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日本百名山・鳥海山に登ろう!

鳥海山は、新山(2,236m)がもっとも標高の高い地点です。そこを取り囲むように多くの登山口が存在するため、さまざまなレベルの豊富な登山コースがあり、自分に合ったコース取りができる点が魅力といえます。
鳥海山の登山口
こんなに多くの登山口が存在する鳥海山。今回は、9つの登山口から始まるコースを「山形県側」「秋田県側」に分けて、さらに厳しい順・レベル順に紹介していきます!
もっと鳥海山について知りたい!詳細情報や見どころ、周辺施設にかんしては下記をチェックしましょう。
鳥海山の天気と地図をチェック
鳥海山に登る前に天気をチェックしましょう。また、事前に地図を用意してルートを確認してください。
鳥海山のふもと(にかほ市)の10日間天気
日付 | 09月11日 (木) | 09月12日 (金) | 09月13日 (土) | 09月14日 (日) | 09月15日 (月) | 09月16日 (火) | 09月17日 (水) | 09月18日 (木) | 09月19日 (金) | 09月20日 (土) |
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天気 | ![]() 雨のち曇 | ![]() 晴 | ![]() 曇一時雨 | ![]() 雨のち曇 | ![]() 曇時々晴 | ![]() 晴時々曇 | ![]() 晴時々曇 | ![]() 雨時々曇 | ![]() 曇時々晴 | ![]() 曇 |
気温 (℃) | 27 22 | 29 21 | 28 22 | 27 25 | 29 23 | 29 23 | 29 22 | 25 23 | 26 20 | 25 20 |
降水 確率 | 60% | 20% | 70% | 100% | 40% | 20% | 40% | 90% | 40% | 30% |
データ提供元:日本気象協会
鳥海山の登山指数
日付 | 09月11日 (木) | 09月12日 (金) | 09月13日 (土) | 09月14日 (日) | 09月15日 (月) | 09月16日 (火) |
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登山 指数 |
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登山指数の留意点
登山をするための快適さを、山頂や山麓の気象条件から、気象学的知見を用いて登山指数A~Cで表現をしています。降水量、風速、雲量などを総合的に考慮し、気象条件を独自計算したものです。
ただし、以下のリスクは含まれておりません。
- 雷の発生の可能性
- 前日の天気による道のぬかるみ
- 局地的大雨
- 土砂災害の発生の可能性
- 雪崩の発生の可能性
- 噴火の可能性
- 積雪の有無
- 濃霧
- 低温または高温
- 虫やヒルなどの発生状況
山の天気は大きく変わりやすいため、登山指数はあくまで目安としてご利用頂き、最新の気象データや天気図、各登山道情報をご確認ください。
なお、本情報に基づいた行為において発生したいかなる人物の負傷・死亡、所有物の損失・損害に対する全ての求償の責は負いかねます。ご了承下さい。
データ提供元:日本気象株式会社
鳥海山周辺の山と高原地図
昭文社 山と高原地図 鳥海山・月山 羽黒山 2025
【秋田県側】登山コース4つ
秋田県側からは最もメジャーな鉾立コースをはじめ、計4つのコースが。どのコースも展望が開けているので、景色を楽しみながら楽しく登ることができます。
もっともポピュラー鉾立ルート【象潟口】
最高点の標高: 2198 m
最低点の標高: 1141 m
累積標高(上り): 2073 m
累積標高(下り): -2073 m
コース概要
鉾立 (80分) → 賽ノ河原 (40分) → 御浜小屋分岐(30分) → 御田ヶ原分岐(30分) → 七五三掛(100分) → 御室(10分) → 分岐(10分) → 新山[鳥海山](5分) → 分岐(5分) → 御室(80分) → 七五三掛(20分) → 御田ヶ原分岐(30分) → 御浜小屋分岐(30分) → 賽ノ河原(60分) → 鉾立
コース全体を通して見晴らしが良く、眺望を満喫できるメジャーコースです。登山道は良く整備され道幅も広く、歩を進めるにつれ背には水平線まで見渡せる日本海、前方には鳥海山最高峰の新山や七高山、それらを取り巻く外輪山などが織り成す絶景が楽しめます。

象潟口の登山道は道路に面し、近くには山荘やビジターセンターなど立ち寄り場所もあります。

最初のチェックポイントである賽ノ河原まで来ると、鳥海山特有の雄大な景色が広がります。

鳥海山のシンボルでもある鳥海湖。湖の周囲にはハイキングできる周回コースもあります。また、高山植物のお花畑もあり、ハクサンシャジンやハクサンフウロ、クルマユリをはじめ、鳥海山固有種のチョウカイフスマやチョウカイアザミの姿も見られます。

鳥海湖の畔を過ぎ、しばらくすると千蛇谷と外輪山への分岐に到着。この前後からガレ場が増え、山頂に近づくにつれ岩場となります。
往路は千蛇谷を、復路は外輪山を歩くのもGOOD!千蛇谷には夏でも雪渓が残っており、山肌を彩る姿が見られます。千蛇谷をぐるりと取り囲む外輪からは遥か先まで見渡せる眺望が味わえます。

