野草を摘んで食べてみた

【自給自足決定版!】意外とおいしい!身近な「野草」を摘んで食べてみた

里山や郊外をハイキングすると、さまざまな「野草」を見つけることができます。ツクシやヨモギをはじめ、これらの野草は「食べられる」ということを知っていますか? 身近な野草が見つかる季節や場所、食べ方(調理法やレシピ)を長野県在住の登山ガイドが紹介します。

目次

アイキャッチ画像撮影:筆者

里山歩きの足元には「食べられる野草」がこんなにも!

コゴミ

撮影:筆者

普段何気なく歩いている登山道の道端にはいろいろな植物が生えていますが、実は食べられるものもあることを知っていますか?

歩きながら摘んでくれば、下山して家に帰ってからのお楽しみも倍増、万が一のビバークの時にも役に立つこと間違いなし。この機会に覚えてみませんか。

野草が見つかるのはこんな場所です

野草の生えていそうな場所

撮影:著者(こんな道端にもニラが生えています)

田舎の道端や里山のなか、高山だけでなく、都市郊外の空き地や畦道などにも食べられる野草はたくさんありますが、知らなければそんなこと思いもしませんよね。僕もそうでした。人間もお気に入りの場所があるように、野草もものによって好みの場所があり、知っていると、「あ、あれがあるかも」と見つけることができます
たとえば同じシダの仲間でも、日当たりのいい原っぱにはワラビ、ちょっと湿った山の中ならばゼンマイ、沢筋ならばコゴミ、といった感じです。

野草って勝手に採ってもいいの?

悩む人
出典:PIXTA

草が生えている場所は国や自治体や会社や団体か個人かは不明ですが、いずれにしても「誰かの土地」です。

ワラビやタラノキ、ウドなどは栽培している場合もありますし、その土地の所有者が商売として山菜を採っているところもあり、それを知らずに採ると怒られます。近くに誰かいれば、声をかけて、とってもいいか聞いてみるのが無難です。

採っていいと言われた場合も、株を丸ごと鎌で刈り取ってしまうと絶えてしまうようなものもありますので、節度を守って採りましょう

また、国立公園、国定公園、都道府県立自然公園では、植物は特別に保護されていますので、その中での採取は特に御法度です。このような「原則」はありますが、国立公園等以外での場所で、一般的に「雑草」と思われている野草はたいがい問題ありません。
野草は栽培された野菜とは異なり、管理がされていません。農薬や除草剤がかかっていそうなところでの採取は避けた方が良いでしょう。また基準値以上の放射能が山菜から検出されている地域もあるので、そういったことも頭に入れておきましょう。

畑の持ち主が植えて育てていると思われるので無断採取はNG

撮影:筆者(畑の脇にウドが生えている。畑の持ち主が植えて育てていると思われるので無断採取はNG)

野草を食べるのって大変? 下処理と料理について

調理

出典:PIXTA

買ってきて洗えばそのまま使えば食べられる野菜と違って、野草をおいしく食べるにはちょっと手間がかかるものが多いです。採るときに気をつけるといいこと、あく抜きや皮むきなど料理の時のポイントを解説します。ひと手間も楽しむつもりで、ぜひ挑戦してみてくださいね!

下処理の方法

1)ごみを取る
下処理の際に土や枯れ葉などを丁寧に取り除きます。細かなごみは洗って取るのも手間がかかるので、採取する場所で除いておくのがベターです。

2)皮を剥く
茎を食べたいけど皮が固いという植物の場合には、ゆでたりあく抜きした後で皮を剥いてから料理します。
上:採ってきたゼンマイ 下:毛と葉の除去後

撮影:筆者(上:採ってきたゼンマイ、下:毛と葉の除去後)

3)あくを抜く

そのまま生で食べられるものもありますが、山菜には基本的に「あく」があります。あくを抜かないと、えぐみのためにおいしく食べられないですし、ものによっては身体によくないこともあります。

