活用法は無限大!?ナイトアイズ「エスビナー」を登山で使ってみた

2022/11/09 更新

カラビナといえばクライミングなど先鋭的な登山以外では無縁のアイテムでしたが、ゲートを開くだけで様々なモノを「通して・引っかける」ことができる利便性から、最近は便利グッズとして日常生活にもすっかり定着。

そんな中で人気のアイテムが、アメリカのアウトドア用品メーカー・NITE IZE(ナイトアイズ)のエスビナーです。今回は登山の際の便利アイテムとして、エスビナーの多様な活用法を実践してみました。

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制作者

山岳ライター・登山ガイド

鷲尾 太輔

登山の総合プロダクション・Allein Adler代表。登山ガイド・登山教室講師・山岳ライターなど山の「何でも屋」です。登山歴は30年以上、ガイド歴は10年以上。得意分野は読図(等高線フェチ)、チカラを入れているのは安全啓蒙(事故防止・ファーストエイド)。山と人をつなぐ架け橋をめざして活動しています。 公益社団法人日本山岳ガイド協会認定登山ガイドステージⅠ 総合旅行業務取扱管理者

鷲尾 太輔のプロフィール

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アイキャッチ画像撮影:鷲尾 太輔

そもそも「エスビナー」ってどんなアイテム?

キーホルダーとして活用する人が多いSビナー
撮影:鷲尾 太輔(キーホルダーとして活用する人が多いSビナー)
S-Biner(エスビナー)は、アメリカのアウトドア用品メーカー・NITE IZE(ナイトアイズ)の代表作。

その名の通り、本体がS字型になったカラビナで、ゲート(開口部)が両側にあるデザインが特徴。キーホルダーなどに活用している人も多い人気のアイテムです。

2008年には、アメリカのアウトドア雑誌『BACKPACKER MAGAZINE(バックパッカー マガジン)』で、その年の最も優れたアウトドア製品に贈られる「Editor’s Choice賞」を受賞しています。

登山でも使えるかも!?

今回、登山での活用法を探るべく用意したSビナー各種
撮影:鷲尾 太輔(登山での活用法を探るべく用意したSビナー各種。サイズによって型番が異なる
様々な活用法がありそうなエスビナー。登山でも色々なシーンで役立つのでは……?

そこで今回、堅牢性の高いステンレス製の全8種類(別途アルミ製・プラスチック製もあり)を用意。登山シーンにおける活用法を探っていきましょう。


【活用法①】ザックへの様々なアイテムの装着に

ザックのグリップにおにやんま君を装着
撮影:鷲尾 太輔(ザックのグリップにおにやんま君を装着。大きめの#4を使用)
ふたつのゲート(開口部)にふたつのループを通せるエスビナーは、ザック各部のベルトやループに様々なアイテムを装着するのにぴったり。

今回は虫除けに効果があると言われている「おにやんま君」を装着してみました。安全ピンなどで装着している人が多いアイテムですが、エスビナーだとより手軽に、しっかりと装着可能です。

「ココヘリ」の発信機も装着可能
撮影:鷲尾 太輔(「ココヘリ」の発信機も装着可能。#1を使用)
小さめの#1でコード状のストラップと会員制捜索ヘリサービス「ココヘリ」の会員証(発信機)も装着可能。「ココヘリ」発信機はザックの雨蓋への収納や上部への取付が推奨されているので、おすすめです。

ただし、過度に大量のアイテムをザックに外付けするのは、他の登山者や木の枝に引っ掛かって転倒・滑落するリスクを増加させることもあるので注意しましょう。


【活用法②】よく使う小物の一時保管に

ザックのショルダーストラップにコンパスを装着
撮影:鷲尾 太輔(ザックのショルダーストラップにコンパスを装着)
大きめの#4・#5などのエスビナーを常にショルダーストラップに取り付けておくと、何かと便利。今回はコンパスを取り付けてみました。首にかけておくよりも低い位置になるため、コンパスが見やすくなりましたよ。

ザックからの出し入れが面倒なアイテムが特におすすめ!

