初心者の山選び

感情を揺さぶって山好きを増やそう!登山にはまる7つの萌えポイントを徹底分解

あなたの周りに、登山に連れて行ってあげたい友達や親戚はいませんか?自然の中であなたと一緒に過ごす時間をきっかけにその人が「登山好き」になってくれたら、こんなに嬉しいことはないですよね!
登山好きを増やすのに大切なのが、「何が楽しいのか」を見つけてあげること。今回は登山ガイドである筆者の経験から、初めての人を2回目の登山につれていくためのポイントを解説していきます。

目次

アイキャッチ画像出典:PIXTA

登山って楽しい。だからその魅力をあの人にも知ってほしい

ハイキングする女性

出典:PIXTA

あなたの周りに、登山に連れて行ってあげたい友達や親戚はいませんか?あなたの好きな山登りを楽しいと思って、その人が「登山好き」になってくれたら、こんなに嬉しいことはないですよね。

しかし、1度目の登山がうまく行かず、2度目以降は登山に誘っても来てくれなったという苦い経験はありませんか?そんな失敗の陰には、あなたが見逃していた“大切なポイント”があるかも。

今回は登山ガイドである筆者の経験から、「連れて行った人を登山好きにするために大切なポイント」について解説します。

大切なのは”第一印象”。はじめての登山を成功させよう!

歩く人

出典:PIXTA

当たり前のようですが、はじめての登山は重要です。ここで失敗すると登山にマイナスのイメージ持たれてしまい、2度目の登山はないかもしれません。

編集部青柳
実は昔、登山が初めての人を連れて行った時に失敗したことがあるんです。コースタイムより遅くなることを想定して計画していたのですが、その想定よりも大幅に時間がかかってしまって。

下山中に暗くなり大変な思いをさせてしまったので、それ以来”超”がつく低山にしか一緒に行ってもらえなくなりました。


このように、余裕を持っていてもそれ以上に遅くなってしまったなんて失敗談も。
登山初心者を連れて行く場合は、

・標高差500〜600m以内
・歩行時間4時間以内を目安

など、無理なく楽しんで歩くことのできる山をチョイスしましょう。そして、連れて行った人が登山中どんなところに興味や感動を抱いたかをしっかり感じとることが大切です。

初登山は”バラエティに富んだ”ルートを選ぶべし!

ストックでポージング

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もちろん人によって、楽しいと感じるポイントは違います。それを見つけるために重要なのが、最初にバラエティに富んだ山を選ぶこと。
例えば、首都圏近郊で人気の「高尾山」。グルメや寺社仏閣めぐりなど、山頂からの景色以外にもたくさんの魅力があります。

このように地形・景観・名所などのバラエティに富んだルートを選ぶことで、「興味喚起のチャンス」をたくさん設けてあげることがポイントどんな場所でゆっくり立ち止まったり、感嘆の声を漏らしているか、さり気なく見守ってあげてください。その人が興味をそそられた“要素”すなわち「萌えポイント」がわかるはずです。

徹底分解!登山の「萌えポイント」

高尾山の登山地図

提供:YAMAP

今回は、東京都心や関東近郊からのアクセスも良く、ケーブルカーやリフトもあって登山初心者でもチャレンジしやすい高尾山を具体例としてみていきます。

コースとしては、登りは1号路(表参道コース)を使って山頂まで上り、6号路(びわ滝コース)を使って降ります。

杉の巨樹と渓流沿いの平坦な道から始まり、金比羅台から続く尾根から望む八王子城址、ケーブル高尾山駅周辺に立ち並ぶ茶店での味覚、薬王院の壮大な伽藍(がらん※1)やお守りなどの参詣記念品と、さまざまなお楽しみ要素が山頂まで連続。下りの6号路は、春にはスミレの群落となる尾根や飛び石を渡りながら歩く渓流と続き、ハイライトのびわ滝を経て下山する周回ルートです。(※2)

※1:伽藍(がらん)とは、寺院の建物の総称のこと。

※2:6号路は11月の紅葉時期やゴールデンウィークなど混雑する時期には登り方面の一方通行となるので、事前の情報収集を忘れずに。

ライター鷲尾
それでは、登山中に興味をそそられるであろう「7つの萌えポイント」を要素別にご紹介します。

萌えポイント①歩いた分だけもっと美味しくなる!?《茶屋・茶店グルメ》

十一丁目茶屋

撮影:washio daisuke(十一丁目茶屋)

