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<LEKI>直撃取材! メンテナンスしてたのに、トレッキングポールが錆びた…どうして!?(3ページ目)

正しいメンテナンスはこれだ!

レキのトレッキングポール
撮影:YAMA HACK編集部

①シャフトを3パーツにバラし、石突のゴムカバーやバスケットを外す

キャラバン井原さん
撮影:YAMA HACK編集部

②各パーツの汚れを落として、ねじ山などの細かい部分もポールを回しながら拭く

レキのトレッキングポール
撮影:YAMA HACK編集部

③ポールを縦に振って中に入ってしまった水を出したり、内部の湿気をとる

レキのトレッキングポール
撮影:YAMA HACK編集部

④緑のパーツを外して、ねじやパーツの隙間もしっかりと拭く
(※ねじ山だけはいじらない)

レキのトレッキングポール
撮影:YAMA HACK編集部

⑤ポールの中やパーツの隙間まで、立てかけてしっかりと乾かす

編:他のレキのポールも、メンテナンス方法は同じですか?

井原さん:基本は同じですね。ただ3段に折りたためるモデルは、連結コードで繋がっていて、各パーツにバラすことができないので、ややお手入れがしにくいかもしれません。伸ばして縮めてを繰り返して拭いて、重なっている部分や内部の湿気を完全に取り除くことがポイントです。しっかり乾燥させられれば、どのポールも何年使っていても錆びるということはないんじゃないかな~と思います。

持ち手のメンテナンス方法は?

レキのトレッキングポール
撮影:YAMA HACK編集部

編:ちなみに、持ち手部分はいつも特に何もしていないのですが、お手入れ方法はありますか?

井原さん:このコルク風の持ち手はEVAといって、靴のミッドソールなどで使われている加水分解のしにくい素材なので、汚れていたら中性洗剤で洗っていただいて大丈夫です。その際は、ポールの中に水を入れないように注意してくださいね。

どうやって保管をするのがベスト?

レキのトレッキングポール
撮影:YAMA HACK編集部

編:お手入れの仕方がばっちり分かりました! 今後はもっと細かい部分まで念入りに拭いて、しっかり湿気を取るようにします。 お手入れが終わった後は、どのように保管するのが良いですか?

井原さん:家の中でも湿気のないところに数日立てかけて、完全に乾かしてからセットアップして保管するのが良いですね。1本ずつにバラした方がより良いですが、パーツをなくさないようにだけ気をつけていただければと思います。ビニール袋のような通気性の悪い袋に入れて保管するのはNGです。

編:レキには付属袋がついているモデルや専用の袋がありますよね? あれに入れて保管するのは大丈夫ですか?

井原さん:付属袋やポールバッグは移動時などに便利なだけでなく、保管用にも活用できますが、保管前にはポールをしっかり乾燥させてからですね。

長持ちさせるために、実際に山で使用する際の注意点って?

キャラバン井原さん
撮影:YAMA HACK編集部

編:メンテナンスを怠る意外にも、登山中に壊してしまうこともあると思うのですが、実際に山で使うときに気をつけた方が良いことはありますか?

井原さん:レキのトレッキングポールは、他社と比べても耐荷重強度が圧倒的に高いんです。垂直荷重強度は、回して固定する『スーパーロックシステム』で140kg、ワンタッチで止める『スピードロックシステム』で60~70kg耐えられます。いずれも優れた耐荷重強度を誇ります。

編:普通に使っている分にはそうそう壊れることはないということですね!

