<LEKI>直撃取材! メンテナンスしてたのに、トレッキングポールが錆びた…どうして!?

みなさんは登山後にギアのメンテナンスをきちんとしていますか? 「長く愛用するためには、日々のメンテナンスが重要!」 と分かっていながら、トレッキングポールを錆びさせてしまった編集部員が、正しいメンテナンスと使用法をプロに直撃取材しました。


アイキャッチ画像出典:Facebook/LEKI USA

愛用ギアのメンテナンス、きちんとできてる?

レキのトレッキングポール
楽しい登山を終えて帰宅したら、まずやらなければいけないのが使用したギアのメンテナンス。疲れていて後回しになっていませんか? 「すぐにメンテナンスしているから大丈夫!」と思っている方も要注意! きちんと行っているつもりでも、意外と“抜け”があるかもしれないんです。

レキのトレッキングポールを使う登山者
撮影:YAMA HACK編集部
様々な山道具がありますが、中でも登山中に出番が多いのがトレッキングポール。実は、トレッキングポールも日々のメンテナンスが非常に重要なんです! YAMA HACK編集部の中にも、メンテナンスに“抜け”があったために、愛用している<LEKI(レキ)>のトレッキングポールをダメにしてしまった部員がいます。

やらかした! 大事なトレッキングポールが…

シャフトのねじが錆びたトレッキングポール
撮影:YAMA HACK編集部
ねじが錆びているではありませんか! 酷い有様ですね。そう、ねじを錆びさせてしまったため、シャフトが回転しなくなってしまったのです。同じような経験をされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 
きちんと拭いてお手入れをしていたのに、何がいけなかったのか…。もうこれは、直接プロに聞いてみよう!」ということで、<LEKI>を展開しているキャラバン社へ直撃取材に行ってきました!

トレッキングポールの正しいメンテナンス方法って?

キャラバンの井原さん
撮影:YAMA HACK編集部
今回、質問に答えてくださったのは、キャラバン社マーケティング部の井原さん。<LEKI>のトレッキングポールについて、分からないことを色々と聞いてきました。

編集部(以下、編):本日はよろしくお願いします。お見せするのがお恥ずかしいのですが、こんな感じで錆びさせてしまいました…。

井原さん:あ~(笑) ここまでねじが錆びてしまうともうどうにもならないので、シャフト交換になりますね。

編:いつも山に行ったら、家に帰ってきてすぐキレイにしているんです…。何がいけなかったのでしょう?

編集部員がしていたNGメンテナンスはこれだ!

レキのトレッキングポール
撮影:YAMA HACK編集部
①ポールの先のバスケットと石突きのゴムカバーを水洗い

レキのトレッキングポールをメンテナンスする人
撮影:YAMA HACK編集部
②シャフト部分を3パーツに分けて、それぞれタオルで乾拭き

レキのトレッキングポール
撮影:YAMA HACK編集部
③しばらく立てかけておいて、就寝前に元の状態に戻す

自己流のメンテナンス、どこがダメだった!?

キャラバン井原さん
撮影:YAMA HACK編集部
井原さん:使用して濡れたポールを拭かずに放置するともちろん錆びてしまうのですが、表面だけしか拭かなかったり、拭き方が甘いと錆びてしまうこともありますね。ひとことで言うと完全に乾いていないってことなんです。今回の場合も、細かいパーツをつけたままなので、拭ききれていなかったのではないかと思います。立てかけて乾かす時間も短かいですね。

編:たしかに、全体をちゃんと拭いたから大丈夫だと思っていました…。

井原さん:「雨や雪の日に使っていないのに錆びた!」というお問い合わせも稀にあるのですが、晴れた日に使っただけでもきちんとメンテナンスをしないと錆びてしまうこともあるんです。

濡れていなくても錆びる!?

レキのトレッキングポール
撮影:YAMA HACK編集部
井原さん:トレッキングポールの中は、こんな感じで空洞になっています。「雨が降っていなかったので拭きませんでした」という方も多いのですが、実際は伸ばした状態で使用していると、夏場などはどうしても山の湿度やポールの中の空気が太陽光で熱せられることで、ポール内が蒸している状態、湿気を帯びた状態になるんです。

レキのトレッキングポール
撮影:YAMA HACK編集部
井原さん:見えない湿気を残したまま長期間保管してしまうと、シャフト表面が錆びて抜けなくなったり、動かなくなったり、ねじが錆びたりしますね。

編:そういうことでしたか! 雨の中や雪山での登山をしていなくても、気候や場所によってはポールの中に湿気がたまって濡れた状態と同じになってしまうんですね!

