山岳小説の一度は読みたい傑作とおすすめ15選

2019/08/08 更新

山岳小説を、国内作家と海外作家別でご紹介!クライマーや登山家本人が執筆したものや、伝記、小説、言わずと知れた名作など、一度は読みたい山岳小説が勢ぞろい!

制作者

naot

両親の影響で子供の頃から山に登り、大きなザックを背負う人を見て自分には無理だなあと思っていたらいつの間にかそうなっていました。歩き続ける縦走が好き。どうぞよろしくお願いします。

naotのプロフィール

...続きを読む


アイキャッチ画像出典:naokohara

山岳小説とは

DSC_5341
出典:naokohara
山岳小説は、山や登山の雄大さや時には恐ろしさを感じることが出来るだけでなく、登山未経験の方でも楽しめる名作がたくさんあります。今回は、数ある山岳小説の中でも特に皆様におすすめしたい作品を一度は読んでおきたい傑作、国内作家、海外作家別でご紹介します。

一度は読みたい“傑作”5選

「孤高の人」
作者:新田次郎
昭和初期に実在した加藤文太郎をモデルにした山岳小説。日本アルプスを風のように速い足取りで単独踏破していった加藤文太郎。なぜ単独行の加藤文太郎と言われるようになったのか、彼の山に対する強い意志に心打たれる長編小説。
ITEM
孤高の人〈上〉 (新潮文庫)

学生時代に初めて読んでから、いままで一番繰り返し読んだ本だろうと思う。実際の人物を描いた山岳小説であるが、山にまったく興味がなかったのに無性に山に登りたくなった。そして主人公の魅力に取り付かれてしまった。 何度読んでも味わい深い内容である。山について語りながらも、仕事について、恋愛について、そして人生について語っている。先日再び高取山に登ってみた。小説の中で主人公の加藤文太郎がこの山に何度も登るシーンがあるが、いまも当時とかわらない神戸の美しい街が広がっていた。この本との出会いは、自分にとっては限りなくかけがいのない「出会い」とでもいうべきものだったと思う。



「神々のいただき」
作者:夢枕 獏
エベレスト初登頂はジョージ・マロリーだったのか、マロリーのカメラを追う中で深町誠が出会った羽生丈二。彼はまだ誰も成し遂げていない「エベレスト南西壁冬期無酸素単独登頂」に挑もうとしていた。果たして登頂には成功したのか、そしてカメラのフィルムは見つかるのか。
ITEM
神々の山嶺(上) (集英社文庫)

 山岳小説としては面白くて思わず、夜更かしして読んでしまいまいした。
モデルと、映画の阿部さんがおもわずはまり役なので映画が楽しみです。



「黒部の山賊」
作者:伊藤 正一
北アルプスの奥地、黒部源流を切り開き山小屋の経営をしていた伊藤正一による、様々な山の話題が盛り込まれた本。貴重な写真も数多く盛り込まれています。以前は山小屋でのみ購入可能でしたが、山と溪谷社から刊行されました。
ITEM
黒部の山賊 アルプスの怪

1994年ブルーガイドセンター発行の新版を所有していますが、写真やエピソードが追加された本書を追加購入しました。追加されたエピソード(補稿とあとがき、そして数本の寄稿文)は、いずれも本書で語られる古き良き黒部源流の魅力をさらに引き立てるものです。本編は、新版から変更はありませんが、新たに付け加えられたエピソードのために購入する価値がありました。



「青春を山に賭けて」
作者:植村直己
まだ無名だった植村直己が無一文で日本を出て現地で働きながら山を目指し、五大陸最高峰に初登頂、アマゾン筏下りまでを書いた青春冒険記。パワーに満ちた夢への思いにわくわくさせられる一冊。
ITEM
青春を山に賭けて (文春文庫)

植村さんがマッキンリーで消息を絶ったのは僕が中学生の時。当時はかなり話題になったので、植村さんの著作をちょっとは読んだのですが、今回改めて読み直すと、やはり偉大な冒険家だけに、その人間性もすばらしい事に気づきました。かなり無謀な事もすいすい遣って退けてしまうのはなんなんだろうと思いました。植村さんは本書で、精神的弛緩が一番怖いと書いていましたが、これは冒険家だけではなく、何か偉大な事を目指す人に共通するのではないか、と思いました。とにかく勇気を与えてくれる一冊です。