あく抜きの方法にはあくの強さによって、水にさらす茹でる炒める揚げるなどを使い分けます。たとえば、コゴミ(クサソテツ)は茹でるだけで食べられますが、ワラビはあくが強いので灰や重曹とともに茹でるか、熱湯につけてあくを抜きます。

手間がかかるあく抜きですが、揚げてしまえば簡単に抜けます。よく山菜を天ぷらにするのはそのためです。

灰をまぶして熱湯に浸してゼンマイのあくを抜く

撮影:筆者(灰をまぶして熱湯に浸してゼンマイのあくを抜く)

【見つけやすさレベル別】「食べられる」野草図鑑

上左:ユキノシタ 上中:ヨモギ 下:ウド、右:ワラビ

撮影:筆者(上左:ユキノシタ、上中:ヨモギ、下:ウド、右:ワラビ)

ここからいよいよ野草の紹介です。身近にとれる野草のとれる時期、よく生えている場所、あく抜きの方法、おすすめの調理方法など、参考にしてみてください。

おなじみの「ほぼ雑草」:初級★☆☆☆

都市部でも簡単に見つかる発見難易度の高い野草。ほぼ雑草と読んでもいい部類ですが、意外と食べられます。

タンポポ(蒲公英)
タンポポ

撮影:筆者

身近でもよく見かけるおなじみの雑草ですが、実は食べられます。もともと日本にあったタンポポと、外来種の西洋タンポポがあります。

【時期】春、セイヨウタンポポは通年
【採れる場所】日当たりのよい場所
【あく抜き】若葉や花を塩茹でして水にさらす。
【調理方法】おひたし、きんぴら、酢の物、天ぷら、炒め物 など
【その他の利用方法】煎じて胃腸薬や解熱剤とする、葉や根を煎ってお茶にする。

アサツキ(浅葱)、ノビル(野蒜)

アサツキ ノビル

撮影:筆者

ネギの仲間です。市販のワケギとほぼ同じと考えてよいです。香りがより豊かです。白馬地方の高山に生えるシロウマアサツキもこの仲間です(国立公園内は採取禁止です)。ノビルもアサツキとほとんど同じですが、ノビルは鱗茎が太るのでこれも食べられます。

【時期】春
【採れる場所】湿り気のある場所、日当たりのよい場所
【あく抜き】生食可
【調理方法】薬味、炒め物、汁の実など何でも。ネギと同じように。ノビルの鱗茎は味噌をつけてかじる。
【その他の利用方法】鱗茎を潰して汁をかゆみ止めに。
【見分けるポイント】ワケギと同じで、茎は中空ですっと生えています。特に間違えそうな植物はありませんが、これも匂いをかげば間違えません。

ヨモギ(蓬)
ヨモギ

撮影:筆者
和菓子などでもおなじみなので、味や香りも想像がつきやすい野草です。成長すると葉が硬くなるので、新芽を摘みましょう。

【時期】春~夏
【採れる場所】日当たりの良い場所
【あく抜き】新芽を茹でる
【調理方法】天ぷら、汁の実、炒め物、混ぜご飯、草餅 など
【その他の利用方法】干してお風呂、ヨモギ蒸しに。煎じて腹痛や解熱に。生の葉の汁を傷薬や虫刺されに。葉の羽毛をお灸に。葉を水中眼鏡にこすりつけてくもり止めに。
【見分けるポイント】揉むと独特の香りがします。

ツクシ(土筆)、スギナ(杉菜)
ツクシ

撮影:筆者(ツクシ)

スギナ

撮影:筆者(スギナ)

こちらもタンポポと同じく春の野でよく見ると思います。「土筆」も「杉菜」も形をよく表した字です。

【時期】春
【採れる場所】日当たりの良い場所
【あく抜き】ツクシ→袴を取ればそのまま使える、スギナ→塩茹でして水にさらす。
【調理方法】ツクシ→混ぜご飯、卵とじ、佃煮、天ぷら、きんぴら など/スギナ→お好み焼きなどの具に
【その他の利用方法】スギナは天日干しして煎じ、利尿剤として。

