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絶景の紅葉なら「涸沢カール」!

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涸沢カールは、北アルプス穂高岳の長野県側中腹・標高2,300mに位置し、憧れを抱く登山者も多くいる人気の高いスポット。
ここは奥・北穂高岳への登山起点となる場所で、上高地から歩いて約6時間かかるので1泊を要します。秋には一面紅葉で鮮やかに色付き、絶景を見ることができる紅葉の名所でもあります。

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秋になると、この椀状の地形全体が赤やオレンジ、黄色と鮮やかに染まり、息をのむ絶景が見られます。涸沢カールは季節によって実に様々な顔を見せてくれるので、毎シーズン来てみたくなりますね!
紅葉の見ごろはいつ?

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ダケカンバやナナカマドの紅葉が見られる涸沢カール。例年、9月半ばから色付き始め、見頃を迎えるのは9月下旬~10月上旬頃となります。以前は、9月下旬に最も美しい見頃を迎えていましたが、近年は10月初旬に迎える傾向にあるようです。最新情報は山小屋の情報を随時チェックしましょう!
涸沢ヒュッテ|公式サイト 涸沢小屋|公式サイト涸沢カールまでの登山コース
ここでは上高地から涸沢カールまでの代表的なコースを紹介します。
涸沢カールへの1泊2日コース
合計距離: 32.3 km
最高点の標高: 2313 m
最低点の標高: 1511 m
累積標高(上り): 3715 m
累積標高(下り): -3715 m
- 【体力レベル】★★★★☆
- 1泊2日
- コースタイム:11時間20分
- 【技術的難易度】★★★☆☆
- ・ハシゴ、くさり場を通過できる身体能力が必要
・地図読み能力が必要
ルート概要(往復)
【1日目】上高地バスターミナル(60分)→明神分岐(60分)→徳沢(70分)→横尾(60分)→本谷橋(120分)→涸沢(泊)
【2日目】涸沢(70分)→本谷橋(50分)→横尾(70分)→徳沢(60分)→明神分岐(60分)→上高地バスターミナル
涸沢カールへ向かうには、6時間しっかり歩ける体力が必要です。3時間ほど歩いたコース中盤の横尾からは本格的な登りが始まります。体力に不安がある人や山を歩き慣れていない人は無理をせず横尾山荘で1泊し、翌日涸沢カールへ向かう行程も考えましょう。
上高地~徳沢|紅葉と梓川のコントラストを楽しんで

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秋深まる上高地の空気を胸いっぱいに、上高地バスターミナルを出発!よく整備された道を紅葉で彩られた梓川に沿って上流方向へ向かいます。紅葉に染まる穂高連峰の雄姿を左手側に眺めることができますよ。

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河童橋付近から見られる、紅葉に染まる穂高連峰。梓川の清流と雄大な峰々の美しい姿を楽しめます。

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上高地バスターミナルから約1時間、明神分岐に辿り着くと明神館が見えます。上高地はじまりの地とも言われる明神にある個人客主体の一軒宿で、目の前に明神岳を仰ぎ見ることができます。部屋は基本的に和室で、食事喫茶や売店も併設されています。

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川沿いに立つ赤みがかった黄色に染まるカラマツも見事です。

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進行方向左手側には、紅葉で鮮やかに染まる明神岳や前穂高の聳える姿が見られます。

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明神分岐からさらに1時間、洋風のおしゃれなラウンジやダイニング、談話コーナーが特徴の徳澤園が建っています。広々と使える浴場は英気を養うのにぴったりで、シックな洋室や落ち着いた内装の和室、遊び心のある相部屋に泊まれます。喫茶のテラス席から観望する穂高連峰も◎。施設向かいにはキャンプ場があり、テントのレンタルも行われています。
徳沢~涸沢|北アルプスらしい岩稜帯と紅葉の共演

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徳沢付近から見た北尾根の美しい姿。周囲の紅葉と見事にマッチし、歩みを止めて見惚れてしまいそうです。

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紅葉で彩り豊かな道をハイキング気分で進みます。

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梓川に沿って上流へ登っていき、いよいよ本格的な登山コースに入る地点・横尾に着くと、横尾山荘やキャンプ場の姿が見えてきます。二段ベッドの客室が23室あり、浴場や乾燥室、売店、食堂を完備した山荘です。横尾山荘オリジナルの手ぬぐいやバッジが人気!

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横尾大橋を渡ると、いよいよここから本格的な登山がスタートします。進行方向に穂高連峰の主稜線が見えます。

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橋を渡って横尾谷を進んでいくと、左手に屏風岩が姿を現します。氷河によって削られた谷の側壁にあたり、ロッククライミングのゲレンデとして人気が高いスポット。

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秋の横尾谷は色とりどりの木々が出迎えてくれ、涸沢カールまで飽きることなく紅葉の景色を楽しみながら歩を進められます。

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涸沢カールが見えてきました。あともう一息!

