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登山道はどうやって【整備】されてる?安全を支える現場からのレポートです!(4ページ目)

実は一般登山者にもできることがあります!

蝶ヶ岳ヒュッテの登山道整備資金の募金箱

撮影:蝶ヶ岳ヒュッテ(蝶ヶ岳ヒュッテの登山道整備資金の募金箱)

山を取り巻くこのような状況を考えると、登山道整備を仕事としてやっている方だけで整備するのは限界があります。任せっきりにしていては、人気のある山域でもそのうち維持できなくなる登山道が出てくるのは時間の問題です。では、一般の登山者にできることはどんなことでしょうか。

登りながらできることをやる

登山道を歩きながらでも、ごみを拾ったり、歩くのに邪魔な木の枝や岩をよけたり、落石を起こしそうな不安定な石を取り除いたりはできます。こうしたことを登山者がすることで、山の環境は格段によくなることでしょう。ただし、もちろん、自分の身の安全が最優先ですので、歩くのが苦しいときや非常時には話は別です。

登山道整備募金をする

山小屋などには募金箱が置いてあります。ここに募金をするというのも大きな一歩。整備の作業に当たる方々も、自分たちの仕事を見て募金が増えているととてもうれしいと仰っていました。

登山道整備のイベントに参加する

登山道整備は一般的にはかなり泥臭い力仕事ですが、一般の登山者でもできることをやってもらい登山道に対する理解を深めることができるイベントをやっている山もあります。こういった催しに参加すると、整備の大変さも分かりますし、実際に関わることでその山への愛情も深まることでしょう。

イベントはツアー会社などではなく地元自治体などで募集されるケースが多いので、こまめに「登山道 整備 イベント」などで検索するのがおすすめです。

山小屋で働く

山小屋がある山域では山小屋が登山道維持の担い手となっている場合が多いので、山小屋で働くと整備に関わる機会もあります。登山道整備はハイシーズンを避けて行われますので、長期のシフトに入るとよいでしょう。
思い入れがあったり行きつけにしている山小屋があれば、小屋の従業員の方にお手伝いさせてもらえないか聞いてみるのもよいでしょう。

整備している人に会ったら声をかける

もし山に登っていて登山道整備をしている方に出会ったらぜひ声をかけてみてください。その声が現場で働く人たちの何よりの力になります

整備されてるから安全に登山ができる。その意味を考えよう

北穂高岳南稜の鎖場を下る登山者たち

撮影:筆者(北穂高岳南稜の鎖場を下る登山者たち)

登山道整備の現状を大まかに見てきましたが、いかがだったでしょうか。

歩きやすい登山道を歩けるのは実にありがたいことなのだとおわかりいただけたと思います。しかもそれは、多くの方の苦労の上にかろうじてバランスを取って成り立っているのです。大雨や地震などの後に復旧できずになくなってしまった登山道は過去にたくさんあり、いまは歩けている登山道もいつか整備の手が回らなくなるかもしれません。

登山者のみなさんひとりひとりが、山の自然を楽しめる幸せを噛みしめ、今後どのようにしていったら登山道を維持できるかを山に思いを寄せるひとりとして問題を共有し、それぞれの登山者が自分にできる範囲で関わっていただけるといいなと思います。

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