フキ(蕗)
フキ

撮影:筆者

フキノトウの花が咲いて茎が伸びて枯れてくると葉も出てきます。これがいわゆるフキです。

【時期】春~夏
【採れる場所】湿り気のある場所
【あく抜き】茹でて水にさらす。
【調理方法】茎→きゃらぶき、煮物、漬け物 など/葉→天ぷら、炒め物 など

里山&郊外なら見つかる:中級★★☆☆

都市部というよりは、郊外の空き地や畦道、里山あたりで見つかる野草です。ハイキングついでにぜひ。

ワラビ(蕨)
ワラビ

撮影:筆者

山菜ごはんや山菜うどんそばなどによく入っている野草。シダの仲間です。

【時期】春~初夏
【採れる場所】日当たりのいい場所
【あく抜き】木灰か重曹をまぶして熱湯をかけ一晩おく、または木灰か重曹と一緒に茹でる。あるいは揚げる。
【調理方法】おひたし、天ぷら
【その他の利用方法】根を掘り出してデンプンを精製してワラビ粉に。

ゼンマイ(薇)
ゼンマイ

撮影:筆者

ワラビと同様にシダの仲間です。茎の先の葉の違いで「オトコ」「オンナ」があり、「オンナ」のみ食べるという地域が多いです。

【時期】春~初夏
【採れる場所】湿った場所
【あく抜き】葉を取り除いてから木灰か重曹をまぶして熱湯をかけ一晩おく、または木灰か重曹と一緒に茹でる。
【調理方法】あく抜きしたものを揉みながら干して乾燥させたものを水で戻して煮物、漬け物、炒め物などにする。
【見分けるポイント】手でたやすく取れる羽毛状の毛が生えている。

ミツバ(三葉)
ミツバ

撮影:筆者

文字通り3枚の葉が茎の先についています。栽培種と違って茎は長くなりませんが、より味わい深いです。

【時期】春~初夏
【採れる場所】日陰の湿っぽい場所
【あく抜き】軽く湯通し
【調理方法】市販のミツバと同様
【見分けるポイント】キツネノボタンと間違えることがあります。両脇の葉2枚が茎に密着していること、茎を揉むと特有の香りがすることを一本一本確認してください。

サンショウ(山椒)
サンショウ

撮影:筆者

ウナギの蒲焼きにお馴染みのサンショウです。香辛料としては雌の木になる実を乾燥させてすりつぶして使います。葉っぱも香りづけに使えます。

【時期】春~秋
【採れる場所】湿った場所
【あく抜き】生食も可
【調理方法】葉→薬味、佃煮、和え物 など/実→薬味
【その他の利用方法】葉っぱを醤油に漬け、山椒風味の醤油として調味料に。

山間部に生育する「ほぼ山菜」:上級★★★★

気候などもあり、採れるエリアは山間部が多いカテゴリーです。都会では「ほぼ山菜」扱いされるものもありますが、山間部の里では普通に採れる「やや雑草」に属するものも。

フキノトウ(蕗の薹)
フキノトウ

撮影:筆者

春一番に出て来る野草です。地域によって「フキボコ」「チャンメロ」などの呼び名があります。枯草や雪から出たばかりのものは苦みも少なく特においしいです。

【時期】春
【採れる場所】湿り気のある場所
【あく抜き】火を通せばよい。
【調理方法】ふき味噌、炒め物、汁の実、天ぷら、佃煮 など
【その他の利用方法】天日干しして煎じて咳止めや胃薬に。

コゴミ(クサソテツ)(草蘇鉄)
コゴミ(クサソテツ)

