【3】超簡単&便利な輪を使った結び方|ガースヒッチ

撮影:ぶん
『ガースヒッチ』は日常でも使うことの多い結びの1つ。輪になっているロープをいろんなモノに結びつけることができます。いわゆる“携帯ストラップ”の装着方法と同じ要領です。
荷重がかかることで摩擦により結び目が締めつけられ、見た目以上にしっかり固定することが可能。荷重を外せばいとも簡単にほどけるのも大きな特徴です。
ガースヒッチは『スリング』の活用としても使えるロープワーク。先ほどのフィッシャーマンズノットでスリングを作ってから練習してみましょう。
特徴
・スリングを使ったロープワークで、輪になったロープを固定できる
・荷重がかかることで固定力が増す
・荷重がなくなれば簡単にほどくことができる
こんな登山シーンで活躍
<小物にヒモをつけたいときに>
撮影:ぶん
ストラップなどのヒモを小物に結びつける際に便利なロープワーク。付ければ外れる可能性は限りなく低く、外したい時は簡単に取れます。
<物を吊るす支点として>
撮影:ぶん
ガースヒッチは、荷重が加わることでしっかり固定できるのが特徴。カラビナを使って物を吊るしたり、強度の高い細引きを使えばタープの支点としても活用できます。
ガースヒッチの結び方
フィッシャーマンズノットで作ったスリングを用意します。テーブルの柱などを使って練習してみましょう。
【1】結びつけたい物体にスリングを回します。
【2】片方の端をもう片方の端の輪の中に通します。
【3】そのまま引っ張り、結び目を締めます。
【4】あっという間にガースヒッチの完成!末端側に荷重がかかることで、結び目が強く締めつけられます。
▼ここでワンポイント
細引きの“結び目”が真下にこないように調整しましょう。
▼動画で流れをチェック
撮影:ぶん
【知っておきたい予備知識】ロープの末端処理について

撮影:ぶん(左がほつれ止めの処理をしたロープ)
細引きの扱いに慣れてくると、必要な長さにカットして使う場面も出てくるでしょう。そうなった時、先端を切ったままにしておくと、どんどんほつれてしまい、ほつれた部分は使えなくなってしまいます。
それを予防するためには、末端に「ほつれ止め」の処理をする必要があります。
処理方法はいたって簡単!

撮影:ぶん
ほつれ止めの処理はいくつかのやり方がありますが、ライターを使った方法が一番手軽です。
- ロープの先端ライターであぶる(先端が少し溶け出せばOK)
- 溶けた繊維が固まる前に指で内側につまむ(熱いのでヤケドに注意)
- 繊維が固まったら完成
「細引き+ロープワーク」で男前登山者まちがいなし!

撮影:ぶん
【細引き】という道具は【ロープワーク】と組み合わせることで、さまざまなシーンで役に立ちます。さらに、技術を積み重ねることでULハイクなど登山の幅も広がっていきます。
そのためにも、まずはロープワークをしっかり身につけることが大切です。何度も練習をした後、ぜひ本番の登山で使ってみてください。実際の山でやってみることがなによりも自身の経験に繋がっていくはずです。
山でサラッと使って、周りを「おっ!」と思わせるような男前登山者になっちゃいましょう!