初夏の山にまるで雪が!天に向かって咲く大きな白い花「ヤマボウシ」

2022/03/23 更新

初夏の山を、鈴なりに咲く真っ白な花で彩るヤマボウシ。新緑の葉とともに登山者を和ませてくれます。でも、真っ白い花は実は花びらじゃ無かった!花以外にも、たくさんの見どころが。ヤマボウシの特徴や名所を紹介します。

制作者

ライター

黒田猫太郎

近所の山から遠くの山まで、春夏秋冬、毎週のように山で遊んでいたら、いつの間にか25年、山歴だけは長くなってしまいました。山遊び経験を活かした様々なウェアやギアのレビュー、身近な山や自然の魅力を発信していきます。特に「くじゅう連山」や「脊振山地」あたりに出没中。

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アイキャッチ画像出典:PIXTA

白い花が鈴なりに咲く「ヤマボウシ」

初夏、白い花が鈴なりに咲く「ヤマボウシ」
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初夏の山に咲く「ヤマボウシ」。空に向かって咲くことから、山頂から見るとまるで雪を被っているようにも見え、多くの登山者に人気のある花のひとつ。山中だけではなく里山などにも生育しており、街路樹としても植えられることもあることから、身近な木としても親しまれています。
ヤマボウシ
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ヤマボウシはミズキ科ミズキ属ヤマボウシ亜属の落葉高木。東北地方南部から九州屋久島まで、野山では割とよく見かけることができます。そんな身近な木のヤマボウシには、どんな特徴があるのでしょうか?

実は花びらじゃない?ヤマボウシの特徴は

ヤマボウシの花
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ヤマボウシといえば印象的なのが大きな白い花びら。しかし、本来の花は中心部の淡黄緑色の球状の部分なのです。 白い部分は「総苞片(そうほうへん)」と呼ばれる葉が変形したもの。たまに白い部分に緑が混ざっているものがあるのはそのせいです。
ベニバナヤマボウシ
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総苞片が赤い品種の「ベニバナヤマボウシ」もあり、白い花よりも少しあとに咲きます。白に比べると稀なため、見つけると良い事があるかもしれませんね。

花も実も紅葉も!見どころいっぱい

ヤマボウシ見どころ
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白く大きな花、青々とした葉、その後の赤い実、紅葉と見どころが多いことが特徴で、木としてはそれほど大きくならない事から、庭木や街路樹など、シンボルツリーとしても人気です。
ヤマボウシ実
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中心の淡黄緑色の球状の部分は、9月から10月に赤い果実になります。果肉は食べることができ、マンゴーのような甘さ。ドライフルーツから、ジャム、果実酒など様々な使い方ができます。また、疲労回復に効く、ビタミンやアントシアニンなども含まれており栄養豊富です。

「ヤマボウシ」名前の由来は「山法師」

ヤマボウシ
出典:PIXTA
ヤマボウシという名は、中心部の淡黄緑色の花を僧侶の頭、白い総苞片を頭巾に見立てた姿が、比叡山延暦寺の僧兵「山法師」のように見えることが由来です。
ちなみに、中国名は「四照花」。白い総苞片が4隅を照らしている様子を表しているそう。いずれも、印象的な花の形が名前の元になっているようですね。

ハナミズキによく似ている!だけど要注意

ヤマボウシとハナミズキ
出典:PIXTA
近縁種に、シンボルツリーとして人気の「ハナミズキ」があります。よく似ていますが総苞片の先が上の画像のように違います。また、ヤマボウシは葉が出て花が咲きますが、ハナミズキは先に花が咲き葉が出ます。

ハナミズキの実
出典:PIXTA
花はよく似ていますが、実はちょっと違います。しかも、毒があるので注意。誤食しないように公園や街路樹はヤマボウシに置き換えられる所もあるほどです。

ヤマボウシを見に行こう!

