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涸沢だけじゃない!紅葉シーズンに泊まりたい絶景のテント場10選(2ページ目)

⑥尾瀬ヶ原|見晴キャンプ場

紅葉の尾瀬ヶ原
出典:PIXTA(紅葉の尾瀬ヶ原)

初夏のミズバショウや夏のニッコウキスゲで知られる本州最大規模の高層湿原・尾瀬ヶ原は、紅葉も見事です。東西にそびえる日本百名山の至仏山(2228m)・燧ヶ岳(2356m)では例年9月上旬から紅葉が始まり、湿原の草紅葉は例年9月中旬〜下旬が見頃。湿原内を流れる川沿いの拠水林(きょすいりん)もカラフルに紅葉します。

日帰りで訪れる人も多い尾瀬ヶ原ですが、やはりその魅力は宿泊して堪能したいものです。特に秋は晴天率が高く空気が澄んでいるため、満天の星が瞬く夜空が美しい季節です。

見晴の山小屋の灯と星空
出典:PIXTA(見晴の山小屋の灯と星空)

尾瀬のキャンプ指定地は山ノ鼻・見晴・尾瀬沼東岸の3ヶ所となります。どのキャンプ指定地も魅力的ですが、尾瀬の真ん中に位置しており、6軒の山小屋が集中している見晴キャンプ場は、特に開放感があっておすすめ。環境省の管轄で、燧小屋が管理を委託されています。事前予約は不要ですが、必ず燧小屋で受付手続きをしてください。

夜の星はもちろん、至仏山と暮れなずむ夕空、燧ヶ岳をシルエットした朝焼けなど、刻々と移り変わる空の表情を間近に感じ取ることができるのはテント泊ならでは。朝晩と日中の気温差が大きい秋は、幻想的な朝もやを見るチャンスも高まりますよ。

◾️見晴キャンプ場
・サイト数:約100張
・料金:1,000円/人
・トイレ:あり(有料)
・水場:あり

⑦北アルプス・白馬乗鞍岳|白馬大池山荘 キャンプ場

紅葉の白馬大池
出典:PIXTA(紅葉の白馬大池)

白馬連峰を背景に草紅葉の湿原が広がる栂池自然園から、天狗原の湿原を経由して約2時間あまり。ゴーロ帯になっている白馬乗鞍岳(2469m)から下った場所にあるのが白馬大池です。北アルプスでは風吹大池に次いで2番目の大きさを誇る湖で、例年9月下旬〜10月上旬に紅葉の見頃を迎えます。

池畔にはナナカマドの木が多く真紅に色付き、また周辺の草原はチングルマの赤い葉と白い穂のコントラストが印象的。さらに小蓮華山(2766m)へと向かう稜線も、ウラシマツツジの赤い葉で彩られて緑のハイマツとのコントラストが見事です。

白馬大池山荘とテント場
出典:PIXTA(白馬大池山荘とテント場)

そんな白馬大池のほとりに佇むのが白馬大池山荘です。こじんまりとした赤い建物前の広場がテント場になっており、朝夕の空を映し出しクロサンショウウオも棲息する静かな水面のほとりで、のんびり過ごす贅沢な時間が魅力です。

基本的には要事前予約で予約なしの宿泊には追加料金が発生します。白馬岳周辺の山小屋を多数運営している白馬館グループの山小屋なので、白馬連峰・後立山連峰縦走の際に前後泊する山小屋・テント場と一括して予約するのがおすすめです。

◾️白馬大池山荘 キャンプ場
・サイト数:約30張
・料金:2,000円/人+2,000円/1張(予約なしの場合追加料金2,000円)
・トイレ:あり
・水場:あり

⑧北アルプス・立山|雷鳥沢キャンプ場

紅葉の立山連峰
出典:PIXTA(紅葉の立山連峰)

立山黒部アルペンルートで標高2450mの室堂までアクセス可能で、雄大な立山連峰やミクリガ池・ミドリガ池の神秘的な水鏡などの絶景を見ながら、石畳の遊歩道を歩いて約1時間の場所にあるのが雷鳥沢キャンプ場です。

立山室堂周辺の紅葉の見頃は、例年9月中旬〜10月上旬。ナナカマドの赤・ダケカンバの黄色に常緑樹のハイマツがコントラストとなり池塘周辺の草紅葉も金色に輝く絶景は、涸沢カールに勝るとも劣らない北アルプスの絶景紅葉スポットです。

雷鳥沢キャンプ場
出典:PIXTA(雷鳥沢キャンプ場)

そんな絶景のど真ん中に位置するのが雷鳥沢キャンプ場。ここをベースキャンプとして立山連峰の名峰へと、足を延ばすことができます。キャンプ場の中心にある雷鳥沢野営管理所で受付すれば、事前予約は不要。かなり広いテント場ですが、紅葉シーズンをはじめ混雑期には、早めの到着・設営が賢明です。

