過酷な環境下でもたくましく咲く誇るコマクサ
夏山の稜線で、ひときわ目を惹くのがコマクサ。花の形状が駒(馬)の顔に似ていることから、この名が付けらています。
ほかの高山植物が生育できない“砂礫地”でも生育。50cm〜1mもの地下茎を持ち、パセリのような細かい葉で霧や空気中から水分を取り込むのが特徴です。
過酷な状況下でも可憐に咲き誇る様子から、「高山植物の女王」とも呼ばれています。
標高の高いエリアにしか咲かない貴重さとピンク色のかわいらしい姿を一度は見たい!と、山に登る人も。群落する山もあるので、ぜひコマクサ目当てに登山の計画を立ててみてはいかがですか?
コマクサの見頃は例年6月〜8月
コマクサの見頃は、群落のある山によって異なります。標高が高い日本アルプスや緯度が高い北海道・東北の山々は例年7月中旬以降、関東甲信では6月中〜下旬に見頃を迎える山も。
今回は、そんなコマクサをたっぷり楽しめる山を、東北・関東から八ヶ岳・日本アルプスまで7座セレクトしました。
●日帰りで巡れるお手軽3コース
・三方ヶ峰・見晴山(長野県)|コースタイム約1時間35分
・乗鞍岳(長野県)|コースタイム約2時間40分
・秋田駒ヶ岳(秋田県・岩手県)|コースタイム約4時間20分
●1泊2日でコマクサも山も堪能!ガッツリとトレッキングも楽しめる3コース
・燕岳(長野県)|コースタイム約8時間5分
・木曽御岳山(長野県)|コースタイム約8時間30分
・八ヶ岳(長野県)|コースタイム約9時間35分
●コマクサの絶景が望める!きついけど行くべき日帰りロングコース
・岩手山(岩手県)|コースタイム約8時間50分
それぞれの山で、群落の密度が高いポイントをマップへ記載しています。ぜひコースを選ぶ時の参考にしてみてくださいね。
日帰りで気軽にアクセス!お手軽3コース
まずは首都圏から日帰りや山麓への前泊で登頂可能な、比較的コースタイムの短い3つのコースをご紹介。山岳道路など交通アクセスが便利な山も多くありますよ。
三方ヶ峰・見晴山(長野県)〜見頃は例年6月下旬〜7月中旬〜

- 【体力レベル】★☆☆☆☆
- 日帰り(約2.8km)
- コースタイム:約1時間35分
- 【技術的難易度】★☆☆☆☆
- ・歩きやすい靴と動きやすい服装が必要
浅間山の噴火によってできた池の平湿原は、初夏から初秋までさまざまな高山植物が咲き競う雲上の楽園。ここを経由して登る三方ヶ岳や見晴岳周辺では、北アルプスの山並を背景に咲くコマクサ群落を見られます。
コースタイムが短いので、東篭ノ登山・西篭ノ登山のコマクサ群落に足を伸ばすのもオススメですよ。
▼三方ヶ峰・見晴山についてもっと知りたい人はこちらをチェック
乗鞍岳(長野県・岐阜県)〜見頃は例年7月中旬から8月中旬〜

- 【体力レベル】★☆☆☆☆
- 日帰り(約6.2km)
- コースタイム:約2時間40分
- 【技術的難易度】★★☆☆☆
- ・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい
標高約2700mの畳平まで、乗鞍スカイラインでアクセス可能な乗鞍岳。最高峰である剣ヶ峰へ向かう途中の、富士見山麓や蚕玉岳周辺で、群落を見られます。
剣ヶ峰まで足を伸ばす時間がなければ、畳平から15分程度で登頂できる魔王岳をはじめ、大黒岳・富士見岳でもコマクサを愛でることができますよ。
▼乗鞍岳についてもっと知りたい人はこちらをチェック
秋田駒ヶ岳(秋田県・岩手県)〜見頃は例年7月〜
- 【体力レベル】★★☆☆☆
- 日帰り(約8.1km)
- コースタイム:約4時間20分
- 【技術的難易度】★★☆☆☆
- ・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい
山麓にある温泉施設・アルパこまくさから、定期バスで八合目まで行ける秋田駒ヶ岳。最高峰・男女岳(おなめだけ)の直下にある阿弥陀池周辺は、ニッコウキスゲ・チングルマ・コバイケイソウなどのお花畑が広がります。
コマクサの群落は、大焼砂や焼森周辺に。さまざまな高山植物を楽しめる、まさに「花の名山」です。
▼秋田駒ヶ岳についてもっと知りたい人はこちらをチェック
1泊2日でコマクサも山も堪能!ガッツリとトレッキングも楽しめる3コース
続いて山小屋に宿泊して、じっくりコマクサを楽しむ3つの山をご紹介。北アルプスや八ヶ岳など、ダイナミックな山並みを背景に見るコマクサは格別です。