甲斐駒ヶ岳ってどんな山?
標高 | 山頂所在地 | 山域 | 最高気温(6月‐8月) | 最低気温(6月‐8月) |
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2,967m | 長野県伊那市 | 赤石山脈 | 15℃ | 1.5℃ |
南アルプスの最北に位置し、日本百名山でもある甲斐駒ヶ岳。全国に駒ヶ岳と名の付く山は20座以上もあるといわれ、その中でも筆頭と呼ぶにふさわしい名峰です。
甲斐駒ヶ岳の登山適期は?
甲斐駒ヶ岳のベストシーズンは6月下旬~10月下旬の無雪期です。特に気温が最も高くなる8月は大勢の登山者が訪れます。中級者向けの北沢峠コースから、上級者向けの黒戸尾根コースまで、バラエティに富んだルートがあるので、さまざまな登山レベルの人におすすめです。
真っ白な花崗岩の頂上
歴史ある信仰の遺物
古くから信仰と修験道の山として知られ、山梨県側の山麓には2つの駒ヶ岳神社が鎮座しています。また、登山道に建つ多くの石碑や祠、剣などからもそのことをうかがい知ることができます。
標高差2,200m!天気とルートに要注意
黒戸尾根コースでは山麓から頂上まで標高差が2,200mもあります。北沢峠コースも登山口の時点ですでに標高2,000mで、地上とは気候が違います。必ず現地の天気をチェックしましょう。甲斐駒ヶ岳の頂上付近は雲がかかりやすく、夏場でも平均気温は1ケタ台なので、ダウンやフリースを用意していきましょう。
また、ルートによっては難所もあるので、地図を事前に用意して確認してください。
てんきとくらす|甲斐駒ヶ岳
日帰りで行ける北沢峠~双児山経由コース
- 【体力レベル】★★★☆☆
- 日帰り
- コースタイム:7時間10分
- 【技術的難易度】★★★☆☆
- ・ハシゴ、くさり場を通過できる身体能力が必要
・地図読み能力が必要
北沢峠にあるこもれび山荘の脇から登山道が始まり、双児山で最初のピークを迎えた後は展望が開けて景色も楽しめるようになるルート。このルートは水場が無いため、多めに水を持っていく必要があります。
仙水小屋を経由して山頂へ!北沢峠~仙水峠コース
- 【体力レベル】★★★☆☆
- 日帰り
- コースタイム:7時間6分
- 【技術的難易度】★★★☆☆
- ・ハシゴ、くさり場を通過できる身体能力が必要
・地図読み能力が必要
コースタイムは倍!上級者向けの黒戸尾根コース
- 【体力レベル】★★★★☆
- 1泊2日
- コースタイム:14時間40分
- 【技術的難易度】★★★★☆
- ・岩場、雪渓を安定して通過できる技術が必要
・ルートファインディングの技術が必要
山梨県北杜市白州町にある「竹宇(ちくう)」または「横手(よこて)」の甲斐駒ヶ岳神社から登山が始まります。
標高差2,200mとだけあって、こんな垂直な場面も!一度少し下りますが、その後も容赦なく急登が続きます。
七丈小屋から約2時間半ほど稜線を登りきれば、甲斐駒ヶ岳の山頂です。鎖場もあるので、最後まで油断せず慎重に登りましょう。
各登山口へのアクセス
ここでは北沢峠コース・黒戸尾根コースそれぞれの登山口へのアクセスを紹介します。
北沢峠コース
【クルマの場合】
・中央自動車道「諏訪」ICー国道20号ー国道152号ー国道152号/県道16号ー国道152号ー仙流荘駐車場
・中央自動車道/西宮線「駒ヶ根」ICー県道75号ー国道153号ー市道4-32号線ー県道49号ー国道152号ー仙流荘駐車場
【公共交通機関の場合】
・JR中央本線「茅野」駅下車、JRバス関東「南アルプスジオライナー」乗車ー「仙流荘」下車、南アルプス林道バス乗車ー北沢峠
