足元に咲く小さなかわいいピンク色。梅雨が明けたら「コイワカガミ」を見つけに行こう!

岩の間や樹林帯、気が付くと足元に、横向きや下向きに咲く変わった形のピンクの花を見かけたことはありませんか。その小さな花はコイワカガミではないでしょうか。高山植物の名前が分かると登山の楽しさが倍増します。地上から10センチ程の高さに広がる可憐な世界。早速覗いてみましょう!

目次

アイキャッチ画像出典:PIXTA

見たことあるかも!コイワカガミはこんな花

コイワカガミ

出典:PIXTA(コイワカガミの群生)

高山の岩場や樹林帯に群生し、中部地方と奈良県の高山に分布しているコイワカガミ。
高山植物と聞くと、珍しく貴重で、見つけるのは大変なのかな…と思うこともありますが、コイワカガミは八ヶ岳や日本アルプス周辺を登山していると目にする機会が多い植物。
かわいい花だな~と、名前は意識せずに写真に収めていたこともあるのではないでしょうか。

小さい花、コイワカガミ

出典:PIXTA(小さくてかわいいコイワカガミ)

コイワカガミは、イワウメ科イワガミ属、常緑の多年草。茎の高さは5~10センチ程、横向きや下向きに1~5輪の花を咲かせます。
花の時期は6月~8月で、夏山登山の季節にピンク色の小さな花が見られます。

地面に向かって咲く独特な花びら

コイワカガミ 花

出典:PIXTA(コイワカガミの花)

コイワカガミの花はとても変わった形。
鐘状の花の大きさは10~15ミリ程と小さく、花冠の先は細かくフリルのように裂けています。

コイワカガミ

出典:PIXTA(下向きに咲くコイワカガミの花)

また、花が横向きや下向きに咲くのも特徴的。上から見るのと、目線を下げて見るのとでは印象が変わります。
見つけたときはしゃがんで観察したいですね。

ツヤツヤなコイワカガミの葉

コイワカガミ 葉

出典:PIXTA(艶のあるコイワカガミの葉)
花だけでなく葉にも特徴が。コイワカガミの葉には強い光沢があり、直径は1~4センチの円形~広卵形。
縁には鋸歯が見られますが、個体差がありはっきりとギザギザしているものと、不明瞭なものもあるようです。
コイワカガミ
出典:PIXTA(色づくコイワカガミの葉)
そして秋になると、艶を保ったまま紅葉します。この特徴的な光沢のある葉が、コイワカガミの名前の由来になっているのです。

コイワカガミは漢字で書くと「小岩鏡」

コイワカガミ 岩場

出典:PIXTA(岩の間に咲くコイワカガミ)

岩場に咲き、葉の光沢が鏡のように見えることからこの名前が付きました。
鏡といっても、現代のミラーではなくアンティークな雰囲気の鏡ですね。
アンティークな鏡

出典:PIXTA
このような鏡のイメージでしょうか。

ところで、イワカガミとは違う花?

イワカガミ

出典:PIXTA(イワカガミの花)

コイワカガミとよく似た花に、イワカガミがあります。漢字で書くと、「小岩鏡」と「岩鏡」。
名前の通りイワカガミのほうが大きく、、イワカガミよりも小さいものがコ(小)イワカガミです。
ぱっと見はほとんど同じ花なのですが、イワカガミは低山でも見られ、高さは20センチ程に成長、葉の鋸歯が明瞭なのも特徴。
イワカガミ

出典:PIXTA(群生するイワカガミ)

ただ、イワカガミとコイワカガミはどちらも環境により個体差があり、明確な違いが認められているわけではありません。
専門家でも分類は難しいと言われていて、大きさや咲く場所でどちらなのか判断されているようです。

忠実な花。コイワカガミ

コイワカガミ

出典:PIXTA(コイワカガミの花)

コイワカガミの花言葉は「忠実」。まじめで実直な花言葉が付けられていました。下向きに、遠慮がちに咲いているイメージでしょうか。
岩の間や樹林の下、山が登山者で賑わう時期に、静かにつつましく愛らしい花を咲かせています。

コイワカガミが見られる場所は?出かけたことがあるところも!

コイワカガミは、信州の山域では広く生息。登山道の足元にも咲いていたりと、探さなくても目にすることが多い植物です。
ここでは代表的な生息地を紹介します。

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