正しいメンテナンスはこれだ!

レキのトレッキングポール
撮影:YAMA HACK編集部
①シャフトを3パーツにバラし、石突のゴムカバーやバスケットを外す

キャラバン井原さん
撮影:YAMA HACK編集部
②各パーツの汚れを落として、ねじ山などの細かい部分もポールを回しながら拭く

レキのトレッキングポール
撮影:YAMA HACK編集部
③ポールを縦に振って中に入ってしまった水を出したり、内部の湿気をとる

レキのトレッキングポール
撮影:YAMA HACK編集部
④緑のパーツを外して、ねじやパーツの隙間もしっかりと拭く
(※ねじ山だけはいじらない)

レキのトレッキングポール
撮影:YAMA HACK編集部
⑤ポールの中やパーツの隙間まで、立てかけてしっかりと乾かす

編:他のレキのポールも、メンテナンス方法は同じですか?

井原さん:基本は同じですね。ただ3段に折りたためるモデルは、連結コードで繋がっていて、各パーツにバラすことができないので、ややお手入れがしにくいかもしれません。伸ばして縮めてを繰り返して拭いて、重なっている部分や内部の湿気を完全に取り除くことがポイントです。しっかり乾燥させられれば、どのポールも何年使っていても錆びるということはないんじゃないかな~と思います。

持ち手のメンテナンス方法は?

レキのトレッキングポール
撮影:YAMA HACK編集部
編:ちなみに、持ち手部分はいつも特に何もしていないのですが、お手入れ方法はありますか?

井原さん:このコルク風の持ち手はEVAといって、靴のミッドソールなどで使われている加水分解のしにくい素材なので、汚れていたら中性洗剤で洗っていただいて大丈夫です。その際は、ポールの中に水を入れないように注意してくださいね。

どうやって保管をするのがベスト?

レキのトレッキングポール
撮影:YAMA HACK編集部
編:お手入れの仕方がばっちり分かりました! 今後はもっと細かい部分まで念入りに拭いて、しっかり湿気を取るようにします。 お手入れが終わった後は、どのように保管するのが良いですか?

井原さん:家の中でも湿気のないところに数日立てかけて、完全に乾かしてからセットアップして保管するのが良いですね。1本ずつにバラした方がより良いですが、パーツをなくさないようにだけ気をつけていただければと思います。ビニール袋のような通気性の悪い袋に入れて保管するのはNGです。

編:レキには付属袋がついているモデルや専用の袋がありますよね? あれに入れて保管するのは大丈夫ですか?

井原さん:付属袋やポールバッグは移動時などに便利なだけでなく、保管用にも活用できますが、保管前にはポールをしっかり乾燥させてからですね。

長持ちさせるために、実際に山で使用する際の注意点って?

キャラバン井原さん
撮影:YAMA HACK編集部
編:メンテナンスを怠る意外にも、登山中に壊してしまうこともあると思うのですが、実際に山で使うときに気をつけた方が良いことはありますか?

井原さん:レキのトレッキングポールは、他社と比べても耐荷重強度が圧倒的に高いんです。垂直荷重強度は、回して固定する『スーパーロックシステム』で140kg、ワンタッチで止める『スピードロックシステム』で60~70kg耐えられます。いずれも優れた耐荷重強度を誇ります。

編:普通に使っている分にはそうそう壊れることはないということですね!

