います」(同)

濡らしたタオルや、保冷剤または氷を入れたビニール袋をタオルに包むなどして、かゆみが気になる部位にあてておきましょう。

皮がむけてくるけど、放置しておいて良いの?

皮がむける
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日焼けをしてから2〜3日たつと、ダメージを受けた肌を再生する過程で、皮がむけてくることがあります。ついむきたくなってしまいますが、実際は何が正解なのでしょうか。

「皮は無理にはむかず、自然にむけて落ちるのを待つようにしてください。肌の乾燥を解消するために、乳液やクリームで保湿をしましょう。肌をしっとりさせておくと、ちょっとした刺激で無理に皮がむけてしまうことも防止できます」(同)

確かに肌が乾燥している状態だと、衣類とのわずかな擦れでべりっと大きく皮がむけてしまった経験がありました。無理にむいてしまうと肌を痛め、肌に跡が残る原因となってしまうので絶対にやめましょう!

食事やサプリメントで体の内側からケア

ビタミン
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「日焼けは、食事やサプリメントといった体の内側からのケアも効果的です。メラニンの生成を抑え、日焼け後のシミやしわの軽減に効果的とされる、抗酸化作用のある成分を摂取すると良いでしょう」(同)

抗酸化作用のある成分、またそれらが摂取できる食べもの
・ビタミンC  <柑橘系・ピーマン・じゃがいも>
・リコピン <ミニトマト・スイカ・赤パプリカ>
・ポリフェノール <ベリー系・ほうれんそう・チョコレート>

ビタミンCは美肌効果も高く特におすすめなのだとか。日焼け当日は蒸発した水分を補給するため水を飲んだ方が良いですが、翌日以降は抗酸化作用のある、カテキンを多く含んだ緑茶を飲むと良いそうです。

病院を受診した方が良い症状の目安は?

病院の受診
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日焼けをして症状がひどい場合でも、病院を受診したほうがいいのか判断に迷ってしまうことも。見極めの目安を教えてもらいました。

「水ぶくれができてしまったら重度と考え、受診するべきだと思います。また翌日以降もヒリヒリと痛みが続いている場合も、受診をおすすめします。診察では肌の状態を見て、ステロイドを中心とした薬を処方することが多いです」(同)

あくまで目安なので、もし日焼けの症状がひどいと感じる場合や心配なときは、ためらわずに受診をしてください。

正しい日焼け止めの塗り方がある!?

日焼け止めの塗り方
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そもそも日焼けを予防するためには、正しい日焼け止めの塗り方を覚えておくことが大事だとか。それだけで、日焼けの仕方に差がでてくるそうです。

「日焼け止めを塗る量が少ないと、その効果を発揮しきれません。必ず商品の指示にあった適量を塗るようにしてください。また頰の高い位置と鼻は、顔の中でも高さがある分、紫外線を浴びやすく、日焼けの影響を受けやすいです。頰と鼻は日焼け止めを厚く二度塗りをすることをおすすめします。日焼け止めの塗り忘れが多い、首・耳・あごの下も、うっかりがないよう注意してください」(同)

登山中の女性
出典:PIXTA
登山中は汗もかくので2〜3時間ごとに日焼け止めを塗り直すのが理想的とのこと。こまめな塗り直しが面倒な方は、通販などで手に入る、体の内側から紫外線ダメージを予防できるサプリメント、飲む日焼け止めを登山前に飲んでおくという方法もあります。また、日焼け止めを塗る以外にも、長袖のウェアやアームカバーをする、帽子、サングラスをつけるなどの対策も大切だそうです。

日焼け止めと虫除けスプレーは一緒に使って大丈夫?

虫除けスプレー
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夏山登山では、日焼け止めと同じく虫除けスプレーが欠かせません。日焼け止めと虫除けスプレーは併用しても問題はないそうですが、塗る順番には気をつけた方が良いそうです。

「一緒に使用する際は、日焼け止めを先に、虫除けスプレーを後から塗った方が良いでしょうね。先に虫除けスプレーをしてしまうと、日焼け止めの油分による膜で内側に閉じ込めてしまい、虫除けの効果を発揮しきれなくなります」

日焼け対策とケア方法を覚えて、登山をもっと楽しもう

夏山登山
出典:PIXTA
「若い時と同じ量の紫外線を浴びたとしても、肌の回復力は年を重ねるごとに衰えてしまっているので、色の戻りも遅くシミやしわになりやすいです」(同)

確かに子どもは夏休みに真っ黒になるまで日焼けをしても、すぐに元の肌の色に戻っていることが多いです。これは年齢による肌の回復力の差だったんですね。

「日焼け対策を怠りケアもせず放置してしまうと、浴びた紫外線の影響によって老化が早まり、シミ・しわ・たるみの原因となってしまいます。最悪、紫外線によって遺伝子に傷がつき、皮膚ガンを早めてしまう場合もあります」と高瀬先生は話します。実際に先生の病院でも、若いころに無防備に日焼けをしてしまった影響によるシミやしわに悩んで受診されている患者さんも多いそうです。
夏だけではなく1年を通して日焼け対策を万全に、もし焼けてしまった場合はしっかりとケアを施し、快適に登山を楽しみましょう!

【お話をお聞きした方】髙瀬聡子先生

皮膚科医。東京・中目黒にある美容皮膚科クリニック「ウォブクリニック中目黒」院長。同クリニックの院長を務めると同時に、自身のスキンケアブランド「アンプルール」の研究開発に携わる。著書に『いちばんわかる スキンケアの教科書』『気になるパーツのスキンケア 2週間速攻メソッド』。

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古川晶子
古川晶子

編集者・ライター。六甲山の麓で生まれ育つも、六甲山より高い山は登ったことがない登山初心者。都会でパソコンと向き合う日々の中、休日のアウトドアで心のエネルギーを充電しています。

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