「北壁の死闘」
作者:ボブ・ラングレー
アイガー北壁の<神々のトラバース>を登攀中に見つけた奇妙な遺体から始まる山岳冒険小説。登攀シーンは目が離せないほどのリアリティー。人間や山の魅力にあふれたこの本は、山登りをしない人にもおすすめしたい一冊。
ITEM
北壁の死闘 (創元ノヴェルズ)

さまざまな困難に合いながらも、アイガーを上りきった事は、正に奇跡と言っていい。更に、物語の最後に主人公が2度アイガーを上りきったと分かったときの感動は、今でも忘れられません。


国内おすすめ山岳小説5選

「春を背負って」
作者:笹本稜平

奥秩父の山小屋を舞台にした連作短篇集。山小屋に来る人との心の振れ合いを丁寧に書いてあり、自然の中で癒される物語。読んだ後、山小屋に行きたくなってしまいます。2014年に映画化されている。
ITEM
春を背負って (文春文庫)

しばらく山の本から遠ざかっていたが、以前山行で訪れた奥武蔵の情景がよみがえり、また山を舞台とした人間関係に
関しても共感を覚えた。映画は舞台が立山(北アルプス)で違うがエッセンスは感じとれた。



「残された山靴」
作者:佐瀬稔

植村直己、長谷川恒男、難波康子など8人の日本人登山家がヒマラヤやアラスカ難峰に挑む姿と、その最後を描いたノンフィクションの山岳小説。志なかばで逝った佐瀬稔さんの遺稿集でもあります。
ITEM
残された山靴 (ヤマケイ文庫)

一般的には登山家、だがその世界では山屋と呼ぶのが相応しい。1970年代から90年代までの、山屋が山屋として輝いていた時代。伝説になった山屋達の、山への情熱、葛藤と苦闘が見事に描き出されている。山を愛し、憎んだ山屋達とその関係者の人間模様にも筆者の暖かい眼差しが感じられる。



「剱岳」
作者:新田次郎

明治時代、まだ未踏峰であった剱岳に測量のため登頂するよう命令が下る。それは日本地図で空白だった場所を埋めるための重要な任務だった。厳しい自然の中で測量を続ける測量官や登頂を争っていた日本山岳会の男たちの物語。
ITEM
劒岳 〈点の記〉 (文春文庫)

山岳測量は辛いものですね。日頃平地の一筆地測量に従事する私にとって、傾斜地の測量がいかに大変なものか思い知りました。剱岳に初登頂して終わりでなく、淡々と測量の実際を解説されている所に共感が持てました。



「灰色の北壁」
作者:真保 裕一

世界のクライマーから「ホワイト・タワー」と呼ばれ、恐れられたカスール・ベーラという山がある。その北壁で単独登頂を成功させた証拠の写真が合成ではないかという疑惑が投じられる。その真実とは。感動の山岳ミステリー小説。
ITEM
灰色の北壁 (講談社文庫)

この作品はよい。「山」をテーマにした、それぞれ80ページ程度の三編の中編集。
いずれの作品も、ミステリーとして秀逸であるばかりか、登場人物の造型がよく、心情もうまく書かれている。作者の作品は全て読んでいるが、ここ数作品はデビュー当時の切れ味、綿密さが薄れた印象を受けていた。本作品中の三編はいずれも丁寧につくられており、この低迷期を脱したように感じた。個人的には表題作「灰色の北壁」が一番おすすめである。



「凍」
作者:沢木耕太郎

山野井泰史・妙子夫婦がヒマラヤのギャチュンカン北壁登攀に挑むノンフィクション小説。雪崩にあい氷壁で宙吊りになる主人公。生きて帰るためにはどうすればいいのか、臨場感があり目が離せない山岳小説。
ITEM
凍 (新潮文庫)

これまで栗城という人が叩かれる理由がよくわからなかったのですが、この本を読み、その理由がよくわかりました。
「単独無酸素」とは大変なことで、栗城氏のような登山スタイルで「単独無酸素」を名乗ることが、いかに不敬な行為であるか理解できました。