また雷鳥沢の南にある地獄谷は、今なお噴煙を上げる火口群。室堂へ戻る途中にある雷鳥沢ヒュッテ・みくりが池温泉・雷鳥荘では、室堂直下にある地獄谷から湧き出した源泉かけ流しの湯を、日帰り入浴でも楽しむことができますよ。

◾️雷鳥沢 キャンプ場
・サイト数:約300張
・料金:1,000円/人(小学生以下無料)
・トイレ:あり
・水場:あり

⑨南アルプス・北岳|白根御池小屋 テント場 

北岳の紅葉
出典:PIXTA(北岳の紅葉)

日本第2位の高峰である北岳(3193m)は例年9月下旬から10月上旬に紅葉が見頃を迎え、運が良ければ初冠雪した山頂や稜線、紅葉の木々に染まる中腹、緑の森に包まれた山麓という「三段紅葉」を見ることができる年もあります。

そんな北岳のメインの登山口である広河原から約3時間、樹林帯を抜けた場所にあるのが白根御池です。ここから見上げる北岳はバットレスと呼ばれる大岩壁が正面にそびえており、あらためて登頂意欲が掻き立てられることでしょう。

白根御池
出典:PIXTA(白根御池)

池のほとりには、白根御池小屋とテント場があります。ここを初日の宿泊地として、翌日に北岳肩の小屋や北岳山荘など稜線上の山小屋に泊まる2泊3日のスケジュールを組めば、無理のない行動時間と緩やかな高所順応が可能で、初めての北岳登山にもおすすめです。

テント場は南アルプス山岳観光予約システム・南ぷすリザーブからのWEB事前予約が必要。またこちらも事前に予約すれば、白根御池小屋に食事のみを提供してもらうことも可能です。標高差の大きな北岳登山、調理器具・燃料・食糧など少しでも軽量化できるので利用してもよいでしょう。

◾️白根御池小屋 テント場
・サイト数:約80張
・料金:大人1,000円/人、子供500円/人(未就学児無料)
・トイレ:あり(仮設トイレ。宿泊棟のトイレは利用不可)
・水場:あり

⑩くじゅう連山|坊ガツルキャンプ場

大船山の御池
出典:PIXTA(大船山の御池)

九州本土最高峰・中岳(1791m)をはじめとして、標高1700m級の山が連なり「九州の屋根」とも呼ばれているのがくじゅう連山。初夏に咲くピンクのミヤマキリシマが人気ですが、例年10月下旬〜11月中旬の紅葉も色鮮やかで、多くの登山者が訪れます。

中でも日本三百名山・九州百名山にも選定されている大船山(たいせんざん・1786m)の山頂直下にある御池は、大船山の火口跡でただひとつ水をたたえている景勝地。その神秘的な水面を色鮮やかな紅葉の山肌が取り囲む絶景は、フォトスポットとしても人気があります。

坊ガツルキャンプ場
出典:PIXTA(坊ガツルキャンプ場)

そんなくじゅう連山の山間、標高約1230mに広がる珍しい中間湿原(雨水と地下水の両方を水源とする湿原)が、坊ガツルです。北西の長者原に位置する同じく中間湿原のタデ原湿原と共に、湿地の保全・再生などを目的とした国際条約・ラムサール条約に登録され、野焼きなどの維持管理が行われています。

坊ガツルにはキャンプ場があり、予約不要の広々とした草原でテント泊を楽しむことが可能。雷雨などの緊急時に一時退避する避難小屋(宿泊は不可)や、水場を備えた炊事棟、トイレなどが整備されています。草原の火災防止のためテント場での直火の調理は禁止なので炊事棟を利用すること、草が刈られている防火帯にはテントを設営しないこと、ゴミの持ち帰りなどマナーを徹底しましょう。

◾️坊ガツルキャンプ場
・サイト数:約1500張
・料金:無料
・トイレ:あり
・水場:あり(炊事棟)

秋のテント泊は防寒対策をしっかりと

紅葉時期は降雪のリスクも
出典:PIXTA(紅葉時期は降雪のリスクも)

美しい紅葉シーズンですが、実際には冬との境目です。緯度・標高・天候などの条件次第では、雪が降ったり氷点下まで気温が下がったりするテント場もあります。3シーズン用のシュラフであれば快適使用温度や下限温度をしっかりチェックしておかないと「寒くて眠れない」ということも。

もちろん防寒性のあるミドルレイヤーをはじめ、ウェアも低温環境に対応したものが必要。しっかりとした準備で、快適な紅葉テント泊を楽しんでください。

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