いちばん知りたい「登山で傘を使う」のは本当にOK?

──「山で傘を使うのは危ない」という意見もありますが……
モンベル安田さん
岩場や稜線、強風の中ではもちろん使えませんが、林道やなだらかで道幅のある登山道などでは傘をさすことで快適に歩けることもあります。
場所や状況にあわせて、使い分けることが大切だと考えます。
──傘を使う際、安全面でのポイントはありますか?
モンベル安田さん
傘をさしていると上方の視界が狭くなるので、頭上の木の枝などの障害物に気をつけてください。
──歩く時以外で「傘があった方がいい」という、おすすめの使い方はありますか?
モンベル安田さん
山小屋やテント場についた後、トイレなど少し外に出るときなど、レインウェアを着なおさなくてよいので便利ですよ。
傘のメリットとデメリットを考えてみた
ここでは安田さんに教えてもらったポイントを踏まえて、傘を使うことによるメリットとデメリットを整理してみました。
メリット
- 蒸れない
- 涼しい
- 顔まわりが濡れず、前を見やすい
- 雨水が当たることによる冷えを防げる
- 開閉だけで使用できる
- 仲間と会話しやすい
- 炎天下の日除け・熱中症対策
- 下山後でも使える
デメリット
- 片手が使えず、突然のアクシデントに対応できない
- 傘の向きにより、視界が遮られる
- 風の影響を受けてバランスを崩しやすい
- 強い雨の場合、下半身が濡れる
- 強風時に壊れる可能性がある
- 周囲の人の迷惑になる可能性がある
- 荷物が増える
ほぼ互角のメリット&デメリット。シチュエーション別に「危険なシーン」「便利なシーン」を考えてみました。
【NGシーン】自分も他人も危険にさらされる!
1. 足元が不安定な場所

岩場や鎖場のあるような場所や、ザレ場やガレ場など、バランスを崩しやすい場所などでは、傘をさしていることで手がふさがり、不測の事態に対応できない可能性があります。
2. 風が強い時

傘をさしていて強風にあおられると、バランスを崩して転倒する可能性があります。また、うっかり手を離してしまうと、傘が飛び、他の登山者に当たってケガをさせてしまうことも。また、回収不能になった場合はゴミの原因にもなります。
3. 登山道が細い、または人が多い場合

細い登山道では、すれ違う時に傘が相手に当たってしまうことがあります。また、小屋前など人が多い場所でも同じく、他人に危害を与えてしまうかもしれません。
4. 雨が激しく降っている時

傘で守れるのは、主に上半身です。激しい雨の中では下半身は濡れてしまい、低体温症などを引き起こす可能性があります。レインウェアを併用するなど、着衣や体を濡らさない工夫が必要です。
【OKシーン】傘を使うことで、より快適な登山に!
1. なだらかで、広い道

傘をさしていても、転倒などの危険性のない道。また、すれ違う人にも迷惑をかけない余裕のある場所では、傘があると快適に歩けます。下山時の林道歩きなどの際にも便利です。
2. 強風から守られる樹林帯

樹林帯では風が避けられるので、傘が飛ばされたり、風にあおられてバランスを崩すことも起こりにくくなります。また、湿度が高い場所も多いので、レインウェアより快適に歩けます。ただし、枝に傘を引っ掛けるなどの危険もあるので注意を!
傘は雨の日登山の強い味方。うまく取り入れよう!

使用するシチュエーションを見極める必要はありますが、使い方次第では、雨の登山を快適にしてくれる傘。特にモンベルのトレッキングアンブレラは150g前後と軽いので、携行しておいてもあまり重さのストレスを感じなさそうです。
全身を濡れから守るレインウェアとうまく使い分けをしながら、ぜひ登山に取り入れてみてくださいね。