御室小屋は宿泊地としてとても便利。ここまでくれば山頂はすぐそこです。

山頂に着けば、絶景の大パノラマを見ることができます。日本海と庄内平野のコラボレーションをぜひ楽しんでください。
秋田県側でもっとも歴史の古いルート【矢島口】
最高点の標高: 2203 m
最低点の標高: 1176 m
累積標高(上り): 1635 m
累積標高(下り): -1635 m
コース概要
祓川(90分) → 康ケルン((60分) → 氷ノ薬師(60分) → 七高山(10分) → 新山・外輪分岐(20分) → 分岐(10分) → 新山[鳥海山](5分) → 分岐(25分) → 新山・外輪分岐(10分) → 七高山(40分) → 氷ノ薬師(40分) → 康ケルン(60分) → 祓川
5合目の祓川まで舗装道路が通り、標高1,200mから登山スタート。積雪量が豊富なコースで、4月下旬の春頃からサマースキーに訪れる人がたくさんいます。
夏でも雪渓の姿を各所で見られ、7月中旬までは半分以上が雪渓。真夏でも雪渓をトラバースする場合があるため軽アイゼンが必要です。

スタート地点には木道の整備された竜ヶ原湿原が広がり、ハイキングに最適です。珍しい高山植物もたくさん目にでき、登山道から逸れて散策路を行けば見ごたえのある滝もあります。賽の河原を過ぎると雪渓が姿を現し、いくつもの雪渓をトラバースしながら登っていきます。

道中、雪渓が山肌の緑とコントラストになっている美しい姿が見られます。

七ツ釜避難小屋から先では大きな雪渓を登り、舎利坂の急登などにも苦労させられますが、最高峰とほぼ同じ高さで標高2,230mを誇る七高山の頂上に辿り着くと、新山の勇ましい姿や大きく広がっている外輪山など眺望の良さに疲れも吹き飛びます。
最後は急斜面のガレ場!ルート【百宅口】
最高点の標高: 2199 m
最低点の標高: 834 m
累積標高(上り): 1620 m
累積標高(下り): -1620 m
コース概要
駐車場 [登山口](40分) → 大倉(40分) → タッチラ坂(60分) → 唐獅子平(90分) → 外輪ケルン分岐(5分) → 新山・外輪分岐(20分) → 分岐(10分) → 新山[鳥海山](5分) → 分岐(25分) → 新山・外輪分岐(5分) → 外輪ケルン分岐(70分) → 唐獅子平(40分) → タッチラ坂(30分) → 大倉(30分) → 駐車場[登山口]
鳥海山東側にあるキャンプ場「大清水」を起点に登るコース。
全体的に見晴らしが良く、眺望が楽しめます。前半は緩斜面ですが、6合目のタッチラ坂を過ぎる頃から徐々に勾配がきつくなり、9合目の霧ヶ平から外輪山までは700mのガレ場が続きます。

8合目の唐獅子平には避難小屋が建っています。ここから背後を振り返れば、出羽丘陵や奥羽山脈の雄大な姿を見ることができ、天気が良い日にここをベースにすればこの絶景を独り占め!
また、唐獅子平には、シンボルでもある溶岩が作った熊の形の岩が鎮座しています。

9合目の霧ヶ平から外輪山までのガレ場は登下降が激しいので注意が必要です。また、霧が発生した場合にこのガレ場を下るときは転倒や滑落、落石に細心の注意を払いましょう!ここを越えると新山までもう一息。
山麓に唯一の温泉があるルート【猿倉口】
最高点の標高: 2203 m
最低点の標高: 1008 m
累積標高(上り): 1915 m
累積標高(下り): -1915 m
コース概要
駐車場 [登山口](70分) → 見返り坂(60分) → 康ケルン(60分) → 氷ノ薬師(60分) → 七高山(10分) → 新山・外輪分岐(20分) → 分岐(10分) → 新山[鳥海山](分) → 分岐(5分) → 新山・外輪分岐(10分) → 七高山(40分) → 氷ノ薬師(40分) → 康ケルン(50分) → 見返り坂(50分) → 駐車場[登山口]
鳥海山の北東に位置する猿倉温泉を拠点に登るコースで、宿泊施設の鳥海荘から奥山放牧場を経由し、登山口となる地点までは約10km車道を通ります。公共交通機関はなく、登山口に駐車場があるので車で向かうのがベスト。
登山口に入ってしばらくはブナ林を緩やかに登り、6合目にある見返り坂を過ぎると展望が開けます。七ツ釜避難小屋で矢島口コースに合流します。

拠点となる猿倉温泉(湯ノ沢温泉)には宿泊施設や立ち寄り湯があります。写真は登山口。駐車場もあります。

鳥海山6合目にあたる見返り坂近辺からは展望が開けます。海岸線が右手に見え、背中側には出羽丘陵や奥羽山脈の姿があります。また、この辺りでは積雪や風雪によって形が歪んだダケカンバの木々を目にすることができます。
鳥海山が掲載されたガイドブック
山と渓谷社 ヤマケイアルペンガイド 東北の山