COCOHELI ココヘリ / 山岳遭難対策制度(ココヘリ) 550万円までの捜索救助を実施 入会金1,100円OFF
高見山

高見山|京阪神からアクセス楽々、軽アイゼンで行ける美しい霧氷の世界

「関西のマッターホルン」との異名を持つ高見山。その名から険しい山を想像してしまいますが、実は本格雪山装備がなくても、気軽に幻想的な霧氷の世界を味わえる山として人気です。花や紅葉など、四季を通して楽しめますが、今回は人気の雪山ハイキングを中心に紹介します。

目次

アイキャッチ画像出典:PIXTA

高見山(たかみやま)ってどんな山?

高見山

出典:PIXTA
標高所在地最高気温 (8月)最低気温 (1月)
1248.39m奈良県吉野郡東吉野村
三重県松阪市(旧飯南郡飯高町)
24.3℃-7.6℃
参考:ヤマレコ

奈良県と三重県の県境にある台高山脈(大台ヶ原山地)の北端に位置しています。大和と伊勢を結ぶ伊勢街道が東西に通り、江戸時代には人々の生活になくてはならない山でした。東西に長いため、南北方向から見るとなだらかに見えますが、東西方向からは鋭くそびえて見えます。そのため、「関西のマッターホルン」とも呼ばれています。

四季を通して楽しめる山ですが、京阪神から手軽に行けて、冬季には霧氷や樹氷を見ることができる山として人気です。

山頂からの眺めが最高!

高見山 展望台

出典:PIXTA
高見山山頂からの風景
出典:PIXTA(高見山山頂からの風景)

山頂からの眺望を楽しめることも人気のひとつ。ぐるっと360度見渡せるため、晴れていれば曽爾村の山々や奈良盆地、大阪平野まで望むことができます。

四季を通しての多彩な風景

高見山の桜

出典:PIXTA
登山口のある吉野村は桜の名所。春には麓で桜が咲き乱れるほか、山ではアセビやコアジサイなどの花々を見ることができます。また、夏はブナ林の瑞々しい緑、秋は紅葉、冬には芸術的な霧氷など、四季を通じて色々な楽しみ方ができる山です。

冬期の絶景は特に人気!

冬の高見山
出典:PIXTA
桜の咲く春はもちろん登山に人気の季節ですが、実は冬期(12~2月)の方が多くの人が訪れます。
冷え込んだ朝には、山頂のブナ林が霧氷に覆われ、白銀の世界へと変貌します。
ピッケルや12本爪のアイゼンなど、本格的な雪装備がなくても、軽アイゼンやスパイクで歩けるため、気軽に雪山ハイキングを楽しむことができると、雪山初心者にもおすすめです。

高見山の天気と地図をチェック

登山の前には天気とルートを地図で確認しましょう。また低山といえど遭難事例があるので、登山届を出しましょう。県警公式サイトもしくはコンパスを利用すると手軽に出せますよ。
てんきとくらす|高見山

奈良県警|登山届提出用メールフォーム
コンパス|公式サイト

樹氷だけじゃない、冬期がおすすめな理由とは?

奈良交通バス

出典:PIXTA

高見山登山口には公共の駐車場がないため、クルマで行く際には下山口となる「下平野」とのピストンになります。しかも、積雪期には道が凍結することもあります。また、公共交通機関の最寄り駅である近鉄大阪線「榛原」駅からは、奈良交通バスと東吉野村コミュニティバス「ふるさと号」を乗り継いで行くため、やや不便です。

でも、冬期には奈良交通が臨時バス「霧氷バス」を運行しているため、アクセスが容易になります。榛原駅〜登山口・下山口間を送迎、車内での登山届受付、その上温泉の割引券までつくなど、登山者にはありがたいサービスも。

冬が近づくと、奈良交通の公式サイトに案内が掲載されるため、要チェックです!

奈良交通|季節の臨時バス

今回は霧氷バスを利用しての雪山ハイキングルートを紹介します。

雪山初体験にも◎。真っ白なブナ林を楽しむ冬のハイキング

合計距離: 7.22 km
最高点の標高: 1198 m
最低点の標高: 470 m
累積標高(上り): 898 m
累積標高(下り): -905 m
【体力レベル】★★☆☆☆
日帰り
コースタイム:3時間55分
参考:ヤマプラ
【技術的難易度】★☆☆☆☆
・概ね整備されている
・道迷いの心配が少ない
凡例はこちらをクリック:グレーディング表
ルート概要
高見登山口(60分)→小峠(20分)→杉谷平野分岐(50分)→高見山山頂(35分)→杉谷平野分岐(30分)→高見杉避難小屋(40分)→下平野登山口
霧氷バスの停車場所のすぐ傍にある高見山登山口からスタートします。登りの前半は旧伊勢街道を歩きます。登山道に残る石畳など、古の賑わいを感じることができます。後半は天然のブナ林です。お待ちかねの霧氷を楽しみながら歩きましょう。
下山は霧氷バスの乗車場所の近くへ。温泉もありますので、寒い日でもバスの時間まで快適に過ごすことができますよ。

