見たことあるかも!コイワカガミはこんな花
高山の岩場や樹林帯に群生し、中部地方と奈良県の高山に分布しているコイワカガミ。
高山植物と聞くと、珍しく貴重で、見つけるのは大変なのかな…と思うこともありますが、コイワカガミは八ヶ岳や日本アルプス周辺を登山していると目にする機会が多い植物。
かわいい花だな~と、名前は意識せずに写真に収めていたこともあるのではないでしょうか。
コイワカガミは、イワウメ科イワガミ属、常緑の多年草。茎の高さは5~10センチ程、横向きや下向きに1~5輪の花を咲かせます。
花の時期は6月~8月で、夏山登山の季節にピンク色の小さな花が見られます。
地面に向かって咲く独特な花びら
コイワカガミの花はとても変わった形。
鐘状の花の大きさは10~15ミリ程と小さく、花冠の先は細かくフリルのように裂けています。
また、花が横向きや下向きに咲くのも特徴的。上から見るのと、目線を下げて見るのとでは印象が変わります。
見つけたときはしゃがんで観察したいですね。
ツヤツヤなコイワカガミの葉

コイワカガミは漢字で書くと「小岩鏡」
岩場に咲き、葉の光沢が鏡のように見えることからこの名前が付きました。
鏡といっても、現代のミラーではなくアンティークな雰囲気の鏡ですね。
ところで、イワカガミとは違う花?
コイワカガミとよく似た花に、イワカガミがあります。漢字で書くと、「小岩鏡」と「岩鏡」。
名前の通りイワカガミのほうが大きく、、イワカガミよりも小さいものがコ(小)イワカガミです。
ぱっと見はほとんど同じ花なのですが、イワカガミは低山でも見られ、高さは20センチ程に成長、葉の鋸歯が明瞭なのも特徴。
ただ、イワカガミとコイワカガミはどちらも環境により個体差があり、明確な違いが認められているわけではありません。
専門家でも分類は難しいと言われていて、大きさや咲く場所でどちらなのか判断されているようです。
忠実な花。コイワカガミ
コイワカガミの花言葉は「忠実」。まじめで実直な花言葉が付けられていました。下向きに、遠慮がちに咲いているイメージでしょうか。
岩の間や樹林の下、山が登山者で賑わう時期に、静かにつつましく愛らしい花を咲かせています。
コイワカガミが見られる場所は?出かけたことがあるところも!
コイワカガミは、信州の山域では広く生息。登山道の足元にも咲いていたりと、探さなくても目にすることが多い植物です。
ここでは代表的な生息地を紹介します。