井原さん:はい、ただ気をつけてほしいことが3つあります。

 山で使用するときに気をつけること3つ

キャラバン井原さん
撮影:YAMA HACK編集部
ポールは上下でバランス良く伸ばすこと
井原さん:レキに限らずトレッキングポールは細長い棒状なので、縦方向に強い反面、横方向にはどうしても弱いんです。上下でバランスが悪いと長い方に負担がかかり、横からの衝撃で曲がってしまう場合があります。

レキのトレッキングポール
撮影:YAMA HACK編集部
②STOPラインより伸ばして使用しないこと
井原さん:STOPラインより伸ばしてしまうと、シャフトの重なる部分が少なくなるので、そこに負荷がかかると破損してしまう可能性があります。

レキのトレッキングポール
撮影:YAMA HACK編集部
③急登などで1次的に長さを変えて使いたいときは、上段を伸ばすこと
井原さん:本当は、上下バランス良く調整する方が良いのですが、ほんのちょっとの間だけ長さを変えたいときは面倒ですよね? トレッキングポールは先に向かって下段の方が細くなっています。どちらかだけを調整するなら、上段の方が負担が小さいので良いですね。左のポールが正解です。

プラスαの注意点

レキのトレッキングポールのパーツ
撮影:YAMA HACK編集部
井原さん:実はもう1つありまして、バスケットの装着です。バスケットは、岩の隙間などにポールが入ってしまったときにストッパーの役割になるのですが、バスケットをつけずに使うと、隙間の奥までポールが入ってしまって、折れたり曲がったりするので、つけた状態で使用していただいた方が良いですね。

編:石突のゴムカバーは、どうですか? 私は外して使うことがほとんどないのですが…。

井原さん:これはガイドさんでも意見が分かれるところなんですが…。滑りやすい岩場では外して、木道などでは傷つけないようにつけて使用していただければと思います。ちなみに、ゴムカバーの中に砂や泥が溜まりやすいので、メンテナンスするときは外して汚れを落としてくださいね。ゴムカバーなしで岩場で使ったり、ゴムカバーの中に汚れが溜まると、こすれて支柱がやせてくるんです。そうするとゴムカバーがすぐ取れてしまったりするんですよ。

編:そういえばゴムカバーって山でよく落ちていますよね。 使っているうちにポールの先が細くなってしまっていたからなんですね!他にトレッキングポールでよくあるトラブルってありますか?

井原さん:シャフトが空回りして固定できなくなってしまったというお問い合わせが多いですね。実はこれ、故障ではないことがほとんどなんです。

レキのトレッキングポールのシャフト
 撮影:YAMA HACK編集部
井原さん:ねじの下のところに黒い突起があるの分かりますか?

編:はい、分かります!

井原さん:オレンジのパーツが黒い突起で止まるようになっているのですが、この突起を超えて下まで行ってしまうと、いくら回しても上に戻らなくなってしまうんです。そうするとニュージョイントプラグ(緑のパーツ)が開かないので、ポールが固定できないんですね。そんな時は、オレンジのパーツを一旦黒い突起の手前まで戻してもらえれば、 空回りしなくなりますよ!

修理やメンテナンスをお願いしたい場合は?

キャラバン店舗
編:レキのトレッキングポールのメンテナンス方法と山で使用する際の注意点、とても勉強になりました。ありがとうございます! 最後に、修理をお願いしたい場合、どうしたら良いかを教えていただけますか?

井原さん:キャラバン公式サイトのお問い合わせフォームにご連絡ください。ご購入店、もしくはお近くのレキ取り扱い店でも承っています。

修理のご依頼についてはこちら

トレッキングポールはタフでいて繊細、愛情次第で長く使える!

レキのトレッキングポールで登山をする登山者 トレッキングポールのメンテナンス方法や使用上の注意点は、ポールの構造やパーツの役割と相関していることが分かりました。いくら強度が高くて丈夫でも、メンテナンスを怠れば残念な結果に。一緒に多くの山を登ったギアは愛着があるもの。より良いメンテナンスや使い方で、長く愛用したいですね。メンテナンスは『湿気を完全に取り除け!』、使用時は『横からの衝撃に注意!』が合言葉です。

次回は「LEKIのトレッキングポールの選び方」や「LEKIのトレッキングポールは値段で何が違うのか」について、ご紹介します!

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レキのトレッキングポール
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YAMA HACK編集部
YAMA HACK編集部

YAMA HACK運営&記事編集担当。登山をきっかけに自然の力に魅了される。山で飲むコーヒーが大好き。何かあれば必ず山に行き、心身共に整える。山について新しい視点を与えられるような記事作りを心がけて日々執筆活動を行う。

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