高山病になって酸素吸入を行う人

高山病とは|予防と対策を知って、安全に登山・旅行に行こう!

高山病は、標高が高い場所で酸素が不足して起こる症状です。その症状の出方には個人差があるものの、予防やなってしまった時の対策方法を知っておくのが大事。登山や高地への旅行の前に、正しい知識を知っておきましょう!

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高山病になったらどうなるの?原因と症状

富士山を登山している人々

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高山病は重症になると死に至る怖い症状です。しかし、突然起こるものではなく、必ず体が高山病の兆候を感じ取りサインを発します。登山だけではなく、標高の高い場所に旅行に行くときも気をつけねばなりません。高山病を詳しく知って対策していきましょう。

高山病とは

高山病でつらそうな人

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高山病とは、一般的に言う「病気」ではなく、低酸素状態に置かれたときに体が順応できずに起こる症候群のことで、「低酸素症」や「高度障害」とも言われています。発症の程度や発症するかどうかは個人差が大きく、発症しづらい人でも体調によっては発症したりと、誰でも起こりうる事です。突然症状が重篤になるものではなく、徐々に様々な兆候が体に現れ始めます。

標高が上がるほど危険度が増す

高山病で酸素吸入をしている人

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高度が上がるほど気圧が低くなり大気が圧縮されなくなるので、酸素を含んだ大気の密度は減ります。一度の呼吸に含まれる酸素の量も減るので、酸素と結びついたヘモグロビンが減少し、組織に送る酸素が不足して様々な高山病の症状が現れるのです。

高山病の症状

高山病になっている登山者

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高山病は大きく分けて3種類の症候群に分けられます。

【急性高山病】
いわゆる山酔いと言われるもので、新たに高い高度に身を置いたときに起こる症状です。この段階で適切な処置をしないと重症になる可能性があります。

・頭痛
・吐き気
・めまい
・顔、手、足のむくみ
・倦怠感
・息切れ
・動悸
・食欲不振
・睡眠障害

【高所肺水腫(HAPE)】
急性高山病を放っておいて重症化すると、高所肺水腫になる可能性があります。高所肺水腫は高度が上がって気圧が下がり、毛細血管の圧力が上昇して液体が肺胞に漏れてたまる症状です。

・息切れ
・頻脈
・ぜーぜーという呼吸音
・せき、血痰が出る
・チアノーゼ

【高所脳浮腫(HACE)】
高度が上がって酸素が薄くなると、体は脳の機能を維持するために脳に血液を集めようとします。すると脳の毛細血管の圧力が上がり、体液循環がうまくいかずに脳にたまって高所脳浮腫となることがあります。

・運動障害
・幻覚を見る
・錯乱
・激しい頭痛
・意識を失う
・昏睡

高山病で死亡した事例も

症状が軽度だからと言って、無理をしてさらに高度を上げるとどんどん症状が進行していきます。重症の域に入ると死亡に至ってしまった例も数多くあります。標高が2400m前後でも起こりうることなので、高山病を甘く見ずに適切な判断をすることが大事です。

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