撮影:筆者

雪国や標高のある程度高い場所ではお馴染みの山菜ですが、標高の低い地域の方には初耳かもしれません。ワラビやゼンマイと同じシダの仲間ですが、あくが少なく美味です。

【時期】春
【採れる場所】沢沿いや湿地など
【あく抜き】軽くゆがく。
【調理方法】おひたし、ごま和え、汁の実、炒め物、天ぷら など。
【見分けるポイント】シダの仲間は茎に毛や鱗片がついているものがほとんどですが、コゴミにはほとんどついていません。

ウド(独活)
ウド

撮影:筆者

市販のウドはもやしのように日を当てないで育てているので白いですが、野山の野生のものやそれを移植して育てているものは青々と育ちます。大きくなるものの中は空洞で冬には枯れてしまい「ウドがら」のみになることから、「ウドの大木」という言葉もできました。

【時期】春~初夏
【採れる場所】湿っぽい場所
【あく抜き】新芽→軽く火を通す/茎→塩や酢で茹でる/花・実→揚げる
【調理方法】おひたし、ごま和え、汁の実、炒め物、天ぷら など。

アザミ(薊)
アザミ

撮影:筆者

里から高山まで、アザミの仲間はたくさんあります。アザミの仲間はどれも食べられますが、種類によってあくの強さや大きさが異なります。野草として好んでよく食べられるのはその中の数種類です。意外なおいしさです。

【時期】春~初夏
【採れる場所】種類による
【あく抜き】若芽→塩茹でして水にさらす。あくの強い種類は長くさらす。棘は湯がくと気にならない。/茎→塩茹でして皮を剥く。/根→よく洗う。
【調理方法】若芽→天ぷら、おひたし、和え物 など/茎→おひたし、漬け物、和え物、佃煮 など/根→きんぴら、漬け物

ユキノシタ(雪の下)
ユキノシタ

撮影:筆者

ユキノシタという名前ですが、雪国でなくても見られます。柔らかい葉が出てくるので長い期間にわたって楽しめます。

【時期】通年
【採れる場所】湿った場所
【あく抜き】塩茹で
【調理方法】天ぷら、汁の実 など。
【見分けるポイント】葉っぱの模様が特徴的です。葉っぱや茎に毛が生えていますが、熱を通すと気にならなくなります。

カタクリ(片栗)
カタクリ

撮影:筆者

片栗粉は今ではジャガイモのデンプンを便宜的に使っていますが、元々はこのカタクリの鱗茎のデンプンを精製していました。観賞用に保存している地域も多く、また地下部まで掘り起こしてしまうと絶えてしまうので、採る場合には地上部を節度をもって採りましょう。

【時期】春
【採れる場所】林の中
【あく抜き】花や葉を軽く湯通しする
【調理方法】おひたし、汁の実、天ぷら など

イラクサ(深山刺草)
イラクサ

撮影:筆者

別名イラ、アイコ。その名の通り、棘が刺さると痛がゆくなるので、ゴムやビニールの手袋をして採ります。ゆがくとこの棘は気にならなくなり、おいしく食べることができます。

【時期】春~初夏
【採れる場所】湿った場所
【あく抜き】塩茹で
【調理方法】茎を塩茹でして皮を剥き、おひたし、一夜漬け、煮物などに。

ウワバミソウ(蟒蛇草)
ウワバミソウ

撮影:筆者(ぎざぎざの葉っぱの方がウワバミソウ)

別名ミズ、ヨシナ。なんとも気味の悪い名前ですがおいしいです。ウワバミ(大蛇)の出そうな湿地に群生するから、おなかいっぱい食べた蛇が消化を助けるためにこの草を食べるからその名がついたと言われています。

【時期】春~夏
【採れる場所】湿った場所
【あく抜き】塩茹で
【調理方法】茎を茹でて皮を剥き、おひたし、一夜漬け、煮物などに。
【その他の利用方法】茎をつぶした汁を傷や虫刺されに。

