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ロードで走るのとどう違う? 知っておきたい山のトレランマナー6か条(2ページ目)

③トレイル (登山道) を大切にしよう!

トレイルランナー

出典:PIXTA

追い越しやすれ違いでは、安全登山の観点からも立ち止まりが好ましいのは前述のとおり。しかし植生保護のためにも、無理なすれ違いによる登山道外への足の踏み入れは避けましょう。 季節にもよりますが、これから芽吹く植生がその足元に隠れているかもしれません。
また、ランニングをしているとツバを吐きたくなるものですが、トレイルのど真ん中にツバを吐く方を時々見掛けます。 モラルとマナーをもってトレイルランを楽しみましょう。

④蹴り足厳禁!落石は重大事故のもと

ガレ場

出典:PIXTA

ハイキングとランニングの決定的な足運びの違いに、蹴り足があります。 ハイキングでは、ふくらはぎを酷使しない様、且つ落石を起こさない様に後ろ足をそっと上に持ち上げますが、ランニングでは蹴り足により前に進むためストライドも大きく、登山の足運びに慣れていないと、たとえ歩いていても、落石につながるフットワークになりがちです。 落石事故による被害者を生まぬよう、そして加害者とならぬよう、トレイルの状況に適した足運びを選択し実践するのもレベルアップに必要です。

撮影:三宅 雅也

以前、真夜中の八ヶ岳 権現岳へのアプローチで、ガラガラと盛大に落石させながら登っているトレイルランナーさん達に遭遇したことがありました。 夜中の3時頃で、ほかには筆者しかいなかったため大事には至りませんでしたが、山に入る場合、落石を起こさないように気を付けなければいけません。 斜度によってはたとえ10cmほどの石でも直撃すると命を奪いかねません

そのランナーさん達は南北八ヶ岳全山日帰り縦走されるとの事でしたが、その後の区間にも落石に注意すべきポイントがたくさんあり、時間的に多くのハイカーさんも居合わせるため、かなり不安を感じました。ロードで走るよりも、一挙手一投足に神経を払わねばなりません。

⑤ちょっと待って!その装備で大丈夫?

軽装の女性

出典:PIXTA

筆者はこれまで、ロードから入ったランナーさんに複数回遭遇しています。中にはペットボトル1本だけを握り締め、レインウェアも防寒着も食料も何も持たず、2月の里山で道に迷われていたランナーさんに遭遇したことも。山は街中と違いその辺にコンビニがある訳ではないため、いつでも雨を凌げる訳ではないのです。こうした環境を考慮して、山に見合ったリスク対策・準備をおこなわないと、里山といえど身に危険が及びます。

また、人に連れて行ってもらい数回走っているコースでも、ソロで走ると意外に道に迷ってしまうこともあります。 そのため、同行者と共に入山したり、スマホのGPSでログを取るなどし、有事の際に備えましょう。

⑥団体で走るのは控えるのがベター

団体で走る

出典:PIXTA

また、みんなでワイワイ走るのが好きなランナーさんたちも多くいます。 山をあまり知らないからリスク低減のためにみんなで入山する、仲間たちと走るのが単純に楽しいから、など背景は様々ですが、たとえば10人も連なってトレイルを走るとやはり賛否が生まれます。 ランナーに限った話ではなく、ハイカーでも団体となると、すれ違いには注意や時間を要すためリスクが高まります。 ある程度の人数になる場合は、山慣れした人をリーダーにグループ分けなどすると理想的です。

マナーとルールを意識して安全トレランを!

登り

出典:PIXTA

山を走り抜ける爽快感、流れる景色と疾走感、In~Outまで何十キロメートルも移動出来る山旅・旅ラン、トレイルランニングは本当に楽しいものです。
ですが、走ることに夢中になり過ぎ、知らず知らずのうちに山や周りのハイカーにリスクを与えてしまっているかもしれません。 山には山のマナーとルールがあります。 それらを改めて認識し、笑顔でトレイルランを楽しみましょう。 そして、時には山をゆっくり歩いてみると、また違った景色・風景が見えてくるかもしれません。
山に入る本来の楽しみ方を一度堪能してみるのもオススメです。
それでは皆さま、どうぞ良い旅ランを!

文 三宅 雅也 (山岳ライター、長野県自然保護レンジャー)

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