帽子やグローブなど、様々なアイテムの保管にも便利
撮影:鷲尾 太輔(帽子やグローブなど、様々なアイテムの保管にも便利)
状況に応じて使ったり使わなかったりするアイテムは、いちいちザックに収納して出し入れするのは面倒ですよね。どこにしまったか分からなくなったり、紛失してしまうことも。

写真で紹介した帽子やグローブの他、ストラップを付けたサングラスや腕に日焼け痕を作りたくない時の腕時計など、様々なアイテムを簡単に取り付けて保管可能。必要な時にはすぐに使うことができます。

何も付けていない時には、タオルや手拭いをかけておいても便利ですよ。

【活用法③】大切なアイテムの紛失防止に

サイドポケットのナルゲンボトルをザックのコンプレッションベルトと連結
撮影:鷲尾 太輔(サイドポケットのナルゲンボトルをザックのコンプレッションベルトと連結)
登山道に落ちているペットボトルやナルゲンボトルを見かけたことはありませんか。これらの大半はわざと捨てたものではなく、知らぬ間にザックのサイドポケットから滑り落ちてしまったもの。

ペットボトルはストラップ付きのケースに入れる必要はありますが、ナルゲンボトルはそのままザックのサイドにあるコンプレッションベルトなどとエスビナーで連結可能。紛失の心配はありません。

現金支払の多い登山では、財布を置き忘れてしまうことも多いもの。ストラップ付きのアウトドア用財布を、ザックやサコッシュと連結しておくのもおすすめです。

【活用法④】小さなアイテムの「まとめ」に

クライミング用のナッツをまとめてハーネスに連結
撮影:鷲尾 太輔(クライミング用のナッツをまとめてハーネスに連結)
ループ付きのテントペグなど、バラバラになって困るアイテムの「まとめ」にも便利なエスビナー。写真ではクライミング用のナチュラルプロテクションの1種であるナッツをまとめてみました。

ただしあくまでもナッツの保管用、エスビナー自体は絶対にクライミングやレスキューには使用しないでください。

【活用法⑤】テントやツエルトの設営に

地面にペグが刺せない時の使用例
撮影:鷲尾 太輔(地面にペグが刺せない時の使用例)
岩場など「地面が固くてペグが刺さらない……」という経験はありませんか。こんな時はペグを横向きにしてテントのループに通し、両側を重い石でおさえて固定します。

この時ペグとテントのループを#4・#5などの大きめのエスビナーで連結してあげると、石とテントの距離が大きくなります。石の形状などでテントを傷つけてしまう懸念があったり、テントへの出入りに邪魔な時には、おすすめの使用法ですよ。

テント内部にヘッドライトをぶら下げた使用例
撮影:鷲尾 太輔(テント内部にヘッドライトをぶら下げた使用例)
もちろん、テントの中でもエスビナーは大活躍。写真はテント内側のループにエスビナーをかけてヘッドライトをぶら下げたものです。複数のエスビナーを持っていれば、ゴミ袋など様々なものをぶら下げることが可能。

ただでさえ狭いテントの中、床だけでなく上部の空間も活用することで、アイテムをすっきりと整理することができますね。

素早いツエルト設営にも活躍!

トレッキングポールがない時のツエルト設営
撮影:鷲尾 太輔(トレッキングポールがない時のツエルト設営)
ツエルト設営の際、通常はトレッキングポールを柱にしてツエルトを建てます。しかしトレッキングポールを持参していない場合、両側の樹木とツエルト上部のループを自在ひもで連結する必要が。

撮影:鷲尾 太輔(エスビナーがあればスピーディーに自在ひもとループを連結可能)
この場合ダブルエイトノットという結び方で自在ひもの末端をループに通して固定するのですが、ロープワークに慣れていないと時間がかかりがち。

エスビナーがあれば、あらかじめ輪っかにしておいた自在ひもの末端とループを連結するだけ。ツエルトはビバークや急な悪天候などの緊急時に使用するからこそ、設営のスピードアップは安全の観点からも重要です。

グランドシートがタープに早変わり!

撮影:鷲尾 太輔(テントのグランドシートをタープにしてみました)
四角に穴やループがあるレジャーシートやテントのグランドシートを活用して、タープも作成可能。シートの上部2箇所と木から吊るしたスリングをエスビナーで連結、下部2箇所をペグで地面に固定しています。

木から吊るしたスリングとグランドシート端のループをエスビナーで連結
撮影:鷲尾 太輔(木から吊るしたスリングとグランドシート端のループをエスビナーで連結)
スリングを木から吊るす時は、レジャーシートやグランドシートの幅よりも大きな間隔を空けると、タープがたるまずピンと張ることができますよ。

【活用法⑥】万が一のトラブル対応に

靴底剥がれの応急処置にも活躍するエスビナー
撮影:鷲尾 太輔(靴底剥がれの応急処置にも活躍するエスビナー)
万が一の靴底剥がれ、どう対処していますか? テーピングを巻いて固定するという方法もありますが、筆者は靴底のラグ(滑り止めの突起)が覆われてしまわないよう、ラグの間にも食い込むヘアゴムを使用しています。

