天気図から天気を予測してみよう!

撮影:YAMA HACK編集部
安齊さん「気象の基礎知識が分かったら、登山に役立つ情報を天気図から読めるようにしましょう。雨を予測したり、風の強さが分かったりすると、安全に登山できるかの判断ができますよね」
天気図から「雨」を予測する

提供:日本気象協会
雨の予測は『低気圧』と『前線』の位置を確認しましょう。この2つが地域にかかっている場合は、天気が悪くなる(雨が降る)確率が高くなります 。
また、前線の南側は大気の状態が不安定で、離れていても雨雲が発達することも。
上の天気図を見ると、前線を伴う低気圧が東日本付近を北東に進んでいることがわかります。ここから予測できるのは次の3つ。
- 低気圧と前線がかかっている東海、関東、東北は強い雨が降る
- 低気圧が通過した西日本は回復傾向も、関西はまだ雲が残りそう
- 北海道は高気圧圏内のところもあるが、低気圧の進路によってはこのあと天気下り坂
天気図から「風の方向や強さ」を予測する

提供:日本気象協会
風向きは「周囲の気圧の強さ」をみましょう。気圧の高いところから気圧の低いところへ、風は吹きます。
風の強さは「気圧の等圧線間隔」をチェック。間隔が狭いところは風が強く、間隔が広いところは穏やかな風が吹いています。
安齊さん「間隔が狭いところは急傾斜で、間隔が広いところは緩い傾斜という山の地形図に似ていますね」
この天気図を見ると、台風並みに発達した低気圧がオホーツク海に進み、冬型の気圧配置が強まっていることがわかります。ここから予測できるのは次の3つ。
- 等圧線の間隔が狭い東北や北海道は、風が非常に強い(季節的に猛吹雪)
- 風向きは南西から北東に吹く
- 関東から九州は北日本より風が弱い
さらに詳しい山の気象情報を読みたいときは

出典:気象庁ホームページ
気象庁「天気図・日本周辺白黒(左図)」、「極東850hPa気温・風、700hPa上昇流/500hPa高度・渦度天気図(右図)」を加工して作成
天気図には種類があります。
・海抜0mを基準とした『地上天気図』(左図)
・上空の気象がみられる『高層天気図』(右図)
今回安齊さんに教えてもらったのは『地上天気図』で読める天気でした。
もう一つの『高層天気図』は、特定の高度における気象要素をみるために活用。高度1,500mや高度3,000mの天気を読めるため、登る山の標高に合わせて登山計画の参考にできます。
天気図を読めるようになるには

出典:PIXTA
天気図に毎日触れて、自分で読むことが大切です。天気予報を聞いているだけでは、天気図を読む力がつきません。
天気図が自分にとって身近で親しみのある情報になるまで毎日触れて、知識と経験を積み重ねましょう。
天気図を読むトレーニングにおすすめ
- テレビやスマートフォンなどで天気図を読んで天気を予測する
- 天気図の解説を読んだり聞いたりして答え合わせをする
- 実際の天気とも答え合わせをする
天気図はどこから入手する?

提供:日本気象協会
天気図は、日本気象協会WEBサイトの実況天気図で72時間先の予想まで確認できます。

提供:日本気象協会
また、有料となってしまいますが、登山天気アプリでは、山頂や山腹別の天気マークも確認できるので便利。天気図の確認と合わせてうまく活用してみましょう。

提供:日本気象協会
天気図を制する者は、快晴登山を制す

出典:PIXTA
天気図を読めるようになると、天気予報マークの根拠がわかります。天気を読んで自分で判断できると、安全な登山計画も立てやすく、登山口での残念な経験は確実に減らせます。天気図を読めるようになって、晴れの登山を楽しみましょう!