まずは尾瀬の位置を確認してみよう
尾瀬は、群馬県,福島県,新潟県にまたがる日本最大の高層湿原です。尾瀬の中心となる尾瀬ヶ原や尾瀬沼は、百名山である燧ケ岳や至仏山に囲まれています。2007年(平成19年)8月30日には、それまで日光国立公園の一部だったのを分離独立し尾瀬国立公園(栃木県の一部も含む)として指定されました。歩きやすい木道、春から秋にかけて見られる美しい自然、関東エリアからのアクセスの良さは、人々を魅了し続け、年間30万~40万人が訪れています。
YAMA HACK編集部 尾瀬おすすめハイキングコース
尾瀬ヶ原から見る燧ケ岳尾瀬のハイキングは、清々しく快適。今回は、尾瀬の中でも最もポピュラーな日帰りで行ける鳩街峠から尾瀬ヶ原のハイキングルートをご紹介します。
【鳩街峠から尾瀬ヶ原周遊 コース概要】
●歩行距離:16.8km
●参考コースタイム 所要時間計約8時間(休憩含む)
尾瀬戸倉発6:30(バス)→鳩待峠着7:05→鳩待峠発7:15→山の鼻着8:15→山の鼻発8:30→牛首分岐着9:15→牛首分岐発9:30→ヨッピ橋着10:20→ヨッピ橋発10:30→竜宮十字路着11:00→(お弁当休憩)竜宮十字路発12:00→牛首分岐着12:40→牛首分岐発13:00→山の鼻着13:40→山の鼻発14:00→鳩待峠着15:30
※コースタイムは登山経験や体力、天候などによって変わります。ご自身の体力にあわせた無理ない計画をたて、登山を楽しみましょう。
●参考服装:帽子、長袖シャツ、サポートタイツ、短パン、ハイキング用靴下、トレッキングシューズ(足首まであるもの)、薄手ダウン、雨具上下、リュック(30ℓ)
●マップ
【コース詳細】
■鳩待峠
鳩待峠へのアクセスは、シーズン中マイカー規制のため、車の場合は、尾瀬戸倉にある駐車場に車を駐車してバス或いは乗り合いタクシーに乗って鳩待峠まで行きます。
※マイカー規制に関する情報はこちら(サイト内の”鳩待峠口交通規制”をクリック)
※尾瀬へのアクセス情報はこちら
鳩待峠にある休憩所。トイレや売店があり準備をしてからハイキングを始めましょう。帰りの際は、ここでバスのチケットが購入できます。
鳩待峠のバス乗り場
■鳩待峠~山の鼻
初めは下りの階段からスタート。その後は、ほぼ平坦な木道歩きが続き、1時間ほどで山の鼻に着きます。
連休中は多くのハイカーで賑わいます。
早朝・夕方にツキノワグマが頻繁に目撃されています。熊よけの鐘を鳴らして通過します。念のためYAMAHACK取材班もザックに熊鈴をつけながら歩行していました。
※熊に出会った場合の対処法や熊情報はこちら
■山の鼻
山の鼻には、至仏山荘、尾瀬ロッジのほか、尾瀬の情報が得られる山の鼻ビジターセンターがあります。至仏山荘や尾瀬ロッジでは宿泊や軽食をとることもできます。山の鼻にはトイレやベンチもありますので、尾瀬ヶ原を歩く前に休憩するといいでしょう。(※尾瀬ヶ原は携帯電話がつながりませんでした。)
尾瀬ヶ原の玄関口、山の鼻にある至仏山荘
山の鼻にある平らで水場もある快適なキャンプ場
■山の鼻~牛首分岐
山の鼻で、至仏山登山路と尾瀬ヶ原方面の分岐があります。指導票に従い、尾瀬ヶ原方面へ行きましょう。
要所には指導標があり、わかりやすいです
尾瀬ヶ原に点在する池塘。草紅葉が色づいてきました
池塘の水面に写る燧ケ岳。風がなければ、水面にくっきり燧ケ岳が浮かび、逆さ燧が見られます。
■牛首分岐~ヨッピ橋
山の鼻から尾瀬ヶ原方面に木道を歩いて約40分のところに牛首分岐があります。ベンチもあるので休憩できます。時間的に余裕がない場合や調子次第では、牛首分岐から山の鼻へ引き返しましょう。牛首分岐からヨッピ橋へも快適な木道歩きが続きます。(※雨の日は通行止めになることもあります。)

■ヨッピ橋~竜宮十字路
ヨッピ橋から竜宮十字路へは、燧ケ岳が間近に迫り迫力があります。
取材中、ヨッピ橋から竜宮十字路を歩いている間、牡鹿が尾瀬ヶ原を疾走していきました。大自然の中なので思わず野生動物に遭遇したりします
午後の陽光がさしこみヤマドリゼンマイが黄金の絨毯のように輝きます
■竜宮十字路
竜宮十字路からは山の鼻方面に向かって戻ります。竜宮十字路にはベンチもあるので、お弁当休憩をとるのに最適です。足の疲労感も出てくるので長めに休憩し、足元に気をつけながら鳩待峠へ戻りましょう。尾瀬戸倉に帰るバスの時間もあるので、時間配分に気をつけましょう。※バスの時刻表はこちら
尾瀬をもっと知ろう!
【尾瀬ヶ原の特徴】尾瀬の湿原は、約8000年前から形成されてきたと言われています。この湿原の下はどうなっているかというと、泥炭(低温・加湿のため枯れた植物が分解されず堆積してできる)が積み重なり、現在も1年に約0.8ミリずつ堆積されているようです。貴重な湿原を保護するためにも木道が整備され、湿原の立ち入りやごみの放置、ペットの連れ込みなどは堅く禁止されています。
【尾瀬の魅力】
今回ご紹介したコースは、日帰りでも行けますが、早朝に歩き始め、バスの時間があるので夕方に鳩待峠まで戻らなければなりません。尾瀬は雄大で見どころもたくさんあるので、日帰りではもったいない!という方は、山の鼻や尾瀬ヶ原に点在している山小屋やキャンプ場で1泊して尾瀬を満喫するのもおすすめです。宿泊すると、至仏山に沈む夕焼けや早朝尾瀬ヶ原に出現する幻想的な朝もやが見ることができ、カメラのシャッターが止まりませんよ!宿泊した人しか見られない景色がそこにはあります!
尾瀬の魅力は秋だけではなく、早春の水芭蕉、初夏のワタスゲ、夏のニッコウキスゲと季節ごとに美しい自然美を私たちに見せてくれます。そんな魅力たっぷりの尾瀬は、人生に一度は訪れたい絶景スポットです。
Let’s Go Oze!
尾瀬へ行こう!