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長時間歩いてきた疲れが一瞬で吹き飛ぶほどの絶景が待っていますよ。
ITEM
山と高原地図 槍ヶ岳・穂高岳 上高地
発行元:昭文社
涸沢カールでの宿泊は山小屋かテントで
涸沢カールで1泊して、次の日下山する計画。涸沢では山小屋かテントでの宿泊になります。利用できる山小屋をご紹介。
涸沢ヒュッテ

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1部屋3~12人収容の相部屋が基本です。ヒュッテからは涸沢カールの全景が楽しめます。売店名物おでんが人気!
※2020年度の小屋宿泊は完全予約制(テント場は予約不要)
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美しい涸沢カールの紅葉を眺めながら、売店の名物「おでん」とビールで一杯ぐいっと。きっと疲れも吹き飛ぶはず!宿泊しない人もいただけますよ!
涸沢ヒュッテ|公式サイト ▼涸沢ヒュッテについて詳しく調べる涸沢小屋

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ヒュッテよりもやや高い位置にあり、涸沢カール全体を見渡せます。南側斜面にあるので、部屋が明るいのが特徴。部屋は、約10室ある相部屋が基本です。予約は宿泊の2ヶ月前から可能。
※2020年度の小屋宿泊は基本予約が必要。ただし空きがあれば可能(前日までに予約をしていない場合は+1,000円の追加料金が必要です)
撮影:YAMA HACK編集部
ビールにもつ煮やおでんの定番セットを用意したら、いざ大展望テラスへ!紅葉の涸沢カールを楽しみながらおいしくいただきましょう!
涸沢小屋|公式サイト ▼涸沢小屋について詳しく調べるテント泊は幕営場中央の受付で申し込もう

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テント泊の受付はテント場中央にある受付で14時・15時頃~17時に行われています。幕営料は1人1泊1,000円。
※2020年はレンタルテントはなし。テント宿泊者への食事の提供は外売店の軽食のみ。どんな服装で行けばいいの?

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涸沢カールは北アルプスの2,300mを超える位置にあり、時期は9~10月、片道6時間超の山行となります。トレッキングではなく、しっかりとした秋の登山装備で臨まなければなりません。
まず、汗冷えを防ぐため、乾きやすい化繊素材の吸汗速乾Tシャツをベースレイヤーに、薄手の長袖シャツや山シャツを着こみましょう。さらに薄手のフリースや防風ジャケット、レインウェアもプラス。行動中に着脱しやすいものが◎。下は、中厚のパンツが最適です。
▼登山の服装について詳しく調べるハイシーズンは混雑します!

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小屋・テント場ともに、9月に入ると金・土・日のような休日や休日の前日はまず混雑が予想されます。紅葉の見ごろを迎える9月下旬~10月上旬は連日かなりの混雑となり、小屋では1枚の布団で2、3人が一緒となることもあります。
また、予約している人も、到着順で部屋に案内されるという形となります。日程決めは以下の空室状況を参考にしましょう。
涸沢ヒュッテ|2020年空室状況上高地までのアクセス
クルマの場合
自然環境保護のため上高地へのマイカー規制されています。釜トンネルから自家用車・二輪車の乗り入れはできませんので、沢渡(さわんど)駐車場(長野側)またはあかんだな駐車場(岐阜側)でバスかタクシーに乗り換えてください。
【沢渡駐車場利用の場合】 長野道「松本」IC→国道158号線を→「沢渡駐車場」に駐車→シャトルバスまたはタクシーに乗換え
【あかんだな駐車場利用の場合】 中部縦貫自動車道「高山」IC→国道158号線→「あかんだな駐車場」に駐車→シャトルバスまたはタクシーに乗換え。
公共交通機関の場合
【長野側からの場合】 ①JR「松本」駅→バス・タクシーに乗換え
②JR「松本」駅→松本電鉄「新島々」駅→バス・タクシーに乗換え
アルピコ交通|松本・新島々〜上高地 【岐阜側からの場合】 ①JR高山駅→バス・タクシーに乗換え
濃尾バス|上高地線直行バスの場合
新宿、東京、大阪、名古屋の各都市から直行バス(さわやか信州号)が運行しています。詳しくは以下のホームページでご確認ください。
アルピコ交通|さわやか信州号見事な紅葉で人気の高い絶景スポット「涸沢カール」へ!

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四季折々の美しい景色を見せる涸沢カールは、登山者にとってあこがれのスポットでもあり、人気の高い名所。そして、特に秋には見事な紅葉の絶景を楽しむことができます。
1泊2日の行程や片道6時間と、しっかりした装備が必要で簡単に行けるところではありませんが、涸沢カールに立ったとき、きっと嬉しさもひとしおのはず!混雑が予想されるので、前もってしっかり計画を立てましょう!
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