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涸沢だけじゃない!紅葉シーズンに泊まりたい絶景のテント場10選

涸沢だけじゃない!紅葉シーズンに泊まりたい絶景のテント場10選

もうすぐ紅葉シーズン、全国の山々が鮮やかに彩られます。そんな山中にテントを張って山肌の色彩をのんびり眺める時間は、何とも贅沢なものです。

代表的なスポットが北アルプス・涸沢カールですが、あまりの混雑にテント設営する場所探しにも苦労したり、受付やトイレが大行列になることも。

けれども、涸沢カール以外にも美しい紅葉を楽しみながら泊まることができるテント場は多数。今回は北海道から九州まで10箇所のテント場をセレクトしました。

目次

アイキャッチ画像出典:PIXTA

のんびりと紅葉登山を満喫できるテント場へ行こう!

宵闇に包まれる紅葉の立山室堂・雷鳥沢キャンプ場
出典:PIXTA(宵闇に包まれる紅葉の立山室堂・雷鳥沢キャンプ場)

紅葉登山の楽しみ方は様々ですが、錦秋の木々や秋ならではの澄んだ星空など、自然との一体感をより満喫することができる山行スタイルがテント泊です。

しかし夏山よりも見頃の期間が短く、登山者が集中しがちな季節でもあり、人気のテント場は大混雑となることも。

そこで今回は、比較的のんびりとテント泊を楽しむことができる、紅葉名所のテント場を紹介します。

①トムラウシ山|ヒサゴ沼 野営指定地

紅葉のトムラウシ山
出典:PIXTA(紅葉のトムラウシ山)

日本百名山の一座であり、大雪山の奥深くにそびえるトムラウシ山(2141m)。山頂周辺には大小の沼や湿原、日本庭園やトムラウシ公園と呼ばれる岩とハイマツや高山植物が織りなす風光明媚な景観が広がり、例年9月中旬に紅葉の見頃を迎えます。

そんなトムラウシ山の北側に位置するひときわ大きな沼がヒサゴ沼。最も近い短縮登山口からもトムラウシ山経由で約8時間、旭岳や黒岳から縦走する場合は白雲岳野営指定地などに前泊しての2泊3日のスケジュールが必要です。けれどもそのほとりに泊まれば、静かな水面に映る星空や朝焼けなど大雪山の絶景を満喫することができるでしょう

ヒサゴ沼
出典:PIXTA(紅葉のヒサゴ沼)

野営指定地には隣接してヒサゴ沼避難小屋が併設されていますが、こちらは文字通り悪天候などで緊急を要する登山者が避難するための施設。大雪山にはこうした避難小屋が点在していますが、最初からここに宿泊するという登山計画は原則NGです。基本的にはテントを持参して野営指定地で宿泊し、沼の増水や悪天候によるテント倒壊の危険性がある場合のみ、避難小屋を利用するように心がけましょう。

また北海道の山では、天然水をそのまま飲むとキタキツネが媒介するエキノコックスという寄生虫に感染するリスクがあります。一見すると綺麗な水でも必ず煮沸するか、エキノコックス除去効果のある浄水器を使用してから飲用してください。

◾️ヒサゴ沼 野営指定地
・料金:無料
・トイレ:あり(ヒサゴ沼避難小屋に併設)
・水場:あり(雪渓を水場に利用可能・要煮沸)

②火打山・妙高山|高谷池ヒュッテ テント場

紅葉の火打山と高谷池
出典:PIXTA(紅葉の火打山と高谷池)

共に日本百名山である火打山(2462m)と妙高山(2454m)の間に広がる湿原が高谷池(こうやいけ)です。例年9月下旬〜10月上旬に紅葉の見頃を迎え、火打山や妙高山の山肌が鮮やかに染まるだけでなく、高谷池の湿原も草紅葉で彩られます

そのほとりにあるのが、三角屋根がシンボルの高谷池ヒュッテです。アメリカCNN「日本の美しい風景31選」にも選定された絶景を楽しみながら宿泊することができ、テント場も併設。ここからは火打山・妙高山と並んで頸城(くびき)三山と呼ばれる活火山・焼山(2400m)も眺望できます。

高谷池ヒュッテとテント場
出典:PIXTA(高谷池ヒュッテとテント場)

高谷池ヒュッテはテント場を含めてアウトドアブランド・mont-bellが予約管理しています。テントを設営するスペースも限られているため、事前予約が必須。早めに登山計画を立てるようにしましょう。

また飲用に適した水場がないため、炊事や水分補給に必要な水は持参することが推奨されています。高谷池ヒュッテでペットボトルの水は販売していますが、在庫切れの可能性も。購入したペットボトルの空き容器も持ち帰る必要があるので、これらの条件を想定したパッキングが重要です。

◾️高谷池ヒュッテ テント場
・サイト数:約25張
・料金:1,000円/人(WEB予約の料金。電話予約の場合は+500円)
・トイレ:あり(高谷池ヒュッテに併設)
・水場:なし

③北八ヶ岳|双子池キャンプ場

紅葉の双子池
出典:PIXTA(紅葉の双子池)

八ヶ岳連峰はダイナミックな岩稜が連なる南八ヶ岳と、静かな原生林の中に神秘的な湖沼が点在する北八ヶ岳で、大きく景観が異なります。日本百名山でもある蓼科山(2531m)と北八ヶ岳ロープウェイでアクセス至便な北横岳(2480m)の間にたたずむ双子池も、北八ヶ岳の魅力が凝縮された池です。

