雪に埋もれた岩々が顔を覗かせているところを超えれば剣ヶ峰に登頂!夏に見るのとは別世界の景色を堪能できます。手軽に登れることから夏は多くの登山客で混み合いますが、冬は静かな乗鞍岳を楽しめます。下りは車道に出る地点付近で沢に入らないよう注意しながら下りましょう。
位ヶ原山荘(冬季)
冬季に唯一営業している位ヶ原山荘は冬の乗鞍岳登山にとって重要な拠点となる山小屋。行程の中に小屋泊を挟むことでゆとりのある登山ができるでしょう。
住所:長野県松本市安曇
電話:090-9001-7362
営業時期:年末年始、2月上旬~10月下旬
※2016~17シーズンは、12月23日~1月9日、2月4日~10月下旬
標高:2,415m
収容人数:40人
トイレ:あり(宿泊者無料、外来者100円)
テント場:なし ※冬季の山荘付近での幕営は厳禁。
<冬季宿泊料金(年末年始・2月~5月14日)>
1泊2食付 8,000円
1泊夕食のみ 6,800円
1泊朝食のみ 6,200円
素泊まり 5,000円
※要予約
冬季はコーヒーやおしるこ、日本酒、焼酎、赤ワインなどもあります。宿泊者用の談話室には豆炭こたつがあります。自炊可能、宿泊者は飲料用水、お湯の提供を無料で受けられます。
雪の回廊

豪雪地帯でもある乗鞍岳は、春に山頂へ向けてエコーラインの除雪作業が行われ、道路の両脇に積もったままの雪が壁となって「雪の回廊」が生まれることで知られています。4月下旬から6月いっぱいまでの期間、乗鞍観光センターからシャトルバスに乗り込み、位ヶ原山荘前バス停または大雪渓・肩の小屋口バス停で下車することで見ることができます。
どんな服装で登ればいい?
1月~2月の厳寒期には氷点下20度前後まで冷え込む乗鞍岳。しっかりとした冬山登山の装備を用意しなければ命に関わります。
●体(ウェア)
汗を掻くと気化熱により体温が奪われるため、汗が出るか出ないかくらいの適切なレイヤリングで臨みましょう。発汗による衣類の濡れには注意してください。また、裾からの雪や冷気の侵入を防ぐためにウインドスカートを、足元からの雪の侵入を防ぐためにスパッツも用意。
●目
雪面の照り返しや風雪時に備えてサングラスとゴーグルを用意しましょう。
●頭
帽子を用意しましょう。耳まで隠れるものがベスト。
●手
凍傷にならないよう、グローブは必携です。
●足(フットウェア)
保温性が高い中綿入りや皮革製のもので、防水透湿性を備えたブーツがベスト。
●足(ギア)
10本爪以上のアイゼンやスノーシューを用意しましょう。事前のフィッティングチェックは欠かさずに。
●ギア
バランス保持や滑落停止などに使われるピッケルや、なだらかな斜面を歩くときに体の負担を減らしサポートしてくれるポールも用意しましょう。
登山道整備で古道が復活!平湯温泉出発の乗鞍岳満喫コース
乗鞍新登山道整備

平湯温泉では繁忙期前に中腹にある権現社へお参りする伝統があり、平湯温泉から乗鞍岳へ通じる古い登山道を地元の有志のみで毎年整備を行っていました。しかし、危険な箇所が多いにもかかわらず、有志の整備だけでは安全をしっかり確保できないことから、クラウドファンディングで資金を調達した大規模な整備プロジェクトが始動。

平湯温泉観光協会を中心に、協賛するアウトドアメーカーやメディア、サポーターとして参加した一般の登山者らによって2016年と17年に新登山道の整備が行われました。このプロジェクトにより、多くの峰々から成る乗鞍岳をより深く味わえ、眺望も歩きごたえも抜群のコースが復活しました!
乗鞍新登山道|平湯温泉から乗鞍の峰々を歩くロングトレイル
最高点の標高: 2972 m
最低点の標高: 1314 m
累積標高(上り): 2675 m
累積標高(下り): -1017 m
- 【体力レベル】★★★☆☆
- 日帰り
- コースタイム:8時間5分
- 【技術的難易度】★★☆☆☆
- ・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい
平湯キャンプ場(100分)→1861m地点(90分)→水場(45分)→乗鞍権現社(60分)→硫黄岳(60分)→平湯・十石山登山口(20分)→大黒岳分岐(20分)→畳平(35分)→肩の小屋(50分)→剣ヶ峰
平湯温泉スキー場のゲレンデから登り始めます。1時間程度登ると大きな広場があり、平湯尾根に続く登山口があります。

平湯尾根は比較的緩やかです。途中、目印となる小さな沼「白猿ヶ池」があります。展望が開け、焼岳や穂高岳が見渡せるポイントもあり。

金山尾根に入ると傾斜が増してきます。途中に水場がありますが、夏季は涸れて使用できません。緩やかな平湯尾根と急登が続く金山尾根を越えると小さな社が建つ乗鞍権現社へと辿り着きます。