鳥海山|四季を通じて美しい!登山ルートや周辺の観光スポット総特集

2022/03/07 更新

東北で2番目に高い山・鳥海山を総特集します!古くから神様として地元の人々に崇拝されていた鳥海山は、春は高山植物、夏は雪渓、秋は絶景の紅葉が迎えてくれる四季を通じて美しい山として人気です。登山ルートや見どころ、周辺観光スポットなどを総特集します!

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YAMA HACK編集部

YAMA HACK運営&記事編集担当。登山をきっかけに自然の力に魅了される。山で飲むコーヒーが大好き。何かあれば必ず山に行き、心身共に整える。山について新しい視点を与えられるような記事作りを心がけて日々執筆活動を行う。

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令和元年9月21日(土)早朝、猿倉口登山道にて登山者がクマに襲われる事故が発生しました。危険防止のため、当分の間、猿倉口からの入山を禁止となります。登山前に必ず最新情報をご確認ください。鳥海国定公園観光開発協議会HP
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、山小屋営業ならびに交通状況などに変更が生じている可能性があります。 山小屋や行政・関連機関が発信する最新情報を入手したうえで登山計画を立て、安全登山をしましょう。


アイキャッチ画像出典:PIXTA

水を分け与える神様・鳥海山

鳥海山
出典:PIXTA
標高所在地山域最高気温(6月-8月)最低気温(6月-8月)
2,236m山形県・秋田県出羽山地14.2℃1.8℃
鳥海山は日本百名山の一座で、山形県と秋田県の県境にそびえる標高2,236mの活火山です。東北で燧ヶ岳に次いで2番目に高く、山頂が雪を被った姿は秀麗で富士山にもよく似ていることから「出羽富士」や「秋田富士」などの名前で親しまれています。有史以来度々噴火してきたことから人々の畏怖の対象となり、古くから山岳信仰が発達。修験道の修行場にもなりました。

山は水分(みくまり)の神様だった

山頂付近の大物忌神社
出典:PIXTA
江戸時代には山麓に登拝講が成立したことで山岳信仰がより盛んになり、鳥海山は夏には登山者で賑わっていました。また、鳥海山の山岳信仰の根底には、水を分配する神としての崇拝があり、鳥海山から日本海側へ流れる2つの大きな川を月光川・日向川と名付け神聖視していました。

鳥海山の山頂付近岩場
出典:PIXTA
現在は、古来より山岳信仰の中心を担い、鳥海山をご神体とする神社本殿が山頂にあり、麓にある吹浦(ふくら)・蕨岡(わらびおか)2か所の口之宮と合わせて大物忌神社と称されています。

鳥海山の登山適期は?

心字雪渓
出典:PIXTA
登山しやすい雪のない時期は7月~10月。夏山開きは6月下旬~7月上旬に行われます。しかし、夏でも鳥海山山頂付近には「心」の字に雪が残る心字雪渓や、越年する万年雪もあるため、涼しい登山ができますよ。

鳥海山北東斜面をスキーする人
出典:PIXTA
また、鳥海山の北東斜面は積雪量が多いため、4月から夏にかけてサマースキーが盛んです。山頂から滑り降りるバックカントリースキーは、毎年地元の人々が楽しんでいます。

鳥海山の天気と地図

現地に行く前に天気を必ずチェックしておきましょう。鳥海山は整備されている山ですが、事前に登るルートを下調べして安全に登山に臨んでください。

てんきとくらす|鳥海山

山と高原地図 鳥海山・月山・羽黒山



鳥海山の登山ルートは?

ここでは、鳥海山の主要な登山ルートを紹介します。

もっともポピュラーな鉾立(ほこだて)コース

鳥海山の御浜周辺の写真
出典:PIXTA
【体力レベル】★★★☆☆
日帰り
コースタイム: 8時間50分
参考:ヤマプラ
【技術的難易度】★★★☆☆
・ハシゴ、くさり場を通過できる身体能力が必要
・地図読み能力が必要
凡例はこちらをクリック:グレーディング表
ルート概要
鉾立 (80分)→賽ノ河原 (40分)→御浜小屋分岐(30分)→御田ヶ原分岐(30分)→七五三掛(100分)→御室(10分)→分岐(10分)→新山[鳥海山](5分)→分岐(5分)→御室(80分)→七五三掛(20分)→御田ヶ原分岐(30分)→御浜小屋分岐(30分)→賽ノ河原(60分)→鉾立
コース全般見晴らしが良く、最初から最後まで展望を満喫できる片道約4時間半のコース。高度が上がるにつれ背面側に日本海が見え、水平線まで望めます。前方に目を向ければ、鳥海山最高峰・新山や七高山、それらを取り巻く外輪山などが織り成す絶景も楽しめます。登山道は道幅が広く整備が行き届き、シンボルでもある鳥海湖や高山植物の群生地も歩きます。