双子池は文字通り、北側の雌池と南側の雄池の2つから構成されています。池畔にはナナカマドやダケカンバなどが自生しており、例年9月下旬〜10月中旬頃に紅葉の見頃を迎えます。水辺に映り込むカラフルな木々は、秋ならではのひときわ美しい景観を作り上げます

雌池と雄池の中間に山小屋・双子池ヒュッテが建っています。テント場は雌池の北岸に位置しており、山小屋から少し離れている分、静かな夜を過ごすことができるでしょう。昼間は紅葉を映していた水面が、夜には満天の星空を投影する絶景を楽しみましょう。

テント場の利用は双子池ヒュッテに事前予約が必須。ヒュッテが宿泊営業しない月曜日(祝日除く)と定休日となる火曜日も宿泊できませんが、夏〜秋は無休期間もあるので要チェック。16時までの到着、雌池西岸の砂浜はテント設営禁止、ゴミの持ち帰りなどのルールも設定されているので、マナーを守って利用しましょう。

◾️双子池キャンプ場
・サイト数:テント約35張(増水時は減少する可能性有)、ハンモック6張(宿泊サイト)
・料金:1,000円/人+テント・ハンモック500円/1張(10:00〜翌10:00)
 ※アーリーチェックイン
 (6:00〜10:00)+1,000円/人
 ※レイトチェックアウト
 (〜14:00)+1,000円/人
・トイレ:あり(双子池ヒュッテに併設)
・水場:あり(双子池ヒュッテに併設)

④北八ヶ岳・白駒池|青苔荘 テント場

紅葉の白駒池
出典:PIXTA(紅葉の白駒池)

双子池以上に駐車場・バス停からのアクセスが良いのが白駒池。標高2115m地点にあり標高2100m以上の湖としては日本最大の天然湖です。周囲のトウヒ・シラビソ・コメツガなどの原生林は、519種類もの苔に覆い尽くされており、日本蘚苔類学会より「日本の貴重なコケの森」に選定されています。

そんな白駒池の周囲に自生するドウダンツツジ、ナナカマド、ダケカンバなどの木々は、例年9月下旬〜10月上旬になると赤や黄色に色づき、普段は緑一色の池畔を色鮮やかに染め上げます。原生林の苔が織りなす幻想的な風景と、カラフルな紅葉風景を一度に味わうことができるのです。

青苔荘のテント場
出典:PIXTA(青苔荘のテント場)

白駒池の畔には、西岸の白駒荘と北岸の青苔(せいたい)荘という2軒の山小屋がありますが、テント場が併設されているのは青苔荘です。テント泊とはいえ6月~10月下旬までは青苔荘で焼肉丼・焼き鳥丼・カレーライスの3種類の夕食を販売。自炊に慣れていないテント泊初心者には嬉しいサービスです。

利用にあたっては、山小屋予約サイト・YamatanからのWEB事前予約が必須となります。早めにテントを設営してベースキャンプとしてニュウ(2352m)などに登るのもおすすめですが、利用時間によって宿泊料金が変動してくるので、予約時に確認しましょう。

◾️青苔荘 テント場
・サイト数:約60張
・料金:大人1,500円/人、子供900円/人(14:00〜翌9:00)
 ※早めのテント設営
 (6:00〜9:00)大人+1,000円、子供+850円
 (9:00〜13:00)大人+800円、子供+650円
 ※チェックアウト日のテント撤収延長
 (〜12:00)大人+800円、子供+650円
・トイレ:あり(青苔荘に併設・初回200円)
・水場:あり

⑤金峰山・瑞牆山|富士見平小屋 テント場

金峰山の稜線から見た紅葉の瑞牆山
出典:PIXTA(金峰山の稜線から見た紅葉の瑞牆山)

奥秩父の日本百名山として、共に人気を誇る金峰山(2599m)と瑞牆山(2230m)。10月上旬〜中旬にかけては山肌の広葉樹が赤やオレンジに色付きハイマツの緑とのコントラストが見事、10月下旬にはカラマツの黄葉が見事です。

様々な登山ルートからそれぞれを日帰りで登頂することも可能ですが、中間にある富士見平小屋に併設されたテント場から、この2座を往復するのも効率的です。最寄りの登山口・瑞牆山荘からのコースタイムは1時間弱。この区間だけテント・寝具・炊事用具などを背負えば、金峰山・瑞牆山のベースキャンプが出来上がりです。

富士見平小屋テント場
出典:PIXTA(富士見平小屋テント場)

テント場となる富士見平はカラマツ林の中の広大なスペースに広がっているので、事前予約は不要。テント泊料金は富士見平小屋へ支払いますが、休館日は小屋のドアに設置されている料金箱にお金を入れてください。トイレの利用料金も込み、テント撤収も翌日の登山後でOKと自由度が高いテント場。消灯時間である20:30は厳守して利用しましょう。

なお金峰山・瑞牆山の2座をめざすのであれば、初日のテント設営後に比較的コースタイムが短い瑞牆山を、翌日に金峰山を往復してから、テントを撤収して瑞牆山荘へ下山するのがおすすめです。

◾️富士見平小屋 テント場
・サイト数:約250張
・料金:2,000円/人(ウッドデッキ利用は1張+500円)
・トイレ:あり
・水場:あり

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