ゴールデンウィークといえど、アルプスはまだまだ雪
平地では気温も高くなり、一層春の訪れを感じるのがこの4月。月末から5月にかけては、いよいよ大型連休ゴールデンウィークが始まります。待ちに待った連休に、登山の計画を立てている人も多いのではないでしょうか?恰好の登山シーズン到来の前に水を差したくはないのですが、ゴールデンウィークの登山には注意しなければならないポイントがいくつかあるのです。
・2000m以上の山は残雪があり、3000m以上は雪山状態である
- ・春は天候が安定せず、天気の行方が予想しにくい
- ・天候に合わせて気温も不安定、また一日の寒暖差が大きい
ゴールデンウィークは遭難事故が多い
上記のような状況から、実は遭難事故が多いゴールデンウィーク。警察庁の統計では、2017年春の連休期間中における遭難者数は190人、そのうち死者は27人にも及びます。※上高地開山が待たれるこの時期だからこそ、この問題に注目してみたいと思います。まずは過去の事故事例を見てみましょう。
過去ゴールデンウィークに起こった事故事例
2014年 北アルプス・奥穂高岳

2012年 北アルプス・白馬岳

2013年 北アルプス・白馬岳

2014年 北アルプス・涸沢岳

2014年 八ヶ岳・赤岳

2016年 奥多摩・酉谷山

『自分だけは大丈夫!』は大間違い
事故の原因は道迷いが4割
態様別山岳遭難者
山へ登る際は登山地図は必携です。誰かが持ってくるだろう、あるいは大型連休は登山者が多いから迷うことはないだろうといった、過信・慢心は禁物です。多くの人が訪れる有名な山でも、人が誰もいなくなるルート・時間帯は多数あります。
また、長野県警は以下の注意喚起をしています。登山する前には必ず確認し、自身が守れているかのチェックを忘れずに行いましょう。
春山では、短時間で天候が急変し、小春日和が一転して厳冬期と同じ気象条件となることもあります。行動前に天候をチェックし、天候悪化が予想される時は行動を控えましょう。
雪上を歩行中に転倒・滑落する遭難が多発しています。特に早朝は雪面が凍結して滑りやすいため、慎重な行動が必要です。
「雪崩」や「雪庇の崩壊・踏み抜き」に十分注意しましょう。
長野県では、条例により登山計画書の提出が義務付けられています。登山計画書を必ず提出しましょう。また、家族や友人にも登山の詳細な予定を伝えましょう。
長野県に限らず、条例により登山届の提出が義務付けられている自治体は各地にあります。
群馬県富山県
岐阜県
長野県
「撤退」をする判断ができるかどうか
前段で紹介した白馬山で遭難した6名も、引き返すか否か相談している姿が目撃されていたそうです。せっかくのお休みだから、せっかくここまで来たのだから、そういった心理が働くことは想像に難くありません。しかし、せっかくの楽しい登山だからこそ悲劇にならないよう、撤退する決断をいつでも選択肢に入れておいてください。「まさか自分たちが」と思わない!

jRO(ジロー)日本山岳救助機構