・JR飯田線「伊那市」駅下車、JRバス関東伊那バスターミナル「高遠線」乗車ー「高遠駅」下車、「長谷循環バス」乗車ー「仙流荘」下車、南アルプス林道バス乗車ー北沢峠
※長谷循環バスは平日のみの運行
伊那市|高遠線伊那市|長谷循環バス伊那市|南アルプス林道バス【高速バスの場合】
伊那高速バス…新宿、立川など各所発の高速バスで「伊那バスターミナル」下車
伊那バス|飯田・伊那 - 新宿線
黒戸尾根コース
【クルマの場合】
・中央自動車道「須玉」ICー国道141号ー県道611号ー県道612号ー国道20号ー県道614号ー尾白川渓谷 駐車場
・中央自動車道「小淵沢」ICー県道11号ー尾白川渓谷 駐車場
【公共交通機関の場合】
・JR「小淵沢」駅下車ータクシーー竹宇駒ヶ岳神社登山口
・JR「韮崎」駅下車、北杜市民バス「韮崎・下教来石線」乗車ー「道の駅はくしゅう」下車ー竹宇駒ヶ岳神社登山口
北杜市|韮崎・下教来石線
【高速バスの場合】
・毎日あるぺん号…都内から甲斐駒・黒戸尾根登山口への直通バス
毎日あるぺん号予約ページ・アルピコ交通…新宿発の高速バスで「中央道小淵沢」下車後、タクシーで登山口まで移動
アルピコ交通|茅野・諏訪・岡谷-新宿
山小屋情報
各コースの山小屋について紹介します。自分の山行予定に合わせて立ち寄ってください。
北沢峠/長衛小屋
バス停から林道を10分ほど進んだところに、2012年に建て替えられて新しくなった長衛小屋があります。黒カレーが特に好評。シャワールームや乾燥室も完備。小屋の前には北沢峠唯一のテントサイトも広がっています。
北沢峠/こもれび山荘
北沢峠バス停目の前すぐにある山小屋。焼きたてのパンが自慢の他、喫茶コーナーが充実していてケーキやスープカレーなどが食べられます。
北沢峠/仙水小屋
北沢峠から50分ほどの登山道にある山小屋。朝食は4時~4時半と早くにとることができ、食後すぐに出発すれば仙水峠での日の出を楽しむことができます。
黒戸尾根/七丈小屋
黒戸尾根の7合目にある山小屋、「七丈小屋」。コース上唯一の山小屋となります。天候の模様など、最新情報は山小屋の公式サイトをチェックしましょう!
上級者向け!仙丈ヶ岳や鳳凰三山へ
時間が許せば、甲斐駒ヶ岳だけでなく別の山にも足を延ばすコースもおすすめですよ。
南アルプスの女王・仙丈ヶ岳
日本百名山にも選ばれている仙丈ヶ岳は、全体的になだらかなコースで初心者でも登りやすい山です。標高は3,032mを誇り、初めての3,000m級の山への挑戦としてももってこい!駒ヶ岳と同じく北沢峠が起点で北の尾根を登れば甲斐駒ヶ岳、南に登れば仙丈ヶ岳です。そのため駒ヶ岳と合わせて登る人も多く、日程が許すならば1日目に仙丈ヶ岳、2日目に駒ヶ岳といったプランもGOOD!
鳳凰三山の縦走も可能!
標高2,764mの「地蔵岳」、標高2,840mの「観音岳」、標高2,780mの「薬師岳」の3つの山を合わせて「鳳凰三山」と呼び、日本百名山にも名を連ねています。山梨県南アルプス市、韮崎市、北杜市に跨り、甲斐駒ヶ岳からは南東方向に位置しています。鳳凰三山は早川尾根を挟んで甲斐駒ヶ岳とつながっているため、鳳凰三山・早川尾根・甲斐駒ヶ岳といった長期縦走もプランとして考えることができます。
甲斐駒ヶ岳があなたを待っている!!
中級者から上級者まで楽しめる甲斐駒ヶ岳。甲斐駒ヶ岳だけを目指すも良し、周辺にも名峰が広がっているので縦走するのも良し。また、複数のルートがあるので、行きと帰りを違うルートで行程を組んで楽しむのも良いでしょう。未踏の人は是非一度はトライしてみましょう!プランニングの幅が広いので、計画を立てるときからワクワクするはずです!