ルート詳細

高見山登山口

提供:ヤマレコ/tks6146
バス停からすぐ、高見登山口より出発します。バス停にはトイレもありますので、ゆっくり支度して出発しましょう。

高見山 石畳

提供:ヤマレコ/tks6146
小峠までは石畳の道が続きます。ここは旧伊勢南街道。かつては参勤交代にも利用され、交易やお伊勢参りなど、多くの人でにぎわっていました。
高見山 小峠
提供:ヤマレコ/tks6146
小峠に到着。直前の雲母曲に天狗岩の案内板がありますが、この辺りは崩落していてとても危険です。また、天狗岩も現在確認しづらい状況になっているため、立ち寄らずに小峠まで進むようにしましょう。

高見山 鳥居

提供:ヤマレコ/tks6146
林道との分岐を鳥居の方へ。ここからはしばらく急登が続きます。息を整えて、ファイトです!
高見山 霧氷ポイント
提供:ヤマレコ/tks6146
杉谷平野分岐を高見山山頂方面へ進みます。ここから山頂までの自然林が霧氷ポイントです。陽がのぼると気温があがり、霧氷は消えてしまいます。霧氷を見る場合は、なるべく早い時間に登るようにしましょう。
高見山 山頂
提供:ヤマレコ/take1104
山頂に到着!最高地点には高角神社が祀られています。
すぐ横にある避難小屋は、屋上が展望台になっており、ベンチもあります。お天気の良い日は絶好の休憩ポイントとなります。下山は杉谷平野分岐までは歩いてきた道を戻り、分岐を平野バス亭方面へ向かいます。

 

高見山 下山ルート
提供:ヤマレコ/take1104

下山ルートは歩きやすい、よく整備された道です。下山口の目印は、高見川にかかる赤い橋です。

登山口へのアクセス

先に紹介したように、霧氷の季節とそれ以外ではアクセス方法が異なります。また高見登山口には駐車場がないため、クルマの場合は下山口となる下平野の「たかすみ温泉」に駐車し、ピストンでの山行がおすすめです。

クルマの場合

京阪奈自動車道「橿原高田」IC−国道165号−国道166号−県道219号−県道28号−たかすみ温泉

■たかすみ温泉駐車場
料金:無料

公共交通の場合

■霧氷バス運行期間中

近鉄大阪線「榛原駅」下車−奈良交通「霧氷バス」に乗換−「高見登山口」バス停下車
奈良交通|季節の臨時バス

■霧氷バス運行期間以外

近鉄大阪線「榛原駅」下車−奈良交通バスに乗換、「東吉野村役場前」バス停下車−東吉野村コミュニティバス「ふるさと号」に乗換−「高見登山口」バス停下車
東吉野村|コミュニティバス「ふるさと号」

周辺のおすすめスポット

春は桜もあり、霧氷の季節以外も立ち寄りスポットと合わせて楽しみたい高見山。登山の前後に利用できる施設や名所を紹介します。

たかすみ温泉

下山口である下平野登山口から、徒歩約5分にある温泉です。贅沢なマキ風呂やヒノキ風呂、岩の露天風呂を楽しめます。霧氷バス利用の際にもバス停から近いので、冷えたカラダをゆっくり温めることができますよ。
住所:奈良県吉野郡東吉野村平野835
電話:0746-44-0777
営業時間:11:00~21:00(12/1~3/15は20:00まで)
休業日:木曜(祝日の場合は翌日休) ※年末年始に休業日あり
料金:大人(12歳以上) 500円、小人(6~11歳)200円
たかすみ温泉|公式サイト

高見の郷

高見の郷

出典:PIXTA
高見山登山口のある奈良県吉野郡は桜で有名な地域です。登山口より南へ徒歩約20分にある標高650mの丘には、1000本の枝垂桜が植えられており、満開の時は圧巻です。例年4月中旬が見頃です。開花状況はホームページで確認できます。
住所:奈良県吉野郡東吉野村杉谷298-1
電話:090-5136-9844
時間:9:00~17:00(受付16:30)
料金:大人1,000円 小人500円
駐車場:無料 (満車の場合あり)

高見の郷|公式サイト

高見公園キャンプ場

高見山登山口近く、コミュニティバスの路線上にあるキャンプ場です。春から秋の営業なので、登山の前泊や後泊での利用もおすすめ。
住所:奈良県吉野郡東吉野木津740番地
電話:0746-44-0288
営業期間:冬季休業(営業期間をホームページで要確認)
入場料:大人500円、小人(3歳~)300円
駐車料:500円/1台


高見公園キャンプ場|公式サイト

白銀の世界をハイキングで楽しもう!

高見山の霧氷

出典:PIXTA

幻想的な白銀の世界をハイキング……。というのは登山者の憧れですが、雪山登山未経験だとちょっと尻込みしてしまいませんか? でも、高見山なら大丈夫。寒さに負けないよう、防寒装備と温かい飲み物をしっかり詰め込んで、軽アイゼンも忘れずに。今年は霧氷を見に行きましょう!

こちらの記事もどうぞ