登山って楽しい。だからその魅力をあの人にも知ってほしい
あなたの周りに、登山に連れて行ってあげたい友達や親戚はいませんか?あなたの好きな山登りを楽しいと思って、その人が「登山好き」になってくれたら、こんなに嬉しいことはないですよね。
しかし、1度目の登山がうまく行かず、2度目以降は登山に誘っても来てくれなったという苦い経験はありませんか?そんな失敗の陰には、あなたが見逃していた“大切なポイント”があるかも。
今回は登山ガイドである筆者の経験から、「連れて行った人を登山好きにするために大切なポイント」について解説します。
大切なのは”第一印象”。はじめての登山を成功させよう!
当たり前のようですが、はじめての登山は重要です。ここで失敗すると登山にマイナスのイメージ持たれてしまい、2度目の登山はないかもしれません。
下山中に暗くなり大変な思いをさせてしまったので、それ以来”超”がつく低山にしか一緒に行ってもらえなくなりました。
このように、余裕を持っていてもそれ以上に遅くなってしまったなんて失敗談も。
登山初心者を連れて行く場合は、
・標高差500〜600m以内
・歩行時間4時間以内を目安
など、無理なく楽しんで歩くことのできる山をチョイスしましょう。そして、連れて行った人が登山中どんなところに興味や感動を抱いたかをしっかり感じとることが大切です。
初登山は”バラエティに富んだ”ルートを選ぶべし!
もちろん人によって、楽しいと感じるポイントは違います。それを見つけるために重要なのが、最初にバラエティに富んだ山を選ぶこと。
例えば、首都圏近郊で人気の「高尾山」。グルメや寺社仏閣めぐりなど、山頂からの景色以外にもたくさんの魅力があります。
このように地形・景観・名所などのバラエティに富んだルートを選ぶことで、「興味喚起のチャンス」をたくさん設けてあげることがポイント。どんな場所でゆっくり立ち止まったり、感嘆の声を漏らしているか、さり気なく見守ってあげてください。その人が興味をそそられた“要素”すなわち「萌えポイント」がわかるはずです。
徹底分解!登山の「萌えポイント」
今回は、東京都心や関東近郊からのアクセスも良く、ケーブルカーやリフトもあって登山初心者でもチャレンジしやすい高尾山を具体例としてみていきます。
コースとしては、登りは1号路(表参道コース)を使って山頂まで上り、6号路(びわ滝コース)を使って降ります。
杉の巨樹と渓流沿いの平坦な道から始まり、金比羅台から続く尾根から望む八王子城址、ケーブル高尾山駅周辺に立ち並ぶ茶店での味覚、薬王院の壮大な伽藍(がらん※1)やお守りなどの参詣記念品と、さまざまなお楽しみ要素が山頂まで連続。下りの6号路は、春にはスミレの群落となる尾根や飛び石を渡りながら歩く渓流と続き、ハイライトのびわ滝を経て下山する周回ルートです。(※2)
※2:6号路は11月の紅葉時期やゴールデンウィークなど混雑する時期には登り方面の一方通行となるので、事前の情報収集を忘れずに。
萌えポイント①歩いた分だけもっと美味しくなる!?《茶屋・茶店グルメ》
高尾山の1号路〜山頂には、たくさんの茶店があります。お団子やソフトクリームなどの軽食から高尾山名物の蕎麦まで、各茶店で趣向を凝らした品揃えが魅力的。
萌えポイント②ちっぽけな下界を実感できる《山上からの展望》
天気が良い日は、新宿の高層ビル群まで望むことのできる高尾山からの展望。「高いところから街を見る」という行為そのものが、新鮮に感じるはず。
萌えポイント③パワースポットで山岳信仰に触れられる《寺社仏閣》
開山は8世紀に遡ると言われる歴史ある高尾山・薬王院。山全体が寺域とされたことから、豊かな自然が守られてきました。堂々とした伽藍やシンボルでもある天狗などだけでなく、お守りなども充実しています。
萌えポイント④木々の生命力にパワーを貰えそうな《巨樹や巨木》
名所である「たこ杉」をはじめ、薬王院参道の杉並木の中には樹齢数百年を超える巨木が数多くそびえています。どっしりとした幹や緑の回廊から放たれる香りで、長い年月を生きてきた生命を感じられるかもしれません。
萌えポイント⑤やっぱり日本一の山は最高!《山頂からの富士山》
晴れた日に山頂から望むことができる日本で一番高い・富士山。丹沢・道志の山並を前景にひときわ高くそびえる美しい山容は、数々の芸術のモチーフにもなってきました。
萌えポイント⑥可憐な姿にほっこり癒やされる《豊富な花々》
高尾山は隠れた植物の宝庫。高尾山で最初に発見された植物は60種を超え、「タカオスミレ」など山の名を冠した品種もあります。例年4月ごろに見られる、6号路の最初の尾根で見られるスミレの花は人気です。
萌えポイント⑦マイナスイオンに癒やされる~《渓流・滝》
6号路をさらに下ると、渓流の中を飛び石を渡りながら歩く道が出現し、沢沿いの登山道が続きます。ハイライトの琵琶滝をはじめ、せせらぎの音を聞きながら歩いてみましょう。
《萌えたポイント別》2度目の登山におすすめの山
最初の登山で”萌えたポイント”がわかったら、次は2回目の登山に誘いましょう。
実際に萌えたポイント別に、関東周辺でおすすめの山を紹介します。どこも日帰り可能で、標高差や歩行時間も抑えめにした2度目の登山に適したチョイスです。