なっ何も見えない・・・。ご来光を見る前の最大の山場、暗所行動を攻略せよ!
山頂でのご来光は登山者だけが味わえるとっておきの時間。でもその前には”暗所行動”という大きな壁が。暗闇では遭難や滑落・怪我などの様々な問題が考えられますが、しっかりとリスクに対応することで危険を軽減することができます。暗所行動を攻略し、ご来光を目指す楽しみを広げましょう。
2022/12/29 更新
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監修者
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編集者
YAMA HACK編集部
月間350万人が訪れる日本最大級の登山メディア『YAMA HACK』の運営&記事編集担当。山や登山に関する幅広い情報(登山用品、山の情報、山ごはん、登山知識、最新ニュースなど)を専門家や読者の皆さんと協力しながら日々発信しています。
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YAMA HACK編集部のプロフィール
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制作者
クリエイター
橋爪 勇志
長野県在住。幼少期から登山に慣れ親しみ、厳冬期のアルプスやバリエーションルートを登ってきました。最近は親子登山に関心あり。文章と写真、図を交えた“わかりやすい”記事づくりを心がけています。好きな山は八ヶ岳・剱岳・伯耆大山。
橋爪 勇志のプロフィール
アイキャッチ画像出典:PIXTA
山頂から見るご来光は最高!

撮影:PIXTA
山での楽しみと言えば「山頂から見るご来光!」という方は多いのでは。
暗闇に包まれた世界が少しずつ赤く染まっていき、太陽が顔を覗かせる瞬間の美しさは、思わず息を飲んでしまうほど。光が優しく包み込み、時がギュッと凝縮されたかのような、不思議な感覚を覚えます。
そう、山の上でのご来光は、早起きして頑張った人への最高のご褒美です!
その前に控える危険・・・それは暗闇

出典:PIXTA
いざ「山頂でご来光を拝もう!」と思い立った場合、一つの懸念事項が挙げられます。
それは暗闇の中を歩くということ。
暗所行動は日中の登山に比べ非常にリスクが高く、基本的にご来光登山やナイトハイクなどの明確な目的がない限り避けるべきです。
しかし、どうしても必要な場合は、以下のようなリスクに注意して行動しなければいけません。
暗闇を歩く時の危険

作成:YAMA HACK編集部
この他にも、暗闇で視界が悪くなると木にぶつかったり、落とし物を見つけにくくなったりと、明るい時になんでもなかったことも困難になります。
暗所で行動をするには、こうしたリスクとその対処方法を理解することが大切です。
山岳ガイドに聞く〈暗所行動で抑えておくこと〉
今回は、日本山岳ガイド協会認定の山岳ガイドである、河合宗寛さんに暗所行動での注意点などについて聞いてみました。
暗所行動時の注意点を教えてください。
登山の基本ですね。他にはありますか?
視覚情報が著しく少なくなるため、
危険な場所にいても気づかないことがあります。
頭上に不安定な巨石がある、足元が切れ落ちた崖の縁にいる等。当然、道迷いの可能性も高まります。
事前に地図を見て見えていない地形を想像し、安全を確保するためのゆとりも持っておくことが大切です。
何か工夫するポイントなどはありますか?
ルートについて事前情報を得ておくこと、そもそも
暗所行動が可能か否かの判断をすることが必要です。
その上で、できるだけ照射力の高いヘッドライト(最低でも200ルーメン)を使うことを勧めます。また予備のヘッドライトを用意しておくことも重要です。
暗所行動が可能かどうかの判断材料を教えてください。
道に不明瞭な箇所がない、落石や滑落の可能性がない、気象条件に不安がない、緊急自体にも対応できる等が判断材料になります。そのため、行ったことのある山・コースであることも必要な条件です。
なるほど。基本的な歩行、読図や気象読み、緊急時の対応など、
登山の基礎知識をしっかりと押さえておく必要がありますね。
まとめるとこんな感じ

作成:ぶん
河合ガイドのアドバイスを参考にしながら、実際に暗所行動を実践してみました。
暗闇で行動してわかった”6つのポイント”

撮影:ぶん
実際に暗所行動をして気づいた計画、装備、歩き方などの6つのポイントを紹介します。
【検証場所】
長野県茅野市にある守屋山(標高1,631m) 杖突峠登山口の往復
【標準コースタイム】
1時間50分
【当日の出発時間】
AM3:00
【当日の山頂到着時間】
AM4:56
【当日のご来光時間】
AM5:16