落石が起こる原因は、ほとんどが『人』
落石には、自然発生と人為的な原因の2種類があり、人に被害のある落石のほとんどは人為的な原因によるものです。自然に岩が緩んで強雨風時や大雨のあとなどに岩や石が落ちるものは、自然発生の落石。人為的な落石は、登山者が自然にゆるんだ浮石に触れることで落ちるものです。
浮石というのは、大雨や雪解けなどで不安定な状態になり、崩れやすくなった岩や石のこと。乗るとずれたり他の石と接触して音が鳴ることでも確認できます。
落石を起こさないためには?
落石が起こりそうな場所は登山の経験を積んでいくと分かるようになってきます。
・樹木のない森林限界のガラ場
・雨・霧・強風時
・雪融けの雪渓
・沢筋
・鎖場
・人のあまり歩かないルート
ガラ場や沢筋では雨や霧、強風などによって岩がゆるみ浮石が多くなります。また、霧の日は視界が悪いため落石に気づきにくくなります。
このような落石の多い場所では人為的な落石を起こさないためにいっそうの注意が必要です。
浮石を見極める
とはいえ浮石は、経験を積んでも100%見極められるものではありません。浮石の多いところでは慎重に歩くことが大事です。一度に全体重をかけず、石が動かないかどうかを確かめながら歩を進めましょう。
歩き方に気を付ける
落石を起こさない歩き方は、歩幅を小さくして、岩の上に足裏全体で着地し、蹴り出さずに体を押し上げるような歩き方です。
写真のようなつま先をけり出して進む普段の歩き方だと、後ろに石を蹴って落としてしまったり、先に置いた足が浮石だった場合にバランスを崩して転倒してしまうおそれがあります。
コースを外れない
落石を起こさないためには、コースを外れないことも大事です。みんながよく通るところは踏み固められているため、浮石も少ないことが多いです。踏み跡が分からないような広いガラ場では、ペンキで印をつけているコースもあるので確認しながら進みましょう。