高山病を予防したい
せっかくの登山や観光が、高山病で台無しになるのは避けたいですよね。誰しもがかかる可能性のある高山病。予防する方法はあるのでしょうか。
高山病を予防するには
・前日にはしっかりと睡眠をとる
寝不足では疲労が残ってしまうため、よけいに酸素が必要となり酸素不足となってしまいます。また、高山病の初期症状を寝不足の症状と間違えて、高山病に気がつかないこともあります。
・高地順応をする
ロープウェイなどで一気に高度をあげたときは、その高度で30分から1時間ほどゆっくりと過ごすと体が高度に順応してくれるので高山病になりにくくなります。富士登山の場合では、5合目で1時間ほど休憩して、体を慣らしてから出発することが大事です。
・高度を上げる速度はゆっくりと、休憩はこまめに
徐々に高度に体をならすため、ゆっくりと登ることが大事です。体力を温存できるメリットもあります。
・呼吸を深くする
疲労で呼吸が浅くなると酸素も不足します。定期的に深呼吸して酸素をたくさん取り入れましょう。深呼吸は深く息を吐くことを意識して行いましょう。
・水分を十分に補給する
高度が上がると乾燥するので脱水症状になり、血流が悪くなるため酸素を体にうまく運べなくなります。脱水症状にならないよう、こまめな水分補給を心がけましょう。
・体を締め付けすぎる服装は避ける
体を締め付けると深呼吸がしづらくなります。腹式呼吸ができるようなゆとりを作りましょう。
・アルコールの摂取は避ける
アルコールを摂取すると呼吸が抑制されて、酸素を体内にうまく取り込めなくなります。高山病の原因になるので飲酒は控えましょう。
以上のことを気を付けると、高山病を発症する確率が低くなると言われています。
高山病の予防薬 ダイアモックス
ダイアモックスは、主に緑内障によく使われている薬です。炭酸脱水酵素の働きを阻害して血液を酸性にする作用があり、そのことで呼吸中枢が刺激されて知らず知らずのうちに呼吸が増加するため酸素を取り込む量を増やすことができます。また、脳の血管を拡張する働きがあるので、脳の血流が増えて酸素不足を解消できます。
【服用方法】
一般的に、高山病を予防する場合は前日から服用します。飲む量や回数は個人差がありますので、服用方法は医師の指導に従いましょう。
【副作用】
軽度な副作用として顔や手足のしびれやチリチリ感、頻尿などがあります。それ以外に吐き気やめまい、ふらつき、全身倦怠感を伴う重大な副作用を引き起こすことがあります。また、高山病の悪化と判別が難しい副作用などもありますので異常を感じたら、下山か医師の診察を受けましょう。
【服用できない人】
スルホンアミド系薬剤にアレルギーがある人
【入手法】
ダイアモックスは処方箋がないと購入できません。処方に関しては医師へ相談しましょう。また、高山病予防におけるダイアモックスの使用は保険適用外です。
※ダイアモックスとドーピング:スポーツクライミングを含む山岳競技や高地トレーニング中のアスリートが高山病予防にダイアモックスを服用するとドーピング違反となりますので注意しましょう。