もっとも歴史の古い登山道・吹浦(ふくら)コース

御浜小屋の写真
出典:PIXTA
【体力レベル】★★★★☆
日帰り
コースタイム: 9時間30分
参考:ヤマプラ
【技術的難易度】★★★☆☆
・ハシゴ、くさり場を通過できる身体能力が必要
・地図読み能力が必要
凡例はこちらをクリック:グレーディング表
ルート概要
大平登山口 (50分)→見晴台(70分)→河原宿(30分)→御浜小屋分岐 (30分)→御田ヶ原分岐(30分)→七五三掛(100分)→御室(10分)→分岐(10分)→新山[鳥海山](5分)→分岐(5分)→御室(80分)→七五三掛(20分)→御田ヶ原分岐(30分)→御浜小屋分岐(20分)→河原宿(50分)→見晴台(30分)→大平登山口
片道約5時間、鳥海山を登るコースの中で最も古いコースです。序盤の見晴台までは展望のない樹林帯を登っていきます。見晴台を過ぎると、鉾立コース同様に展望が開け、整備された石段・石畳の道を登りながら高山植物が咲く高原の景色を楽しめます。鳥海湖で鉾立コースと合流、以降は頂上まで同じルートとなります。登る人が鉾立に比べ少ないため、静かな山行が期待できます。

最短距離で頂上へ!湯ノ台口コース

河原宿と登山者
出典:PIXTA
【体力レベル】★★★☆☆
日帰り
コースタイム: 8時間30分
参考:ヤマプラ
【技術的難易度】★★★☆☆
・ハシゴ、くさり場を通過できる身体能力が必要
・地図読み能力が必要
凡例はこちらをクリック:グレーディング表
ルート概要
登山口(20分)→滝ノ小屋(60分)→河原宿(90分)→薊坂入口(40分)→伏拝岳分岐(30分)→外輪ケルン分岐(5分)→新山・外輪分岐(20分)→分岐(10分)→新山[鳥海山](5分)→分岐(25分)→新山・外輪分岐(5分)→外輪ケルン分岐(30分)→伏拝岳分岐(30分)→薊坂入口(70分)→河原宿(50分)→滝ノ小屋(20分)→登山口
所要約3時間半の最短距離で登頂できるコースで、大小様々な雪渓をトラバースしたり、残雪の様子が「心」の字に見える「心字雪渓」を眺望することができます。7月末であっても雪渓が残っていることが多く、軽アイゼンの装備が必要です。その他、鳥海山屈指の急坂である「あざみ坂」も登っていきます。悪天候時の事故が多いコースでもあります。

 登山コースのもっと詳しい情報は下記記事をチェック


    花の百名山!鳥海山は美しい植物がいっぱい

    鳥海山は「花の百名山」にも名を連ねる高山植物の宝庫!東北は森林限界がおよそ1,600mのため、多くの花々に出会えます。しかも、鳥海山ならではの固有種が存在するんですよ。

    固有種①チョウカイフスマ(ナデシコ科)

    チョウカイフスマ
    出典:PIXTA
    鳥海山に咲く固有種で、5つの白い花びらが星形に開くのが特徴です。他の植物が生育できないような高山帯の砂礫地や岩礫地、岩の割れ目などで群生し、乾燥にも強く、見た目の可憐さとは裏腹にタフな生命力をもっています。7月~8月に開花し、草丈は5~10cm程度。新山や外輪山の荒涼とした岩礫地帯でもしっかりと咲き誇っています。

    チョウカイフスマ
    出典:PIXTA
    激しい雨風に曝される標高の高い岩礫地帯でも力強く咲いている姿にぐっときます!