ヤマボウシ
出典:PIXTA
ヤマボウシは東北から九州まで日本各地で見ることができますが、その中でも特に有名な名所を紹介します。

ヤマボウシの日本一の名所|箱根・芦ノ湖周辺【神奈川県】

箱根のヤマボウシ
出典:PIXTA(箱根やすらぎの森)
花の見ごろ
6月中旬~7月上旬
芦ノ湖周辺や箱根外輪山、箱根新道から見える山々にたくさんの白い花を付けるヤマボウシ。箱根はヤマボウシの日本一の名所とも言われます。山はもちろんですが、箱根の観光名所や公園などにも多くのヤマボウシが植えられ初夏を彩り、9月には実をつけ、11月には紅葉が楽しめます。
箱根観光協会公式サイト

推定樹齢160年のヤマボウシ|摩耶山天上寺【兵庫県】

摩耶山天上寺
花の見ごろ
6月上旬~6月中旬
摩耶山の山頂近くにある摩耶山天上寺には、樹齢160年を越えるヤマボウシの古樹があります。樹高約12メートルの巨木で、2014年には市民の木に指定されました。満開時には木全体に雪が降り積もったように見え、毎年たくさんの人が訪れます。


摩耶山天上寺

山全体に咲くヤマボウシの絶景!|雲仙岳一帯【長崎県】

雲仙
出典:PIXTA
花の見ごろ
6月中旬~6月下旬
雲仙岳は全体にヤマボウシが多く、見どころが多いことでも有名。トレッキングも楽しめる事から、多くの登山者や観光客が訪れます。鑑賞スポットはたくさんありますが、その中でも特に人気がある「九千部岳」「田代原キャンプ場(田代原トレイルセンター)」の2か所を紹介します。
【九千部岳】

雲仙・九千部岳ヤマボウシ 雲仙岳を構成する山のひとつ、九千部岳(くせんぶだけ 標高1062.3m)は、特にヤマボウシが多いことで有名です。山頂から眼下に広がる「ヤマボウシのじゅうたん」は登山者を魅了してやみません。山頂までは徒歩のみ、登山口から1時間15~40分程度ですが、雲仙岳随一のヤマボウシの絶景が疲れを癒してくれます。



【田代原キャンプ場(田代原トレイルセンター)】

田代原トレイルセンター
出典:PIXTA
田代原キャンプ場(田代原トレイルセンター)は、九千部岳の麓にあるキャンプ場。キャンプサイトの至るところにヤマボウシが自生しており、ヤマボウシをバックに雄大な雲仙岳を鑑賞することができます。九千部岳の登山口にもなっているので、ここから九千部岳に登山すれば、ヤマボウシ三昧のトレッキングが楽しめます。

その他にも雲仙岳周辺にはいくつかのヤマボウシ鑑賞ポイントがあります。時間があれば全部巡りたいですね。
■吹越トンネル前南側…九千部岳の南側から橘湾にかけてヤマボウシが広がる絶景です。
■第2吹越登山口…国見岳の北側斜面一帯に広がるヤマボウシを見ることができます。
■絹笠山山頂…徒歩30分程度の「絹笠山」の山頂から、ヤマボウシの向こうに雲仙温泉と普賢岳の眺望を楽しむことができます。
■池の原周辺(国道389号線沿い)…ヤマボウシとヤマツツジの中をドライブは、とってもさわやか。
■雲仙地獄街(雲仙お山の情報館周辺)…雲仙温泉街の情報館周辺にヤマボウシが植えられています。温泉巡りの散策にどうぞ。
雲仙お山情報館

見上げるとヤマボウシの花が・・・

ヤマボウシ
出典:PIXTA
樹上、天に向かって咲くヤマボウシの花。登山中は足元を見ながら歩くことが多いので、せっかく花が咲いていても、気付かずに通り過ぎていることもあります。たまには、ちょっと足を止めて上を見上げてみましょう。鈴なりに咲いたヤマボウシの花を見つけるかもしれませんよ。


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