高尾山の1号路〜山頂には、たくさんの茶店があります。お団子やソフトクリームなどの軽食から高尾山名物の蕎麦まで、各茶店で趣向を凝らした品揃えが魅力的。

ライター鷲尾
山を歩いて疲れた身体に染み込む、おいしいごはんの味。あの美味しさを実感してもらえれば、きっと登山が忘れられない思い出になるはず。

萌えポイント②ちっぽけな下界を実感できる《山上からの展望》

街を見渡す

撮影:washio daisuke(東京都都心方面の展望)

天気が良い日は、新宿の高層ビル群まで望むことのできる高尾山からの展望。「高いところから街を見る」という行為そのものが、新鮮に感じるはず。

ライター鷲尾
登山者が当たり前に使う”下界”という言葉の意味を実感してもらうと同時に、街でのストレスをちっぽけなものと感じてもらえるといいですね。

萌えポイント③パワースポットで山岳信仰に触れられる《寺社仏閣》

薬王院

撮影:washio daisuke(高尾山・薬王院)

開山は8世紀に遡ると言われる歴史ある高尾山・薬王院。山全体が寺域とされたことから、豊かな自然が守られてきました。堂々とした伽藍やシンボルでもある天狗などだけでなく、お守りなども充実しています。

ライター鷲尾
御朱印集めやパワースポットめぐりを登山にプラスすることで、日本の登山の起源である山岳信仰に触れてみるのはいかがですか?

萌えポイント④木々の生命力にパワーを貰えそうな《巨樹や巨木》

神々しい巨木

撮影:washio daisuke(たこ杉)

名所である「たこ杉」をはじめ、薬王院参道の杉並木の中には樹齢数百年を超える巨木が数多くそびえています。どっしりとした幹や緑の回廊から放たれる香りで、長い年月を生きてきた生命を感じられるかもしれません。

ライター鷲尾
「森林セラピー」といった言葉を借りるまでもなく、森の息吹にパワーと癒しを感じて思い切り深呼吸する。それだけでリフレッシュできるはず。

萌えポイント⑤やっぱり日本一の山は最高!《山頂からの富士山》

富士山を拝む

出典:PIXTA(高尾山山頂・大見晴園地から見える富士山)

晴れた日に山頂から望むことができる日本で一番高い・富士山。丹沢・道志の山並を前景にひときわ高くそびえる美しい山容は、数々の芸術のモチーフにもなってきました。

ライター鷲尾
富士山の展望を気に入ってもらえれば「●●山からはもっと間近に富士山を見ることができるよ!」というように、次の登山も誘いやすくなります。

萌えポイント⑥可憐な姿にほっこり癒やされる《豊富な花々》

高尾山のスミレ

出典:PIXTA(高尾山のスミレ)

高尾山は隠れた植物の宝庫。高尾山で最初に発見された植物は60種を超え、「タカオスミレ」など山の名を冠した品種もあります。例年4月ごろに見られる、6号路の最初の尾根で見られるスミレの花は人気です。

ライター鷲尾
路傍にしゃがみこんで目線の高さを合わせて「花と会話する」。ゆっくりとした時間が流れる山だからこその楽しみです。

萌えポイント⑦マイナスイオンに癒やされる~《渓流・滝》

渓流

出典:PIXTA(6号路の渓流にある飛び石状の道)

6号路をさらに下ると、渓流の中を飛び石を渡りながら歩く道が出現し、沢沿いの登山道が続きます。ハイライトの琵琶滝をはじめ、せせらぎの音を聞きながら歩いてみましょう。

ライター鷲尾
マイナスイオン豊富な渓流や滝がもたらす水の潤い、苔むした岩や倒木が織りなす緑の階調など、癒やされること間違いなしの風景が広がります。水の流れや苔に掌で触れてみて、五感で山を楽しむのもおすすめ。

《萌えたポイント別》2度目の登山におすすめの山

最初の登山で”萌えたポイント”がわかったら、次は2回目の登山に誘いましょう。

実際に萌えたポイント別に、関東周辺でおすすめの山を紹介します。どこも日帰り可能で、標高差や歩行時間も抑えめにした2度目の登山に適したチョイスです。

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