    固有種②チョウカイアザミ(キク科)

    チョウカイアザミ
    出典:PIXTA
    鳥海山固有のアザミで、7月中旬から8月頃に濃紫色の花を下向きに咲かせます。茎から複数の花茎を伸ばして1つの個体に5・6個の花を咲かせ、背丈は1m前後にまで育ちます。釣鐘型の総苞は粘りがあり、くも毛も生えています。葉は一般的なアザミ同様に深い切れ込みとトゲがあります。レッドリストに加えられていますが、鉾立コースで数多く目にすることができます。

    チョウカイアザミと御浜
    出典:PIXTA
    直立に茎が伸び、背丈も高く、シックな紫の花を咲かせるのに、俯き加減で咲く姿にギャップを感じ、何とも言えない愛らしさがあります。

    その他、時期によって多くの花々を見ることができます。鳥海山で見られる花は下記をチェックしてみましょう!

    鳥海国定公園観光開発協議会|鳥海山で会える花


    紅葉も名所!ブルーラインに行こう

    9月下旬から10月中旬にかけて、鳥海山へ向かう「鳥海ブルーライン」は絶景の紅葉スポットに!観光客に大人気の名所なんですよ。

    ドライブに最適なブルーライン!

    鳥海ブルーライン
    出典:PIXTA
    ブルーラインは標高0の状態から1,150mまでを一気に駆け上がる35kmの山岳観光道路です。眼下に見える日本海や島々の眺望は最高!

    秋になると紅葉がお出迎え

    鳥海ブルーラインの紅葉
    出典:PIXTA
    秋には鳥海山麓の広大なエリアが紅葉で色付き、その美しい景色を視界で楽しみつつ車で駆け抜けることができます。紅葉に染まる鳥海山へ向かっていく登りはもちろんのこと、周囲の紅葉と眼下に広がる海をセットで望める下りもまた趣があり、美しい景色を堪能できるでしょう。

    山容も見事な紅葉に!

    紅葉の鳥海山(竜が原湿原)
    出典:PIXTA
    鳥海山北東の矢島口コースにある竜ヶ原湿原は標高1,180mに位置する高層湿原で、秋には紅葉に色付く鳥海山の山腹や草紅葉によって赤く染まる山麓の絶景を見ることができます。湿地には木道が整備され、赤滝やカラ滝といった見事な飛瀑も紅葉と共に美しい姿を見せることから、トレッキングに訪れる人も多いスポットとなっています。


    周辺の観光スポット

    鳥海山周辺には是非合わせて訪れたい名所の数々があります。ここでは、その中でも特におすすめの観光スポットを紹介します。

    鳥海山大物忌神社

    大物忌神社吹浦口ノ宮出典:PIXTA
    冒頭でも紹介したとおり、鳥海山の山岳信仰を古来より担ってきた神社で、山頂の本殿は伊勢神宮のように20年ごとに建て替える式年運営の制。平成20年には国の史跡にも指定され、蕨岡口ノ宮の境内は近年公開された映画のロケ地にもなっています。
    【大物忌神社吹浦口ノ宮】

    拝殿するためには急な約135段の階段を登る必要があります。平成に奉納された大きな雪見灯籠が一対設置されています。
    住所:山形県飽海郡遊佐町吹浦字布倉1
    電話:0234-77-2301
    料金:無料

    鳥海山大物忌神社|公式サイト
    【大物忌神社蕨岡口之宮】
    静けさに満ちている荘厳な雰囲気の一の宮です。無人のため、御朱印などを頼む際は吹浦口ノ宮に行く必要があります。
    住所:山形県飽海郡遊佐町上蕨岡字松ヶ岡73
    電話:0234-77-2301(問合せ先:吹浦口ノ宮)
    料金:無料

    旧青山本邸

    旧青山本邸
    出典:PIXTA
    旧青山本邸は、貧しい漁家で生まれた青山留吉が漁業で成功を収め、手にした財を使って故郷である遊佐に建てた邸宅で、明治時代の建築様式が色濃く残る日本家屋であることから国の重要文化財に指定されています。また、映画「おしん」におけるおしんの最初の奉公先・中川材木店のロケ地にも選ばれました。
    住所:山形県飽海郡遊佐町比子字青塚155
    電話:0234-75-3145
    営業時間:4月~11月/9:30~16:30(最終受付16:00)、12月~3月/10:00~16:00(最終受付15:30)、定休日月曜日
    料金:一般400円、大学/高校生300円、小/中学生200円
    遊佐町|旧青山本邸