海外おすすめ山岳小説5選

「バーティカル・リミット」
作者:メル・オドム

ロッククライミング中の事故で兄ピーターは自分と妹を救うために父親の命綱を切断した。苦悩からピーターは写真家となるが、登山家となり標高8,000mのクレバスに閉じ込められている妹を救うため再び山へ向かう。
ITEM
バーティカル・リミット (ソニー・マガジンズ文庫) 中古

映画「バーティカル・リミット」を小説版にしたもの。
映画を見た後、読んでみました。本屋になかったので
見たら買いました。映画と同じく面白くてよかったです。
勢いが伝わってくる本でした。



「脱出山脈」
作者:トマス・W・ヤング

厳寒のアフガニスタン山岳地帯で捕虜護送任務の米軍ヘリが撃墜された。百年に一度のブリザードが荒れ狂い敵が迫るなか、高齢の捕虜と通訳の女性軍曹と共に脱出を図る冒険山岳小説。
ITEM
脱出山脈 (ハヤカワ文庫NV)

帯にあるフォーサイス、ヒギンズだけでなく、デズモンド・バグリイやアリステア・マクリーンの名前も思い浮かぶような、真っ向冒険小説。現代が舞台なので、GPSなどの近代装備も使うことは使うが、結局は雪の高山をひたすら歩くと言う体力勝負。サバイバルもハイテクではなく、焚火などのローテクが駆使されるあたりが、「らしい」ところ。ラストシーンは続篇を期待させるってことでしょうか?



「遥かなる未踏峰」
作者:ジェフリー アーチャー
「そこに山があるから、登るのだ」という名言を残した伝説の登山家、ジョージ・マロリーを描いた山岳小説。果たして彼はエベレストの頂に立つことができたのか。
ITEM
遥かなる未踏峰〈上〉 (新潮文庫)

天才的クライマーの伝説的サスペンス。ジェフリーアーチャーの緻密なストーリー展開と知的な組み立てが魅力。当時の、アドベンチャー界の体制問題を指摘しながらチャンスを目指す天才クライマーの上巻。一気に下巻まで読めるジェットコースター感覚と失われたロマンの香りが満載。



「ジャラナスの顔」
作者:ロナルド・ハーディ

見る者の心次第でその顔が変化して見えるというジャラナスの側壁。それを爆発させ、核研究施設を破壊する命を受けた6人の登山家。スキーや重荷を背負っての過酷な登攀や待ち受ける国境警備隊のなか、使命を全うすることができるのか。

ITEM
ジャラナスの顔 (1978年) (ハヤカワ・ノヴェルズ) 中古


「大クレバス」

作者:フリゾン・ロッシュ
優秀な山岳ガイドだったジアンはお嬢様のブリジットと恋に落ちる。山での生活に慣れないブリジットは山を降りてしまい、山に1人で向かったジアンはクレバスに落ちてしまう。大クレバスに落ちてからラストまで読み応えのある山岳小説。

自分では出来ない経験を、読書で疑似体験!

山岳小説
出典:naokohara
いかがでしたでしょうか。山岳小説では、自分では成しえない体験を読書によって得られたり、昔の登山家に思いを馳せたり、山の歴史を知ることもできます。山に登る人もそうでない人も、この秋はぜひ山岳小説を手に取ってみてください。

Let’s enjoy the mountain novels
山岳小説を楽しもう!

編集部おすすめ記事


      紹介されたアイテム

      孤高の人〈上〉 (新潮文庫)
      神々の山嶺(上) (集英社文庫)
      黒部の山賊 アルプスの怪
      青春を山に賭けて (文春文庫)
      北壁の死闘 (創元ノヴェルズ)
      春を背負って (文春文庫)
      残された山靴 (ヤマケイ文庫)
      劒岳 〈点の記〉 (文春文庫)
      灰色の北壁 (講談社文庫)
      バーティカル・リミット (ソニー・マガジ…
      脱出山脈 (ハヤカワ文庫NV)
      遥かなる未踏峰〈上〉 (新潮文庫)
      ジャラナスの顔 (1978年) (ハヤカ…
      サイトを見る
      大クレバス 中古

      関連する記事

      関連する山行記録 byヤマレコ

      たくさんの山岳小説
      この記事が気に入ったら
      「いいね!」をしよう
      登山専用コミュニティサイト「ヤマレコ」