
乗鞍権現社あたりからは展望が開け、乗鞍岳を構成する峰の数々を見渡せ、振り返れば焼岳をはじめ北アルプスの山々も見渡せます。

硫黄岳に近づくにつれ、辺りはハイマツ帯となり視界も良好。ところどころガレ場もあり。硫黄岳、丸山と縦走し、大丹生岳の手前でスカイラインと合流。あとは道なりに進み、畳平を経由して剣ヶ峰へ向かうコースとなります。

この新登山道はロングコースですが、下りに畳平から出ているシャトルバスを利用すれば日帰りで往復することも可能です。また、行きはバスで畳平まで行って剣ヶ峰登頂を果たし、北側に広がる北アルプスの大パノラマを見ながら下りで新登山道を歩くのもGOOD!
【上級者向け】金山、十石山を通って白骨温泉へ至るルート
乗鞍権現社→金山(約1時間)→十石山(約3時間)→白骨温泉
乗鞍権現社の東側には十石山へ向かうルートが分岐しています。このルートは山と高原地図には記載されておらず、バリエーションルートとなります。崩落の危険性も指摘されているかなりのやせ尾根を通過することから、安易に歩くことのできないコースです。
乗鞍権現社の分岐から目印の赤布を頼りに東へ少し登るとガレた岩場の金山の頂に着きます。乗鞍岳や北アルプスの名峰が絶景が楽しめるビューポイント。

金山から十石山までのルートは、踏み跡が無くどこが道かも分からないような、ハイマツなどの木々に覆われた場所を藪漕ぎしながら進むことになります。また、崩落の危険性も指摘されるやせ尾根を通ります。

ハードな山行の果てに辿り着く十石山頂上には避難小屋があります。ここから白骨温泉へは、整備され牧歌的な雰囲気を楽しめるコースとなります。
乗鞍岳を南側から登るコース3選
乗鞍岳の南側にも魅力的な登山ルートがあります。登山者の少ない静かな山歩きが楽しめますよ!
①中洞権現ノ尾根コース
最高点の標高: 2973 m
最低点の標高: 1454 m
累積標高(上り): 2840 m
累積標高(下り): -1322 m
- 【体力レベル】★★☆☆☆
- 日帰り
- コースタイム:5時間45分
- 【技術的難易度】★★★★☆
- ・岩場、雪渓を安定して通過できる技術が必要
・ルートファインディングの技術が必要
アイミックス自然村南乗鞍オートキャンプ場(90分)→登山口(林道終点)(180分)→中洞権現(75分)→剣ヶ峰

アイミックス自然村南乗鞍オートキャンプ場から続く林道を進み、登山口へ。車は阿多野郷川を越えるゲート前まで乗り入れることが可能。序盤いきなりの急登で、笹薮こぎが必要なハードな道が続きます(近年刈り払いされ定期的に整備も行われている)。森林限界を超えるとハイマツ帯となり展望が開けます。御嶽山や白山の展望がGOOD。リボンやケルンを目印に踏み跡のない道を進み、中洞権現を経由して剣ヶ峰を目指します。
②青屋古道を歩く九蔵ノ尾根コース
最高点の標高: 2973 m
最低点の標高: 851 m
累積標高(上り): 3114 m
累積標高(下り): -993 m
- 【体力レベル】★★★☆☆
- 日帰り
- コースタイム:8時間5分
- 【技術的難易度】★★★★☆
- ・岩場、雪渓を安定して通過できる技術が必要
・ルートファインディングの技術が必要
九蔵(50分)→小俣谷橋(120分)→1692m地点(70分)→1876m地点(140分)→千町ヶ原(60分)→奥千町避難小屋(100分)→中洞権現(75分)→剣ヶ峰
静かに佇むお地蔵様の数々や木道が整備された美しい湿地帯の千町ヶ原が見どころのロングコース。100年以上昔に開通し、一度は自然に帰したものの再整備された、地元の人々が大切にする歴史のある道です。笹薮こぎもあるワイルドな道を進むので体力が必要です。登頂を目指すと非常に長いコースとなる上、道中には無人の避難小屋が1つあるだけなので、千町ヶ原までのトレッキングを楽しむ人が多いコースでもあります。登る人が非常に少ないため、静かな山行が楽しめます。
③丸黒尾根から千町尾根を経て剣ヶ峰へ
最高点の標高: 2973 m
最低点の標高: 1510 m
累積標高(上り): 2311 m
累積標高(下り): -850 m
- 【体力レベル】★★★☆☆
- 日帰り
- コースタイム:8時間5分
- 【技術的難易度】★★★★☆
- ・岩場、雪渓を安定して通過できる技術が必要
・ルートファインディングの技術が必要
国立乗鞍青少年交流の家(25分)→日影峠(5分)→1543m地点(40分)→水場(35分)→平金乗越(30分)→白山見晴台(50分)→丸黒山(150分)→千町ヶ原(60分)→奥千町避難小屋(100分)→中洞権現(75分)→剣ヶ峰
国立乗鞍青少年交流の家を起点に、標高1,956mの丸黒山山頂と千町尾根を辿って剣ヶ峰に至るロングコース。丸黒山までの登山道はよく整備されており、案内表示もあります。丸黒山山頂からは白山を大迫力で見ることができ、乗鞍岳の姿も遠くに望めます。千町ヶ原で九蔵ノ尾根コースと合流。木道が整備された湿地帯や展望が開けるハイマツ帯を進んで剣ヶ峰へ。道中の山小屋は、九蔵ノ尾根コース同様、奥千町避難小屋の1つとなります。