セアカゴケグモ|【駆除・対処法まとめ】
セアカゴケグモについてまとめました。いったいどこにいるの?どう気を付けたらいいの?気になる疑問をまとめて解決しましょう!日本にはいなかったはずの外来種セアカゴケグモは、今やほとんどの都道府県に広がり、定着した存在です。まずはしっかりと情報を知り、適切な対処対応ができるようにしましょう。
2022/12/27 更新
監修者
日本登山医学会認定 国際山岳医
稲田千秋
国際認定山岳医、形成外科医。現在はフリーランスで医業を続けながら、国内外の登山ツアーへの帯同や山小屋での診療など山岳医療の場での活動をメインに行なう。
登山歴は約15年。
学生の頃に登山をはじめ、以後、アルパインクライミングを中心とした様々なジャンルのアウトドアアクティビティに熱中。アウトドアブランド<カリマーインターナショナル>のアンバサダークライマーとして製品開発などにも協力している。
稲田千秋のプロフィール
監修者
一社)セルズ環境教育デザイン研究所
西海太介
神奈川県横浜市生まれ。昆虫学を玉川大学農学部で学んだ後、高尾ビジターセンターや横須賀2公園での自然解説員経験を経て、2015年「セルズ環境教育デザイン研究所」を創業。
ハチやクマなど、野外での危険生物のリスクマネジメントを専門としており、特に近年はマダニ対策の研究を行う。その他「生物学研究教室」の開講、メディア出演や執筆・監修などにも幅広く携わり、「危険生物対策」と「生物学」の普及に取り組んでいる。
著書に、『身近にあふれる危険な生き物が3時間でわかる本』(明日香出版社)、『危ない動植物ハンドブック』(自由国民社)など。
西海太介のプロフィール
編集者
YAMA HACK編集部
月間350万人が訪れる日本最大級の登山メディア『YAMA HACK』の運営&記事編集担当。山や登山に関する幅広い情報(登山用品、山の情報、山ごはん、登山知識、最新ニュースなど)を専門家や読者の皆さんと協力しながら日々発信しています。
登山者が「安全に」「自分らしく」山や自然を楽しむサポートをするため、登山、トレイルランニング、ボルダリングなどさまざまなアクティビティに挑戦しています。
YAMA HACK編集部のプロフィール
制作者
naot
子供の頃から両親と山に登るのが好きでした。転勤族のため、色々な場所の山に登り、美味しいものを探す日々。今は北海道の山々を歩き回っています!
naotのプロフィール
アイキャッチ画像出典:PIXTA
海を越えてやってきたクモ

出典:PIXTA
1995年に国内で初めて発見され、以来、日本のほとんどの県に定着が確認された「セアカゴケグモ」。元々は原産地のオーストラリアからの貿易物資などにくっついて日本に入ってきてしまったと考えられています。

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セアカゴケグモはもともと亜熱帯環境に近い15~30℃程度が適温とされる生物です。そのため、本来の日本の本州以北は、地域によっては気温も低く、セアカゴケグモにとって厳しい環境のはずです。しかし、配電盤や自動販売機などの熱を発する機械の下などの環境をうまく利用することで、冬の寒さを乗り切り、定着しているものと考えられています。
セアカゴケグモをもっと知る
| オス | メス |
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大きさ(胴体部分) | 3.5-6mm | 7-10mm |
特徴 | 背中に白い模様 | 背中に赤い模様 |
毒 | なし | あり |
セアカゴケグモは神経毒をもつ毒グモですが、この毒をもつのはメスだけで、オスは持っていません。名前の「背赤(セアカ)」の名の通り背中が赤いのもメスだけで、オスはもっと地味な色合いをしています。そのため、危険なメスは特徴的な模様をしていることから、見つけた時の判断はしやすいクモといえます。
またこのクモは、外来種の中でも特に生態系や人間活動への影響が大きい生物のリスト、「日本の侵略的外来種ワースト100」にも選ばれています。

セアカゴケグモの巣は、絵にかいたようなクモの巣のかたちではなく、3次元的な巣をつくり、卵の維持と餌の確保を同時にできるような構造になっています。

出典:PIXTA
巣は地面に近く、直射日光が当たらない場所に巣を造ることが多く、自販機の下、側溝のふたの裏側、駐車場のカラーコーンの中、プランターのふちや裏など、都市環境をうまく利用して生息をしています。人間活動の物資の移動によって分布が広がっているものと考えられることから、アウトドア活動として行く山や渓流などよりも、都市部や駐車場などの生活圏で出会う可能性の方が高い生き物です。
駆除・対処法は?

撮影:naokohara
セアカゴケグモの攻撃性は極めて低く、触れない限り咬まれることはありません。一番事故として起こりやすいのは、セアカゴケグモがいるであろうプランターなどの下に、いきなり手を突っ込み、クモに触れて咬まれるようなケースです。刺激すると巣から落ちるように逃げる性質があるので、駆除する場合は巣を刺激しないようにして殺虫剤をかけるか、踏みつぶすなどの方法があります。