井原さん:はい、ただ気をつけてほしいことが3つあります。

 山で使用するときに気をつけること3つ

キャラバン井原さん
撮影:YAMA HACK編集部

ポールは上下でバランス良く伸ばすこと
井原さん:レキに限らずトレッキングポールは細長い棒状なので、縦方向に強い反面、横方向にはどうしても弱いんです。上下でバランスが悪いと長い方に負担がかかり、横からの衝撃で曲がってしまう場合があります。

レキのトレッキングポール
撮影:YAMA HACK編集部

②STOPラインより伸ばして使用しないこと
井原さん:STOPラインより伸ばしてしまうと、シャフトの重なる部分が少なくなるので、そこに負荷がかかると破損してしまう可能性があります。

レキのトレッキングポール
撮影:YAMA HACK編集部

③急登などで1次的に長さを変えて使いたいときは、上段を伸ばすこと
井原さん:本当は、上下バランス良く調整する方が良いのですが、ほんのちょっとの間だけ長さを変えたいときは面倒ですよね? トレッキングポールは先に向かって下段の方が細くなっています。どちらかだけを調整するなら、上段の方が負担が小さいので良いですね。左のポールが正解です。

プラスαの注意点

レキのトレッキングポールのパーツ
撮影:YAMA HACK編集部

井原さん:実はもう1つありまして、バスケットの装着です。バスケットは、岩の隙間などにポールが入ってしまったときにストッパーの役割になるのですが、バスケットをつけずに使うと、隙間の奥までポールが入ってしまって、折れたり曲がったりするので、つけた状態で使用していただいた方が良いですね。

編:石突のゴムカバーは、どうですか? 私は外して使うことがほとんどないのですが…。

井原さん:これはガイドさんでも意見が分かれるところなんですが…。滑りやすい岩場では外して、木道などでは傷つけないようにつけて使用していただければと思います。ちなみに、ゴムカバーの中に砂や泥が溜まりやすいので、メンテナンスするときは外して汚れを落としてくださいね。ゴムカバーなしで岩場で使ったり、ゴムカバーの中に汚れが溜まると、こすれて支柱がやせてくるんです。そうするとゴムカバーがすぐ取れてしまったりするんですよ。

編:そういえばゴムカバーって山でよく落ちていますよね。 使っているうちにポールの先が細くなってしまっていたからなんですね!他にトレッキングポールでよくあるトラブルってありますか?

井原さん:シャフトが空回りして固定できなくなってしまったというお問い合わせが多いですね。実はこれ、故障ではないことがほとんどなんです。

レキのトレッキングポールのシャフト
撮影:YAMA HACK編集部

井原さん:ねじの下のところに黒い突起があるの分かりますか?

編:はい、分かります!

井原さん:オレンジのパーツが黒い突起で止まるようになっているのですが、この突起を超えて下まで行ってしまうと、いくら回しても上に戻らなくなってしまうんです。そうするとニュージョイントプラグ(緑のパーツ)が開かないので、ポールが固定できないんですね。そんな時は、オレンジのパーツを一旦黒い突起の手前まで戻してもらえれば、 空回りしなくなりますよ!

修理やメンテナンスをお願いしたい場合は?

キャラバン店舗

編:レキのトレッキングポールのメンテナンス方法と山で使用する際の注意点、とても勉強になりました。ありがとうございます! 最後に、修理をお願いしたい場合、どうしたら良いかを教えていただけますか?

井原さん:キャラバン公式サイトのお問い合わせフォームにご連絡ください。ご購入店、もしくはお近くのレキ取り扱い店でも承っています。

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トレッキングポールはタフでいて繊細、愛情次第で長く使える!

レキのトレッキングポールで登山をする登山者

トレッキングポールのメンテナンス方法や使用上の注意点は、ポールの構造やパーツの役割と相関していることが分かりました。いくら強度が高くて丈夫でも、メンテナンスを怠れば残念な結果に。一緒に多くの山を登ったギアは愛着があるもの。より良いメンテナンスや使い方で、長く愛用したいですね。メンテナンスは『湿気を完全に取り除け!』、使用時は『横からの衝撃に注意!』が合言葉です。

次回は「LEKIのトレッキングポールの選び方」や「LEKIのトレッキングポールは値段で何が違うのか」について、ご紹介します!

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