しかし、歩いているうちに「すっぽ抜けて」紛失してしまうことがありました。エスビナーでヘアゴムと靴ひもを連結することで、この問題が解消されたのです。

スライドロック付きのエスビナー
撮影:鷲尾 太輔(スライドロック付きのエスビナー)
こうした場面では、スライドロック付きのエスビナーがおすすめ。文字通り黒いパーツがゲートの上をスライドして開口部をロックするので、ゲートが知らぬ間に開いてしまうことを防止してくれます。

ナイトアイズの便利アイテムがあれば、痒いところに手が届く!

登山でも様々なシーンで活躍するエスビナー
撮影:鷲尾 太輔(登山でも様々なシーンで活躍するエスビナー)
エスビナーを製造しているナイトアイズは、学生時代に夜釣りをしていて懐中電灯を水中に落としてしまった創業者が、懐中電灯を取り付けるヘッドバンドを開発・販売。これが大好評を博したことに始まる、ユニークなブランドです。

現在はサイクリング・フィッシング・キャンプなどのアウトドアから、犬の散歩や整理整頓などの日常生活まで、独創的なアイディアで様々なアイテムを開発し続けています。

結ばずにロープを固定できる「フィギュア9」
撮影:鷲尾 太輔(結ばずにロープを固定できる「フィギュア9」)
結ばずにロープを固定できる「フィギュア9(写真)」や、充電器具のコードなどを簡単にまとめられる「ギアータイ」などはその代表的なアイテム。

ナイトアイズの製品はまさに、“痒いところに手が届く”のです。エスビナーも含めてその活用法は無限大。あなただけのアイディアで、登山のあれこれをより快適にしてみませんか?

ステンレス製エスビナー全8種類はこちら

ナイトアイズ エスビナー#1

切れてしまったテントの張り綱の連結に

サイズW16×H40×D6mm
開口部サイズ7mm
重量4g
耐荷重2.3kg
素材ステンレススチール

ナイトアイズ エスビナー#2

張り綱とツエルトの連結に

サイズW22×H50×D6mm
開口部サイズ9mm
重量7g
耐荷重4.5kg
素材ステンレススチール

ナイトアイズ エスビナー#3

テント内に様々なアイテムを吊るす時に

サイズW30×H68×D7mm
開口部サイズ12mm
重量14g
耐荷重11kg
素材ステンレススチール

ナイトアイズ エスビナー#4

ザックのショルダーハーネスにアイテムをつなぐ時に

サイズW40×H89×D8mm
開口部サイズ17mm
重量29g
耐荷重33kg
素材ステンレススチール

ナイトアイズ エスビナー#5

ペグが刺さらないガレ場でのテント設営に

サイズW49×H111×D9mm
開口部サイズ21mm
重量48g
耐荷重45kg
素材ステンレススチール

ナイトアイズ エスビナー スライドロック#2

鍵など失くしたら困るアイテム(少量)のまとめやザックとの連結に

サイズW22×H50×D8mm
開口部サイズ6mm
重量7g
耐荷重4.5kg
素材ステンレススチール、プラスチック(ロック部分)

ナイトアイズ エスビナー スライドロック#3

アウトドア用財布とサコッシュの連結に

サイズW30×H68×D10mm
開口部サイズ10mm
重量15g
耐荷重11.3kg
素材ステンレススチール、プラスチック(ロック部分)

ナイトアイズ エスビナー スライドロック#4

靴底剥がれの応急処置に

サイズW40×H90×D11mm
開口部サイズ14mm
重量31g
耐荷重34kg
素材ステンレススチール、プラスチック(ロック部分)

まだまだある!ナイトアイズの便利グッズ

ナイトアイズ フィギュア9 カラビナー S

結ばずにロープを固定できるスグレモノ

より太いロープに対応するLサイズも展開しています。

サイズW34×H69×D8mm
重量13g
耐荷重22.5kg
対応ロープ直径2~5mm
材質アルミニウム、ステンレススチール

ナイトアイズ ギアータイ オリジナル 6インチ(15.2cm)

様々なコードの結束に大活躍

3インチ(7.6cm)、12インチ(30.4cm)、18インチ(45.7cm)、32インチ(82.1cm)、64インチ(162.5cm)も展開しています。

サイズW6×H152×D6mm
重量3g(1本当たり)
材質TPE(熱可塑性エラストマー)、ステンレススチール


 

 


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