    元滝伏流水

    元滝伏流水
    出典:PIXTA
    鳥海山に染み込んだ水が人の一生ほどもの長い歳月をかけ、幅約30mの苔むした岩肌一帯から湧き出している滝で、1日で5万トンもの水が放出されています。平成の名水百選にも選ばれ、苔むす渓流の神秘的な風景が見られるこの地は人気の撮影スポットでもあります。
    住所:秋田県にかほ市象潟町本郷麻針堰
    料金:無料
    鳥海山・飛島ジオパーク|元滝伏流水

    十六羅漢岩

    十六羅漢岩
    出典:PIXTA
    十六羅漢岩は、幕末に吹浦海禅寺の寛海和尚が、荒れた海で命を落とした漁師の供養や海上安全祈願、また、当時の混乱した社会で苦悩する民衆の福田・除災・興隆を願い、5年の歳月をかけて造った22体の磨崖仏です。これほどの規模の岩礁に刻まれた像の数々が見られるのは、日本海側ではここだけといわれるほど!
    住所:山形県飽海郡遊佐町吹浦字西楯
    電話:0234-77-3330(問い合わせ先/サンセット十六羅漢)
    料金:無料
    遊佐町|十六羅漢岩

    道の駅鳥海

    山形県の最北に位置する海沿いの町・遊佐町の国道7号線沿いにあり、鳥海山の麓に広がる庄内平野で取れた新鮮な農産物や日本海で獲れた新鮮な魚介類の直売所などがあります。夏には大行列ができるほどの盛況を博する鮮魚直売所の「天然岩ガキ」は、自分で選んでその場でいただけますよ!
    住所:山形県飽海郡遊佐町菅里字菅野308-1
    電話:0234-71-7222
    営業時間:3月~10月/8:30〜18:00、11月〜2月/8:30〜17:00

    タクシーを利用しよう!

    鳥海山周辺の観光にはタクシーを利用しましょう!主要なタクシー会社は下記をチェック。

    【酒田第一タクシー】
    JR吹浦駅、遊佐駅、酒田駅、庄内空港から登山口まで乗合タクシーを運行しています。
    住所:山形県酒田市あきほ町651-4
    電話:0234-22-9444
    酒田第一タクシー|公式サイト
    【鳥海観光タクシー】
    標高2,236mの鳥海山麓に本営業所がある地元密着の観光タクシー会社です。
    住所:秋田県由利本荘市矢島町元町字新所31-1
    電話:0184-56-2020
    鳥海観光|タクシー

    秋田が誇る地酒「鳥海山」

    鳥海山と田んぼ出典:PIXTA

    鳥海山へ来たなら「鳥海山」の名を冠する秋田の銘酒を味わってみないともったいない!お土産や贈り物にも最適な逸品ですよ。

    ”酒造りは米作りから”をモットーに、酒に適した米作りに力を入れている「天寿酒米研究会」の「美山錦」と鳥海山の万年雪が生み出す清らかな伏流水を使用し、秋田流の低温長期発酵型の造りでまろやかな味わいの日本酒に仕上げた逸品。また、なでしこの花から抽出した花酵母を使い、香りも華やかでフルーティー。食前酒としても合う日本酒です。

    地元の恵みと地元で培われた製法により作られた銘酒「鳥海山」は、飲み口が良く気品のある味わいで地元の人に愛されています。

    天寿酒造 純米大吟醸 鳥海山 720ml

    容量:720ml
    原材料:天寿酒米研究会契約栽培米「美山錦」 100%
    アルコール度:15~15.9

    登山も観光も充実の鳥海山!

    鳥海山遠景
    出典:PIXTA
    鳥海山のメジャーな登山コースや観光スポット等を紹介しました。メジャーなコースは見晴らしが良く登山の楽しいところを満喫でき、海に近いことから麓の町では鮮魚がいただけ、おいしい地酒もあり、さらに観光スポットや紅葉スポットも豊富。1日や2日だけでは全て堪能できないほど、楽しむところがいっぱいです!行楽シーズンには是非鳥海山へ行ってみてください!
    ※この記事内の情報は特記がない限り公開初出時のものとなります。登山道の状況や交通アクセス、駐車場ならびに関連施設などの情報に関しては、最新情報をご確認のうえお出かけください。


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