毒草かしれないので要注意!:★★★★

それほど発見難易度が高いものではありませんが、毒草との誤食で中毒患者が出やすい野草です。自信がないときは食用しないでおきましょう。

カンゾウ(萱草)
カンゾウ

撮影:筆者

漢方薬でよく使われる甘草と同じ読みですが、字が違います。使用頻度は少ないようですが、こちらも根や蕾を生薬にするそうです。ユリの仲間なので夏には鮮やかな花が咲きます。

【時期】若葉→春、つぼみ→夏
【採れる場所】日当たりのよい場所
【あく抜き】軽く茹でる
【調理方法】おひたし、汁の実、和え物、酢の物 など
【その他の利用方法】根を天日干しして煎じ利尿、止血、消炎薬とする。つぼみを茹でてから乾燥させ利尿、消化薬にする。
【見分けるポイント】球根の仲間と間違えないように。カンゾウは葉に艶はなく、丸く折れ曲がっています。球根の植物のように高くは伸びません。

ニラ(韮)

ニラ

撮影:筆者

八百屋やスーパーでもよく見る食材です。お店に並んでいるものよりはるかに小さい時から大きくなるまで、長い間楽しめます。所有者の了解がもらえれば、株ごと分けてもらい自宅の庭に移植するのもよいでしょう。

【時期】春~夏
【採れる場所】日当たりのよいところ
【あく抜き】軽く茹でる、炒める。
【調理方法】市販のものと同様に。レバニラ、ニラ玉、かき玉汁 など
【見分けるポイント】市販のものをイメージして探すと水仙など球根の植物と間違えがちです。慣れないうちは必ず匂いをかいでください。ニラであれば特有の匂いがするので間違いません。

セリ(芹)
セリ

撮影:筆者

春の七草にも数えられ、香りが清々しいおいしい野草です。

【時期】春~初夏
【採れる場所】水辺や湿地
【あく抜き】生食可
【調理方法】おひたし、汁の実、混ぜご飯 など
【見分けるポイント】同じような場所にドクゼリも生えるのでよく誤食されますが、これも匂いで区別できます。セリには特有の香りがありますが、ドクゼリにはありません。また、セリの根っこはひげ根ですが、ドクゼリには筍状の地下茎があります。慣れないうちは一本一本確認しながら摘むのが無難です。

ニリンソウ(二輪草)
ニリンソウ

撮影:筆者

花が二輪つくことからニリンソウという名前がついています。花がきれいなので、名所になっているところも多いです。

【時期】春
【採れる場所】湿っぽい場所
【あく抜き】塩茹で
【調理方法】汁の実、おひたし、天ぷら、卵とじ など
【見分けるポイント】生え始めは猛毒のトリカブトとよく似ていて、葉だけでは慣れないと見分けるのは難しいですが、トリカブトは春には花はつけないので、花や蕾が出ている株を採るようにすれば間違わずに食べることができます。ちなみに、トリカブトの花はその名の通り鶏の頭の形をした青色の花で、夏の終わりころに咲きます。

ギボウシ(擬宝珠)(ウルイ)
ギボウシ

撮影:筆者

花のつぼみが擬宝珠(お寺や神社の階段や橋などについている飾り)に似ているところからつきました。八ヶ岳の権現岳の近くにある「ギボシ」も同じ由来で、八ヶ岳が信仰の山であった歴史を物語っています。

【時期】春~初夏
【採れる場所】水辺や湿地
【あく抜き】軽くゆがく
【調理方法】おひたし、天ぷら、汁の実 など。
【見分けるポイント】新芽を毒のあるバイケイソウやコバイケイソウと間違えやすいですが、地面から芽が出たばかりのものは避け、茎が伸び始めてからのものを採るようにすれば間違えません。バイケイソウやコバイケイソウは一本の茎が立ち上がって伸びていきますが、ギボウシの仲間は根元から茎が束になって生えます。

