【他人ごとじゃない】実は遭難が多い!GWに実際に起きた悲しい事故

いよいよ待ちに待った大型連休!ゴールデンウィークは、普段行けない遠出の登山を計画する人が多い時期です。でも、そこに落とし穴があります。なかなか訪れることのできない山だからこそ、登山を強行してしまい、結果事故につながるケースが毎年絶えません。ゴールデンウィークといえど、アルプスなど標高2,000m以上の山はまだまだ雪山。今回は、過去にゴールデンウィークに起きた悲しい事故の実例と、押さえるべきポイントをまとめました。出かける前に、今一度心にしっかり留めておきましょう。


アイキャッチ画像出典:PIXTA

ゴールデンウィークといえど、アルプスはまだまだ雪

ゴールデンウィークに山に登る人 出典:PIXTA
平地では気温も高くなり、一層春の訪れを感じるのがこの4月。月末から5月にかけては、いよいよ大型連休ゴールデンウィークが始まります。待ちに待った連休に、登山の計画を立てている人も多いのではないでしょうか?
ゴールデンウィークの雪山 出典:PIXTA
恰好の登山シーズン到来の前に水を差したくはないのですが、ゴールデンウィークの登山には注意しなければならないポイントがいくつかあるのです。

・2000m以上の山は残雪があり、3000m以上は雪山状態である
  1. ・春は天候が安定せず、天気の行方が予想しにくい
  2. ・天候に合わせて気温も不安定、また一日の寒暖差が大きい

ゴールデンウィークは遭難事故が多い

ゴールデンウィークのカレンダー 出典:PIXTA
上記のような状況から、実は遭難事故が多いゴールデンウィーク。警察庁の統計では、2017年春の連休期間中における遭難者数は190人、そのうち死者は27人にも及びます。※
2018年のゴールデンウィークは最大9日間、4月27日には上高地開山が待たれるこの時期だからこそ、この問題に注目してみたいと思います。まずは過去の事故事例を見てみましょう。

過去ゴールデンウィークに起こった事故事例

2014年 北アルプス・奥穂高岳

奥穂高岳
出典:PIXTA
北アルプス屈指の難コースがある奥穂高岳、5月は雪山登山であり登山者には一定水準以上の技術や体力が必要です。2014年、奥穂高岳の間違い尾根でベテラン登山者3名が吹雪と強風により遭難しました。1名は救助されましたが、2名は低体温症により死亡しました。

2012年 北アルプス・白馬岳

白馬岳
出典:PIXTA
同じく北アルプスから6名もの人命が失われた大型山岳事故です。2012年白馬岳において、60代の医師らによるグループが遭難。グループは到着予定の白馬山荘に現れず消息が途絶えます。その後稜線上に倒れた6名を発見、全員が低体温症で死亡していました。当日は天候が急変しブリザードのような悪天候になった模様です。

2013年 北アルプス・白馬岳

白馬岳
出典:PIXTA
大型連休は雪崩にも要注意です。2013年4月27日、白馬岳大雪渓の1700m付近で雪崩が発生、登山者4人が巻き込まれ、2名が死亡1名がケガを負う惨事となりました。積雪の多い地域では気温が暖かくなり始める春は雪崩にも十分注意しなければなりません。

2014年 北アルプス・涸沢岳

涸沢岳
出典:PIXTA
防衛大の山岳部1名と顧問1名が若い命を落としてしまった山岳事故です。部員6名と顧問3名の9人で尾根伝いに下山していた途中、雪で足を滑らせ部員1名が落下、部員の救助を試みるため向かった顧問も間もなく滑落してしまいました。二人は3~400m下の沢で発見されましたがすでに息を引きとっていました。

2014年 八ヶ岳・赤岳

八ヶ岳
出典:PIXTA
北アルプスよりも南に位置する八ヶ岳ですが、山腹から山頂には積雪が多く残っています。雪は本来あるルートを隠してしまい、道迷いや滑落などの危険を誘発します。赤岳を下山中の登山者が約800mもの高さを滑落し間もなく死亡が確認されました。

2016年 奥多摩・酉谷山

奥多摩 大型連休の山岳遭難は2、3000mの高山ばかりで起きるものとは限りません。2016年5月3日奥多摩へ日帰り登山へ出かけた62歳の女性が自宅へ戻りませんでした。目的地の酉谷山を中心に捜索を続けたところ、8日に登山道から20m降った沢に滑落したものと思われる不明女性の遺体を発見しました。

『自分だけは大丈夫!』は大間違い

事故の原因は道迷いが4割

態様別山岳遭難者
態様別山岳遭難者グラフ 年間通して最も多い遭難の要因は「道迷い」。さらにゴールデンウィークの時期は、まだ積雪が残っている山も多く、そうした状況では一般登山道を歩いていても、雪に覆われて道が見えなくなってしまうことがあります。また下生えの植物も少ないため、コース外に踏み入ることができてしまう怖さも。
登山計画を立てる人 出典:PIXTA
山へ登る際は登山地図は必携です。誰かが持ってくるだろう、あるいは大型連休は登山者が多いから迷うことはないだろうといった、過信・慢心は禁物です。多くの人が訪れる有名な山でも、人が誰もいなくなるルート・時間帯は多数あります。

また、長野県警は以下の注意喚起をしています。登山する前には必ず確認し、自身が守れているかのチェックを忘れずに行いましょう。

春山では、短時間で天候が急変し、小春日和が一転して厳冬期と同じ気象条件となることもあります。行動前に天候をチェックし、天候悪化が予想される時は行動を控えましょう。
 雪上を歩行中に転倒・滑落する遭難が多発しています。特に早朝は雪面が凍結して滑りやすいため、慎重な行動が必要です。
 「雪崩」や「雪庇の崩壊・踏み抜き」に十分注意しましょう。
 長野県では、条例により登山計画書の提出が義務付けられています。登山計画書を必ず提出しましょう。また、家族や友人にも登山の詳細な予定を伝えましょう。

長野県に限らず、条例により登山届の提出が義務付けられている自治体は各地にあります。
群馬県

富山県

岐阜県

長野県

「撤退」をする判断ができるかどうか

吹雪の中を登山する人 出典:PIXTA
前段で紹介した白馬山で遭難した6名も、引き返すか否か相談している姿が目撃されていたそうです。せっかくのお休みだから、せっかくここまで来たのだから、そういった心理が働くことは想像に難くありません。しかし、せっかくの楽しい登山だからこそ悲劇にならないよう、撤退する決断をいつでも選択肢に入れておいてください。

「まさか自分たちが」と思わない!

年配の登山者
出典:PIXTA
熟練登山者やシニア層などの遭難事例が少なくありません。そうしたベテランの登山者は自分が遭難するなんてあり得ないといった過信があるのかもしれません。登山に際しては初心に立ち返る気持ちと、山岳保険などの備えが大切なのではないでしょうか。

jRO(ジロー)日本山岳救助機構


ゴールデンウィークにしか見られない景色を見に行こう

ゴールデンウィークに登山する人 出典:PIXTA
多くの遭難事例を紹介しましたが、なんだか山へ行くのは諦めようかな、なんて思わないでください。実際のリスクを知り理解して、無理のない計画と、不測の事態の際の慎重な対応があれば、遭難の危険はグッと少なくなるはずです。いつもよりも遠くの山へ、長い行程で楽しめる絶好の機会、この季節にしか見られない景色を楽しんでください。

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ゴールデンウィークに登山する人
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