普段通りの調理でOK!野草料理いろいろ

いちばん簡単なのは揚げ物で、強いあくもこれで抜けます。晴れた日に天ぷらをつまみにビールを飲むのは最高です。

オーソドックスな方法としてはこのほかに、おひたし、和え物、酢の物、汁物、煮物、一夜漬け、混ぜご飯(菜飯)などがあります。揚げるのと同様に、炒めることであくも抜けますので、中華もいいですね。ペペロンチーノ風にしたりジェノベーゼ風にしたり、洋風の料理も合います。

野草の天ぷら盛り合わせ

撮影:筆者

野草の天ぷら盛り合わせ。ユキノシタ、ウド、ヨモギ、ワラビ。 このほかに、アサツキと桜エビをかき揚げにしました。

レバニラ炒め

撮影:筆者

ちょうど鹿が獲れたので、新鮮なレバーを使った「レバニラ炒め」です。

ウルイのおひたし

撮影:筆者

さっと茹でた「ウルイのおひたし」。独特のぬめりがあります。
コゴミのごま和え

撮影:筆者

「コゴミのごま和え」。コゴミは茹でればあく抜きできるので手軽です。

カンゾウとホタルイカの酢味噌和え

撮影:筆者

「カンゾウとホタルイカの酢味噌和え」。ホタルイカの旬は春なので、まさに季節の味。

ワラビのおひたし

撮影:筆者

あく抜きが少し手間だけど、調理は簡単な「ワラビのおひたし」

ウドとベーコンの炒め

撮影:筆者

「ウドとベーコンの炒め」。ウドは穂先を天ぷらにしても香りがいいです。

似た植物にはくれぐれも気をつけて!

上はニラ(食用可) 下はスイセン(毒草)

撮影:筆者

これまでの野草ごとの説明にも見分け方を書いてきましたが、間違えやすい種と絶対に間違えない見分け方を覚えましょう。

たとえば、上はニラ(食用可)、下はスイセン(毒草)。器の大きさの都合で根元は切り取っています。 葉っぱの見た目だけで区別しようとすると、主脈の有無や色の違いなどで見分けるしかなく、見慣れないと難しいです。慣れないうちは絶対に匂いをかいで区別してください。水仙などと良く誤食されて毎年中毒者が出ますが、匂いをかげば一発で分かります。

ギボウシ(ウルイ)はコバイケイソウやバイケイソウとよく間違われますが、葉の生え方が違うので見分けられます。ニリンソウはトリカブトと良く誤食されますが、花がついていれば絶対に間違えません。

最初はよく知っている人に案内してもらうのがいちばんですが、身近にいない場合は、図鑑とよく見比べて特徴を五感でよく確認しましょう。

図鑑はこのように、絶対に間違えない見分けるポイントが書かれているものを選びましょう。それでも確信が持てないときには絶対に食べないでください

食べる野草図鑑 季節の摘み菜レシピ105 (岡田恭子・著)

<内容詳細>
あの野草もこの薬草も全部おいしく食べられる! 食べられる野草で作るおいしいレシピをご紹介します。【主な予定内容】●野草や薬草を使ったナチュラルレシピを公開●たんぽぽのピザやヒルガオの甘いタルトまでご紹介●和食に限らず、洋食やデザートも満載! ●安全に食べるためのコツと解説付き

山菜・野草の食いしん坊図鑑 おすすめ103種の見分け方・食べ方 (松本則行・著)

四季を感じ、生きる喜びを感じる野草食

里山

出典:PIXTA

いまやハウス栽培や冷蔵保存の技術が発達して一年中好きな野菜が手に入る世の中ですが、その季節にしか手に入らないものは栄養価も高くおいしさもひとしお。自分の手で摘んで料理すれば、食べる喜びも普段以上に感じられることでしょう。
ぜひ普段の山歩きの視点を変えて、身近な自然で食べる楽しさを満喫してみてはいかがでしょうか。

関連記事